新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

HOME > 消化器内科学分野について > 女性医師の声

 女性医師の声

女性医師の声

当科を始め県内外の病院で多くの女性医師が消化器内科医として勤務しており、当科はそれぞれのライフプランに合わせた診療・研究活動が行えるよう支援に取り組んでいます。ここでは実際に消化器内科医として臨床や研究を行っている様々な立場の女性医師の声を集めました。

立川総合病院 消化器センター 消化器内科
小林 由夏 先生(H4年卒)
日本消化器病学会甲信越支部女性医師の会 委員長

 「女性医師」、とひとくくりに言っても実は人それぞれです。 救急もやって、当直もやってばりばりの一線で活躍中の人もいますし、子どもを産んで育てて、外来とバイトで過ごしている人もいます。途中で立場が変わることだってあります。隣の芝生が青く見えたり、ひがんでしまうこともあるのですが、どれもが正解で、どれもが自分なりの道です。
 私が消化器内科を選んだのは、知っている先生がいたから、というあまり学問的ではない動機でした。若いときは他人の仕事をもらってでもやりなさい、と言われていたので、とにかく3年目までは仕事、仕事に明け暮れました。4年目に縁あって結婚、5年目に出産、この頃、思うように働けないことに焦りました。つわりで長く体調も悪かったり、子どもも階段から落ちて骨折したり、ノロウイルスで入院したり。異動で新しい病院に来たときには、「休まれると困るから、二人目はしばらく作らないでね。」と言われました。ようやく普通勤務に慣れて、子どもが小学生になったかと思ったら、今度は仕事の帰りが遅い私は、寝る時間が早い子どもに会えなくなりました。仕方ないので8年目からはパート勤務になり、PTAや子ども会の役員もやりました。
 それでも私は、恵まれていると思います。今の上司は「当直なし」で勤務することを理解してくれ、学会への出席も普通に許してもらえました。学会の情報は次の仕事への意欲を高めてくれました。家人も支えてくれました。そして、消化器内科だからこそ、の技術と精神があって、臨床に戻ってくることができました。不器用だ、と不安だった内視鏡も腹部エコーも、身についた後ではしばらく間が空いてもルーチン検査として体が動くようになりました。人づきあいがいい方でなかったのですが、食べる、という生活に直結した疾患を扱うからこそ、相手を知って治療を考えるようになりました。「先生の顔を見ると、安心する。」と言われた時には、戻ってきてよかったな、と感じました。
 今は、市中病院でほぼ通常勤務をしながら年間大体8-10件の学会、研究会発表をしています。この20年でC型肝炎の治療は50%から95%治るようになり、大腸がんの抗がん剤治療も大きく変わりました。まだこれからも肝硬変からの復活や、免疫チェックポイント阻害薬の登場など、新しい世界が待っています。こんなに興奮できて劇的な進歩を目の当たりにできる分野はそうはないでしょう。講演を聞くとわくわくすることばかりです。
 消化器内科の基本技術と考え方を身につけることは、広くて大きな入口です。「女性医師」にとらわれず、仕事に夢中になることもできるし、いったん家庭に立ち止まってゆっくり歩くこともできます。ゆっくりすることは、けして怠けていることではありません。女性ならではのきめ細やかな治療が効果を上げる分野があるかもしれないし、ある一つの分野を極めることで穴を埋めることができるかもしれないのです。
 日々の仕事と真摯に向き合っていくことで、時には一息つきながら、時にはがむしゃらに、消化器内科でやってきたことはきちんと形として残ります。

済生会新潟第二病院 消化器内科
佐野 知江 先生(H16年卒)

 消化器内科医を名乗ってはや10年の歳月が流れましたが、大学院(病理)や出産、子育てなどでだいぶ寄り道をしてしまいました。臨床医としてはなんとなく5年目ぐらいの技量で、日々の内視鏡検査、治療技術の修練に励んでおります。寄り道と申しましても私にとってはとても有意義な時間であり、大学院・病理で学んだことは日々の内視鏡検査や治療をする上で貴重な財産になっておりますし、出産や子育ては一人の人間として患者や社会と接する上で大切な経験となっております。
 子育てしながらの消化器内科医としての生活は確かに大変ですが、主人や同僚、上司の援助もあり、毎日充実した日々を過ごしております。夜中に急変で呼ばれたり、ICUでモニターを眺めながら学童へのお迎えのタイミングを考えたり、院内に子供を待たせて緊急処置をしたりと、消化器内科の女医あるあるかもしれませんが刺激的な日々で、しんどい時は『三年目の頃の方が辛かった』と呪文を言い聞かせて乗り越えております(笑)。
 現在は短時間勤務となり当直も夜間の当番も免除されていますが、外来や入院患者は従来どおり担当しています。治療で遅くなることもあれば、夜間や土日に呼び出されることもありますが頑張っております。
 昨今、女性医師の出産、育児中の職場離れが問題となっておりますが、消化器内科では内視鏡や腹部超音波などの検査や診断も身につきますので、ガッツリ病棟の担当ができない時期でも外来や検査、検診業務など活躍の場があります。出産や育児中も自身のライフスタイルにあった(子供の成長に合わせた)働き方ができる科でもあり、復帰しやすい職場であるとも思います。
 長い医師人生を考えると、出産や子育てなどで臨床から離れる寄り道もかけがえのない時間であり、今はまた消化器内科医という道に戻り歩んでいます。これからも少しずつ寄り道しながら医師としても人間としても成長していきたいと考えています。

長岡赤十字病院 消化器内科
長島 藍子 先生(H21年卒)

 医者は10年でやっと一人前とよく言われますが、そろそろその時期に差し掛かる、現在8年目を迎えて思うことは、あと2年で一人前になれるかどうかはもちろん不安もありますが、市中病院での臨床、大学病院での臨床、大学院での研究とこの6年の間にさまざまな環境で医療に当たることができ、現在は一通りの手技を経験しながら難病といわれる疾患の治療にもあたることのできる体制に満足しています。
 当科の特徴に、若手のうちにたくさん手技を経験でき、自分が確実に上達していくことが実感できることが挙げられます。対象臓器がたくさんある分、診療内容も多岐に渡り、マンネリ化しない毎日を送れる一方で、より専門性を極めたい人も対象をしぼって研究する環境もある科です。分野が広く、たくさんやることがある、つまり働き方も様々あるため、その人にあったやり方で、医療に向き合えます。特に、女性は体力的なことや生活面とバランスがとれるか、という問題は常に考えるところですが、基本の内視鏡手技さえ身につけば、仕事を続けることは可能ですし、仕事の仕方の広がりもあると思います。Skillがある、というのは強みです。まずは見学、研修で当科の雰囲気を知ってください。是非一緒に働きましょう。

新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野 大学院生
小林 陽子 先生(H23年卒)

 初期研修が終わり後期研修として、市中病院で1年、大学病院で1年研修したのち、大学院に進学しました。現在、大学院での研究生活も2年が終わろうとしています。大学院生活は基礎実験が思うように進まなかったり、なぜそうなるのか悩んだり、自分の研究テーマに対する答えが見えず、なかなか根気と気合が必要な時もありました。しかしその都度、指導の先生には、どんなつまらない事柄でも懇切丁寧にご指導していただいたり、研究仲間に手伝ってもらったりしながら、2年間経ってやっと自分のやってきた研究が一つのかたちとなりそうで、嬉しく思っています。医師としてのライフプランやライフスタイルは様々ですが、良い意味で一人ひとりの個性や素質を伸ばすことができる科だと思いますし、女性医師も自分のライフスタイルに合わせながら働くことができ活躍できる科だと思います。

同門会の皆様へ