新潟大学医学部附属病院検査部
よくある質問集



目次
1.検体保存、運搬の注意事項
**検体受付時間外に検体採取をおこなった場合、
下記の要領で検体保存してください。凍結保存したものは解凍せずに提出してください。
1)生化学、血清検査検体の保存
@血清分離し(2500回転10分遠心)冷蔵庫保存。
全血のまま冷蔵庫保存---Kが上昇。
室温保存---酸素活性等が低下。
明所保存---ビリルビンが低下。
A血清分離し(2500回転10分遠心)凍結保存。
HCV−RNA
抗DNA抗体
CH50
CK、CKアイソザイム、PA,PAP
総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比
2)細菌培養検体の保存
@冷蔵庫保存(喀痰、便、尿などは当日採取に限る)
A血液培養は室温保存
微生物学的検査へ
3)検体運搬上の注意
@氷冷で運搬−−−アンモニア
A37℃で加温して運搬−−−CH50でCold activationをおこす検体、寒冷凝集(外注)
4)すぐに検査しなければならないもの
@アンモニア
ACaイオン(嫌気的操作)

2.正常値設定について
1)正常値の集団
正常値設定の集団は、原則的には通常の健常者から、既往歴のある者、毎日の飲酒者、
薬剤服用者を除き、さらに乳ビ血清、溶皿血清を除いた血清である。
2) 正常値設定の計算法
血清化学成分の正常値の算出は平均値mと標準偏差SDを求めm±2SDの範囲外のデータを除外して新たにmとSDを求め、再び両端のデータを捨てるという操作を繰返し、
それが収束するまで行う反復収束法で行った。ただし、この方法では異常値でないものま
で除くので、飯塚の補正値1.378〔臨床化学7(4)393,1979〕で補正した。
3)脂質の項目(TC,PL,TG,β-Lip)、AFP,は上記反復収束法ではなく確
率紙法で正常値を設定した。
PAP、PA、T3、T4、FT4、TSH、プロラクチン、
GHは最尤度変換法により分布型を決定し、Smirnov-Grubbsの検定を行った。さらに
殊なもの、例数の少ないものは原則としてm±2SDの範囲を正常値とした。
4)CA125,フェリチンはノンパラメトリック法で算出した。
尿中化学成分の正常値は1980年のデータをもとに反復収束法で算出したものである。

3.正常値一覧表についての注意
1)分布型は各項目のヒストグラムから決定した。
正規分布型に分類した項目
TP, A1b,Ca,IP,Mg,Na K,Cl,HDL-C,フルクトサミン
T3,T4
2) 対数正規分布型に分類した項目
A/G,UN,UA,CRTN,CRT,Bil,TTT,ZTT,GOT(AST),
GPT(ALT),LDH,ALP,γ-GTP,LAP,Ch・E,Amy,CK,
TC,PL,TG,β-Lip,NEFA,CEA,CAI9‐9,AFP,CA125,
フェリチン,β2MG,PAP,PA,TSH,PRL,LH,FSH,GH,FT4
3) 実験誤差は通常のX-R管理図法と同様の算出法である。従がって実際の患者データの
実験誤差は表の測定誤差CV%値にルート2を乗じること。

4.LDLコレステロールの報告について
LDLコレステロール(LDL-C)値は総コレステロール(TC),HDLコレステロール(HDLC),中性
脂肪(TG)を同時に依頼した場合には下記の式により計算し、報告します。
(式)LDL-C=(TC −HDL-C)-(TG × 0.2 )mg/dl
注:TGが400mg/dl以上の場合や空腹時採血でない場合は不正確になりますので、ご注意下さい。
[参 考]
米国コレステロール教育プログラムの
改訂ガイドラインでは、LDLコレステロール
をもとに治療を決定する勧告を出しています。日本動脈硬化学会でも、これと同様の
治療方針を出す予定です。総コレステロールの値だけをみて治療方針を決定すると、
HDLコレステロール(善玉)が十分高いにもかかわらず不必要な薬物治療が開始さ
れるなどの問題が生じます。

4-@虚皿性心疾患(CHD)危険因子
年齢
男≧45
女≧55
(またはエストロゲン補充療法(-)で閉経後)
- CHDの家族歴
- 喫煙
- HDLコレステロール<35mg/dl
- 糖尿病
ただし、以下の項目が該当する場合は危険因子の合計から1を引く。
HDLコレステロ−ル>60mg/dl

4-A虚皿性心疾患(CHD)の食事療法の目安
- CHDがなく、危険因子が2個より少ない−−160mg/dl以上で開始
- CHDがなく、危険因子が2個以上--130mg/dl以上で開始
- CHDがある場合−−100mg/dlより多いと開始

4-B虚皿性心疾患(CHD)の薬物療法の目安
- CHDがなく、危険因子が2個より少ない---190mg/dl以上で開始(目標<160)
- CHDがなく、危険因子が2個以上--160mg/dl以上で開始(目標<130)
- CHDがある場合−−130mg/dl以上で開始(目標≦100)
***ただし、危険因子は、該当する項目の数です。
