新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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留学だより

ハーバード留学記 4 森 祐介 先生

2016年6月13日

2015年7月より米国 ハーバード大学ケネディ行政大学院行政学修士課程に留学中
 早いもので、ハーバードケネディスクールでの学生生活も終わりとなりました。5月26日は”Commencement”、いわゆる卒業式でした。ハーバード大学の発表によれば、学部、大学院合わせ、今年は7,738の学位が授与されたとのことです。ケネディスクールからは、584人が卒業しました。
 卒業式は26日の1日ですが、その週は行事が盛りだくさんです。ケネディスクールの公式の行事だけでも、
・24日 クラス・デイ(代表スピーチと優秀な学生の表彰)
・25日 招待スピーチ(今年はマデレーン・オルブライト元国務長官)
・25日 レセプション
・26日 集合写真撮影(朝6時45分集合)
・26日 セレモニー午前の部(ハーバードヤードに1万人以上集合、ラテン語によるスピーチあり)
・26日 学位授与式(学科長から一人一人手渡し)
・26日 クラス・ランチョン
・26日 セレモニー午後の部(今年はスティーブン・スピルバーグ氏によるスピーチ)
・27日 クラス・ブランチ
と、このような様子で、さらに学生による自主的なパーティーがこれらに加わります。(私は疲れ果てて公式行事のみで精一杯でした・・・)
 日本の卒業式でアカデミック・レガリアを着るのはほぼ博士課程の修了生だけだと思いますが(少なくとも私はそうでした)、こちらでは学位の種類問わず全員が着用します(ガウンを着ないとセレモニーに出席できません)。修士の場合、胸のマークの色がスクールによって異なります。この他に、それぞれのスクールを表現するオブジェ(?)が手渡され、それとともに行進します。例えば、メディカルスクールは聴診器、法科大学院は木槌、教育大学院は教科書といったふうです(ちなみにビジネススクールは数年前まで札束だったそうですが、リーマンショック後に自粛モードになり、現在は小さい旗になったそうです)。ケネディスクールは地球儀のボールで、「国境を越えた ”Public Good” (世界を良くする)」の意味が込められているものと思います。とにかくこの1週間はケンブリッジの街全体が祝福ムードでした。
 1年間一緒に過ごした同級生が次々と出身国・地域に帰ってしまうのは、残された身としてなかなか辛いものがあります。仲良くしてもらったシンガポールの友人と最後にお茶をしたときには思わず胸が熱くなりましたが、2、3年以内の再開を約束してお別れをしました。
 1月〜5月までの春学期の修学を振り返りますと、ケネディスクールで「交渉分析」「リーダーシップ」「責任と代表制:政治活動の需要への対処」「人材と組織パフォーマンスの最大化」の4科目を、ハーバードビジネススクールで「ライフサイエンスビジネスの構築」の1科目を履修しました。また、「読解と研究」という修士論文に準ずる論文を執筆する科目を履修し、アメリカ政治学の専門家であるDavid King上級講師及び科学技術社会論が専門のSam Weiss Evans講師の指導のもと、幹細胞研究行政についての論文を執筆しました。この論文は、現在投稿を目指してブラッシュアップしているところです。
 6月から8月は、二つの研究を行います。
 一つ目に、ハーバードケネディスクールのリサーチアソシエイトとして、メイン州における「熊狩り」と地方選挙についての調査研究・ケース執筆をします。研究がうまくいけば、アメリカの地方議員等を対象としたケネディスクールのエグゼクティブプログラムで使用されるとのこと。
 二つ目に、マサチューセッツ工科大学・国際研究センターのリサーチフェローとして、幹細胞研究行政の国際比較を行います。
 なお、8月31日からは、1年間、ハーバードメディカルスクールの修士課程で、生命倫理学を勉強する予定です。

Mid-Career MPAの集合写真(2016年5月 ハーバードケネディスクール) ※Photo Credit: Suzanne Shende
ケネディスクールの卒業生は地球儀を持つ(2016年5月 ハーバードヤード)
Douglas Elmendorf学長と同級生と(2016年5月 ハーバードヤード) ※Photo Credit: Daniel Chen
学位授与式の会場で日本人の卒業生と(2016年5月 JFKメモリアルパーク) ※Photo Credit: Sayuri Hayashi
セレモニー午前の部の様子(2016年5月 ハーバードヤード)
しおり(2016年5月 ハーバードヤード)
ケネディスクール前にて(2016年5月)
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