診療のご案内

各グループについて

消化管グループ

近年、内視鏡に関する研究分野が、より専門化、細分化してきたため、消化管グループは、臓器・疾患別に、チーム体制をとっています。しかし、実際の臨床の場面では、チームを越えて、消化管グループと胆膵グループは一致団結して、内視鏡室で患者診療にあたっています。また、毎週水曜日の午後7時から、内視鏡検討会を行い、その1週間に行われた内視鏡画像のチェックや、治療方針についてのディスカッションをしています。

1.ESDチーム

当科(光学医療診療部)は、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を平成15年2月より臨床研究として導入し、有効性や安全性を慎重に検討しながら症例を重ね、平成18年以降は年間150~200例の治療実績を挙げてきました。

また、ESDは胃癌のみならず、食道癌や大腸癌に対しても応用されておりますが、胃のESDに比べ、食道、大腸ESDは、治療手技の難易度が高いため、県内の症例が、センター施設である当院に集中してきます。このため、特に、新潟県で多い食道癌症例は、国内有数の治療実績となっています。

この豊富な症例をもとにして、これまで我々は、安全なESD治療手技の検討はもとより、食道癌全周性ESD後の狭窄対策の検討を進め、国内外の学会等で成果を報告してきました。また、正確なESDのためには、より正確な術前診断が必要であることは 言を俟ちませんが、拡大併用NBI(狭帯域光観察)を用いた、食道癌、胃癌の新しい診断法に関する研究を進め、一定の評価を得ています。さらに、ESDで切除された検体を研究材料として、特に、バレット食道腺癌やピロリ菌除菌後胃癌などについて、本学病理学教室との共同研究を行っています。

これから超高齢化社会を迎えるわが国においては、ESDの重要度がますます高まることが予測されるため、次期世代を担う若手医師に対するトレーニングシステムの構築、充実が、今後の目標です。また、これまで内視鏡の分野は、技術優先の傾向が強いため、学問としては軽視されがちでした。しかし、今後、新しい診断や治療を進めていくためには、経験論によらない臨床研究に基づいたエビデンスが不可欠です。日々の臨床を重視しつつ、大学病院としての研究実績を求めていきたいと考えています。

2.小腸内視鏡(バルーン内視鏡・カプセル内視鏡)チーム

小腸は人体の中でも最大の臓器であり、全長は6~7mにもおよびます。消化・吸収という機能的にも大変重要な臓器ですが、これまで臨床的に関心が低く、消化管の中で最も遅れた分野でした。これは、胃や大腸と異なり、小腸には悪性腫瘍が少ないことや、解剖学的位置から内視鏡を挿入することが困難で、X線二重造影法が主な診断手段であったためで、「暗黒の臓器」とも呼ばれてきました。しかし、21世紀になり、全小腸の観察を目的としたカプセル内視鏡が登場し、また、ほぼ期を同じくして本邦で開発されたダブルバルーン内視鏡の登場により、小腸検査法に劇的な変化がもたらされています。

カプセル内視鏡は、従来までの内視鏡検査とは大きく異なり、経口的に飲み込むだけというほとんど苦痛を伴わない低侵襲な検査法で小腸内腔を詳細な画像として捉えることが可能です。本邦では、2007年10月から「原因不明の消化管出血」に対し保険認可となり、実際の臨床において成果を得ています。

ダブルバルーン内視鏡は、屈曲した腸管をバルーン付きのオーバーチューブで内側から把持し、それ以上の進展を予防するという原理に基づいて開発された内視鏡で、このオーバーチューブの中にスコープを通していくことにより、腸管を伸展させることなく深部へ進めることができます。内視鏡の先端についたもう1つのバルーンを使用することによりさらに深部への挿入が可能で、小腸を短縮しながら挿入を行います。経口的・肛門的挿入が可能で、両ルートを用いて、多くの症例で全小腸の観察が可能です。最大の長所は組織学的な確定診断や内視鏡治療が行えることで、これまで不可能であった小腸の止血処置やポリープ切除などが可能となりました。

当科は新潟県内では数少ない、カプセル内視鏡とバルーン内視鏡を備えた施設であり、小腸出血をはじめとした小腸疾患に対する県内の診療拠点として多くの患者様を紹介いただき、日々診療を行っています。小腸疾患の診断や治療に加え、今後は病態解明にも努めていきたいと考えています。

3.食道・胃静脈瘤(門脈圧亢進症)チーム

肝硬変などで生じる門脈圧亢進症という病態では、食道や胃に高率に静脈瘤が発生します。特に食道の静脈瘤は破裂しやすく、ひとたび破裂すると多量の出血により命を脅かす病態にもなります。破裂した静脈瘤を止血したり破裂を予防したりするために、以前は手術が行われてきました。しかし、近年では内視鏡による治療が中心となり、本邦では静脈瘤内に硬化剤を注入し血栓化をはかる食道静脈瘤硬化療法 (endoscopic injection sclerotherapy: EIS) と、静脈瘤をゴムバンドで結紮する食道静脈瘤結紮術 (endoscopic variceal ligation: EVL) の2つの手技が標準的な治療として確立しています。当科では年間で40~50人程度の食道静脈瘤患者様に対しこの内視鏡治療を行っており、静脈瘤出血の予防や予後の改善に寄与しています。

この2つの内視鏡治療のうち、EVLの方が手技的に容易で治療期間も短く済むことからEISに比べ広く普及しています。しかし、EVLはEISに比べ再発率が高いのが欠点で、治療後すぐに再発してしまうことがよく経験されます。一方EVLでもEISと同じように長期間再発しない場合も時々みられます。どうして再発する人としない人がいるのか、EVLでもEISと同等の治療成績が期待できる人が事前に予測できないかと考えました。

静脈瘤の血行動態を把握することにより, EVLとEISの適切な使い分けが可能ではないかともいわれていますがまだ結論はでていません。私たちも、 CTや超音波内視鏡を用いて静脈瘤の血行動態をできる限り把握し、EVLやEISによる治療効果の予測を行っています。そして将来的には、ひとりひとりの血行動態に応じて適切な内視鏡治療が選択可能になることを目指し、日々研究を行っています。

肝臓グループ

消化器内科・肝臓グループでは、肝細胞癌に対する包括的な治療を目指して日々の診療に当たっています。 ラジオ波焼灼療法を中心とした穿刺治療や全身化学療法のみならず、シスプラチンの肝動注やミリプラチンなどの新規抗癌剤を用いた経カテーテル的治療、血行改変とポート埋め込み、先端固定によるリザーバー留置など、さまざまなIVR手技の実際を消化器内科で行っているのも当科の大きな特徴です。また、直接的な肝細胞癌の治療に加え、胃静脈瘤合併例に対するバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術や、化学療法剤の使用を考慮した血小板減少例に対する部分的脾動脈塞栓術なども積極的に行っています。

さらに、肝予備力が生命予後に大きな影響お及ぼす肝細胞癌の特殊性を考慮して、呼吸商や窒素バランスの測定、コンピューターを用いた神経精神機能検査による潜在性肝性脳症の診断、インピーダンス法を用いた身体計測、デジタルカメラを用いた食事摂取量の評価など、蛋白質・エネルギー低栄養状態の正確な把握と積極的な栄養介入を実施しており、日々の診療行為に満足することなく、糸球体濾過量に対する代替マーカー評価などの既存医療の改良や、分子標的薬などの効果・副作用予測と新規治療法の開発などを目的とした医師主導型の臨床試験を積極的に計画し、実施しています。

これらの包括的な診療活動は、医師のみならずコメディカルとの緊密な連携を基盤として成立しています。
さらに消化管・胆膵グループとの有機的な連携が実現していることも当科の特筆される特徴であり、定期的な院内検討会、関連病院内カンファレンス、各種学会への報告などにより、現状の客観的な把握と質の向上が常に図られています。

胆道・膵臓グループ

新潟大学医歯学総合病院 第3内科 胆膵グループは膵・胆道疾患の診断・治療において国内でも最先端レベルの診療をおこなっています。
新潟県内には膵・胆道疾患を得意とする内科医が少なく他院で診断困難、治療困難とされた患者様の紹介も多くありますが、豊富な知識と、多くの経験を背景とした確かな技術により適切な診断・治療を行っています。

もしご自身の疾患について疑問や聞いておきたいことがあれば、毎週木曜日の塩路外来を受診してください。
予約なしの場合はかなり待っていただくことになりますが、膵・胆道領域の専門家として適切な診断・治療を行います。

近隣の医療機関のみなさまへ

膵・胆道疾患は日常診療で遭遇することは比較的少ないかも知れませんが、胆嚢ポリープや膵嚢胞などが見つかり、どのように検査、経過観察をすべきか迷うこともあるかと思います。
胆膵疾患で内視鏡的に診断、治療困難な症例が御座いましたら遠慮なくご相談ください。

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新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野
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