新潟大学大学院医歯学総合研究科 腎研究センター 機能分子医学講座

Department of Applied Molecular Medicine

研究室紹介

A. メガリン関連トランスレーショナルリサーチ

近年、糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病の患者数が増加するとともに、それに伴って慢性腎臓病(CKD)を有する患者や、最終的に腎不全に陥って透析療法に導入される患者が増加し、医療経済上においても重大な問題になっています。私たちは特に、近位尿細管上皮細胞のエンドサイトーシス機構(蛋白質や薬剤を細胞に取り込み代謝する働き)に関わる機能分子の解析を基盤として、糖尿病・メタボリックシンドロームなどの代謝疾患に関連するCKD、および急性腎障害(AKI)の新しい診断・予防・治療法の開発を目指しています。2016-2018年度は日本医療研究開発機構(AMED)の腎疾患実用化研究事業に採択されました(「メガリンを標的とした腎機能温存・再生療法の開発」)。

B. 臨床研究プロジェクト

新潟大学医歯学総合研究科腎研究センター病態栄養学講座、腎・膠原病内科と連携して、様々な臨床研究にも従事しています。

C. 臨床業務・教育

新潟大学医歯学総合病院内科にて糖尿病・腎外来として、鈴木芳樹教授(新潟大学保健管理センター)が月曜日、斎藤亮彦特任教授が水曜日、細島康宏特任准教授(病態栄養学講座)が金曜日の診療を担当しています。さらに、それらの外来患者や他科・他院からの紹介の患者について、血糖コントロールや糖尿病性腎症による透析導入を目的とした入院管理を行っています。第1および第3火曜の午後6時から、11階病棟学生教育室で症例検討と勉強会を行っています。私たちのグループでは、所属するメンバーが、腎専門医・透析専門医等とともに糖尿病専門医の資格を取得することを目指しています。糖尿病は増加の一途をたどり、それにつれて腎症・腎不全も増えています。糖尿病診療には腎臓内科医の知識と技量をもってあたることが、ますます重要になると思いますし、そのような医者が医療現場において求められています。私たちのグループは日常臨床や勉強会を通して、そのような腎・糖尿病医の育成に励んでいます。

D. その他の活動

さらに、「食と健康」のテーマにおいて、様々なプロジェクトを推進しています。

「米どころ新潟」の地域性や歴史・文化的背景をふまえたうえで、広く「食」と「健康」について考え、討論するためのフォーラム(市民公開講座 新潟「食と健康」フォーラム)を、2007年度より毎年開催しています。

また農学部や亀田製菓(株)との共同研究において、JST重点地域研究開発推進プログラム(育成研究)「米・米糠タンパク質の新規機能性の解明と食品開発」(平成20-23年度)、および農林水産技術会議委託プロジェクト研究「米タンパク質の新規生体機能調節の先導的開発と機構解析」(平成23-25年度)の採択に貢献しました。亀田製菓(株)との共同研究は、新潟大学医歯学総合研究科腎研究センター病態栄養学講座(寄附講座)の設置につながり、以後、同講座とタイアップして、同社との共同研究を続けています。