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循環器内科学概要
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ご挨拶
新潟大学医歯学総合研究科 循環器内科学教授 南野 徹

この度、新潟大学大学院医歯学総合研究科循環器内科学教室を主宰することになりました南野 徹と申します。本講座は、旧第一内科が循環器内科学として、血液・内分泌・代謝内科学とともに、再編されたものです。第一内科は、新潟医学専門学校開校以来、多くの医師・医学者を全国に輩出してきた長い歴史と伝統のある教室です。私は、第一内科としては10代目、循環器内科学教室としては初代の教授となりますが、今後もその伝統を継承しつつ、新しい風を取り入れながら、教室を発展させていきたいと考えています。

実は、私が医学を志した幼少の頃の夢は、家庭医となって地域住民の医療を支えることでした。しかし、大学病院や関連病院での研修・診療、国内外での医学研究、大学における医学部学生や研修医、大学院生に対する教育など様々な経験を経て、より多くの患者さんへの幅広い医療の実践や、新しい診断・治療法の開発に貢献したいと考えるようになりました。その夢を実現させるために、医学部の学生の能力を最大限に伸ばすことによって多くの優秀な人材を育成し、大学病院を中核とした地域医療を充実させ、革新的な医学研究を行うことによって、新潟県、日本そして世界の医療に貢献するとともに、新たな医学の知見を世界に発信したいと考えております。

次世代を担う循環器内科専門医の育成へ

医学部・大学病院では,高いレベルの一般医療を行うことは勿論ですが、高度な先端医療の開発・実践とその基盤研究が必要となります。そのためには、優秀な循環器専門医の育成は勿論のこと、現在我々が行っている医療の未解決点を解く研究をデザインし、かつ新たな医療の発展に貢献できる「Physician Scientist」の育成も必要と考えます。しかしながら現在の初期研修医は、医療技術の習得のみを目標として、研修をとらえる傾向があります。私自身は医学部卒業後、大学での内科研修と関連病院で循環器研修・診療を行うことによって、幅広い分野の循環器内科学の医療技術を習得することができました。その過程において、臨床の現場からの問題提起型の医学研究を経験させていただく機会にも恵まれました。以上のような自分自身の経験から、医学部・大学病院と県内の関連病院が一体となり、優秀な循環器内科専門医・Physician Scientistの育成を行っていくべきであると考えております。医療において「教科書を読み、ガイドラインをただ記憶し、学んだ医療技術を実践する」ことのみが重要なのではなく、医学部・大学病院で行われているような「教科書やガイドライン作成の根拠となる研究」や「次世代の医療開発」が、いかに社会的に重要であり、やりがいのあることであるかを理解できるような教育を行っていきたいと考えております。

先進医療の研究・開発と地域医療への貢献

臨床の高いActivityを維持するためには、やはり「豊富な症例数」と「高度な医療の実践」が重要です。今後、循環器内科では、積極的に救急症例を受け入れ、効率的な検査・治療計画によって短期間の入院で最大限の治療効果を得ることを目指します。一方、緊密な病診・病病連携を構築することで、増悪期の症例を大学病院が受け持ち、慢性期の安定した症例は地域の診療所・病院にお願いするといった、地域が一体となった医療形態を目標にしたいと考えています。虚血性心疾患・不整脈疾患・心不全に対しては、それぞれ、心カテーテル検査や血管形成術・ステント治療、電気生理学的検査やアブレーション治療・植え込み型のデバイス(ペースメーカーや除細動器など)を用いた治療、遺伝子検査や心臓再同期療法などが行われますが、最近それぞれの症例が増加していること、地域の病院でこれらの治療を行う施設がまだまだ少ないことなどから、大学病院が率先してこれらの治療・診断を実践し、その普及に努めていく必要があると考えております。また、大学病院では、先進の画像診断機器が導入されておりますので、それらを用いた非侵襲的な循環器疾患の診断が可能となっております。今後はこれらの診断方法を大学病院の外来・入院診療だけでなく、広く地域医療の場でも活用していただけるよう、普及に努めたいと考えております。さらに、大学病院では、関連病院で習得した幅広い医療技術をさらに確固たるものにして、優れた臨床能力を持つ循環器専門医を育成することが必要です。さらに専門化した分野のエキスパートも育成し、地域の中核病院へ派遣することによって、地域医療のレベルの向上にも繋げたいと考えております。また大学病院の使命として、一般病院では行うことができないような診断・治療法を開発・実践していくことも重要です。このような観点から、心臓に対する血管再生治療の実践や次世代の再生医療としての分子標的医薬の臨床応用、さらには心臓血管外科の先生と協力して新しいデバイスによる心不全・弁膜症の治療なども行って参りたいと考えています。

知の循環

志を持つ医師の集う教室を目指して

私は、「心血管系の老化と再生」の研究を留学中に開始しましたが、全く評価されることなく帰国したため、医学研究や医療に対する情熱を一時失いかけたことがありました。しかし、地域の関連病院の臨床の現場に戻って、当時「ステント治療が冠動脈疾患の予後を改善しない」などの現実を実感することによって、根本的な循環器疾患治療の開発に向けた情熱を取り戻すことができました。現在、日本の医療の現場では、経済的・社会的背景とも相まって、人間関係が希薄で医学研究や医療に対する情熱を失いかけている医師が増加しているように感じます。そこで、包括的な教育や先進的な医療、革新的な研究を行っていくことによって、多くの学生や研修医、シニア医師が有機的に集う魅力的な循環器内科学教室を確立し、地域医療や先進医療、基礎研究などを含めて、自分で進むべき道をしっかり見極め、熱い志を持って邁進できる医師を育成していきたいと考えております。

循環器内科学について