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1. 研究概要

 当教室の研究テーマは多岐にわたる。特に、当教室はパッチクランプ法や細胞内記録法を中心とした痛み・脳脊髄虚血・麻酔メカニズムの電気生理学的研究は伝統があり、その業績は国内外で高く評価されている。また、周術期管理に関して、経食道心エコーや脊髄機能モニタリングを用いた臨床研究を行っている。近年、著しく普及している超音波ガイド下末梢神経ブロックの研究も盛んである。
 詳しい研究内容については、麻酔科学ホームページをご覧ください。

2.研究グループ

  • 基礎研究グループ
  • 臨床研究グループ

3-1.基礎研究グループ

研究テーマ

脊髄における局所麻酔薬の作用機序に関する研究

局所麻酔薬は神経伝導を抑制することで、その作用を発揮する。その作用は、神経線維にあるナトリウムチャネルを阻害することで発揮される。しかし近年、局所麻酔薬の作用はより複雑なものだと考えられており、新たな作用機序の発見は鎮痛薬としての局所麻酔薬の可能性を広げることができる。我々は、脊髄後角細胞からの電気生理学的解析により、脊髄に対する局所麻酔薬の作用を検討している。

脊髄虚血の神経保護法に関する研究

脊髄虚血における各種麻酔薬の作用を調査している。心臓大血管手術における合併症の一つに、脊髄虚血による対麻痺の発生がある。周術期管理において麻酔科医は鎮静薬や鎮痛薬を駆使して全身麻酔の状態を作り出すが、これらの薬剤が脊髄の虚血病態においてどのような影響を及ぼすのか、電気生理学的な手法を応用して、その作用を細胞レベルで検討している。

分子学的、行動学的、薬理学的のアプローチを用いた麻酔機序に関する研究

神経細胞が持つ神経伝達物質の受容体は麻酔薬および鎮痛薬の重要な標的であると考えられる。特定の受容体の修飾薬を投与したマウス或いは特定の受容体を欠損するマウスの行動解析を行うことで、特定の受容体と麻酔や慢性疼痛などの行動と直接の関連性を検索することが可能となってきた。そこで、薬理学的および分子生物学的アプローチにより、麻酔薬の作用機序や慢性疼痛の発症機序に関する研究を行っている。この研究は、副作用が少なく作用のすぐれた薬の開発へとつながる。

神経障害性疼痛の治療ターゲットの検討

神経障害性疼痛は難治性疾患の一つであり、その発症機序を明らかにすることは治療戦略の創設のためにも非常に重要である。神経ガイダンス因子の一つであるSema3Aの神経障害性疼痛緩和作用を世界に先駆けて報告してきたが、現在はSema3Aの細胞内シグナル伝達と疼痛緩和機序の関係を明らかにすべく、生化学的組織学的な観点から研究を進めている。

3-2.臨床研究グループ

研究テーマ

胸部ステントグラフト内挿術における経食道心エコーによるエンドリーク検出に関する研究

胸部大動脈瘤ステントグラフト内挿術において大動脈瘤内の血流が途絶し、血栓化が進むと瘤内もやもやエコーが消失、エコー輝度が上昇する。術中経食道心エコーで瘤内もやもやエコーが残存し、血栓化(輝度上昇)が乏しい症例はエンドリークが遺残し、瘤拡大につながる症例が多いという仮説を検証している。

超音波ガイド下末梢神経ブロックに関する臨床研究

近年、超音波ガイド下末梢神経ブロックが普及してきている。様々な部位の末梢神経ブロックについて、その有用性や安全性に関する臨床研究を行っている。

脊髄機能モニタリングに関する研究

誘発電位測定を用いた脳脊髄機能モニタリングは、脊椎・脊髄外科、脊髄栄養動脈にかかわる大動脈手術等における手術操作による神経伝導路の障害や中枢神経虚血の同定に有用である。誘発電位は手術操作だけでなく他の様々な要因によっても変化する。特に、麻酔薬の影響は重要であり、正確な診断のために安定して記録できるように研究している。さらに、周術期に使用される麻酔薬以外の薬剤の神経保護作用の研究も行っている。

4.研究の成果

[分野] 麻酔科学分野

[研究テーマ] 脊髄における麻酔薬・鎮痛薬の作用機序に関する研究

[内容]
 全身麻酔には、鎮静・鎮痛・不動化などの要素が必要である。 私達はこの中でも鎮静・鎮痛作用に注目し、脊髄における麻酔薬・鎮痛薬の作用機序についてパッチクランプ法を用いて研究を行っている。
DAMGO(オピオイドμ受容体アゴニスト) により、AδおよびC線維誘起興奮性シナプス後電流 の振幅は抑制された。 抑制の程度はC線維のほうがAδ線維に比べ有意に大きかった。 脊髄くも膜下に投与したモルヒネなどのオピオイドはAδ線維を介する速く鋭い痛みより、それに引き続くC線維を介した鈍い痛みをより強く抑制することが明らかになった。

[写真など]

図

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