新潟大学大学院医歯学総合研究科


顕微解剖学分野


(医学部医学科・第三解剖)



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研究紹介


走査イオン伝導顕微鏡(SICM)




図1.イオン伝導顕微鏡の原理
 走査型イオン伝導顕微鏡(scanning ion conductance microscope, SICM)は、1989年にP. K. Hansmaらが提案した走査プローブ顕微鏡の一種です。

 この顕微鏡では、探針(プローブ)にマイクロピペット電極を用い、液中のイオン電流を測定します。その際、ピペット電極が試料表面に近づくと生じるイオン電流の変化を利用して、試料の表面形状をトレースするわけです (図1)。

 SICMの制御では、探針試料間が近接したことによりイオン抵抗が生じイオン電流が減衰することを利用しているため、原子間力顕微鏡(AFM)のように相互間力の働く距離まで探針(ピペット)を近づける必要がありません。

 その点では”non-force”ともいえるソフトな領域で試料形状をトレースすることが可能で、細胞表面のきわめてやわらかい形状の観察にも期待がもたれています。

 


図2.SICMでみた液中のコラーゲン細線維網




<SICMによるバイオ試料観察>

 図2はSICMにより液中のコラーゲン細線維網を観察したものです。

 SICMでは、原子間力顕微鏡(AFM)のように探針(ピペット)を試料に接触させる必要がないので、水中に張り渡されているコラーゲン細線維網も、画像化することが可能です。


Ushiki, T et al.: Scanning ion conductance microscopy for imaging biological samples in liquid: A comparative study with atomic force microscopy and scanning electron microscopy. Micron 43: 1390-1398 (2012) [PubMed}