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ミトコンドリアやオートファジーに興味のある方は、ぜひご連絡ください。
問い合わせ先:神吉(かんき)
kanki<at>med.niigata-u.ac.jp
025-227-2156












研究内容の紹介

1.はじめに(ミトコンドリアとオートファジーの紹介)
2.ミトコンドリアオートファジーと健康
3.私たちの研究成果(すこし専門的な内容)

ミトコンドリアオートファジー(mitophagy/マイトファジー)と健康

ミトコンドリアオートファジー(mitophagy/マイトファジー)
 一般的にオートファジーは、細胞質のタンパク質やオルガネラを非選択的に分解する現象です。しかしながら、研究が進むにつれて、オートファジーにはミトコンドリアやペルオキシソーム、小胞体などを他の細胞質成分から選択して分解する機能が備わっていることが明らかとなってきました。こうした分解対象を選択して分解するオートファジーは選択的オートファジーと呼ばれています。選択的オートファジーの中でも、私たちが研究対象としているのが、「オートファジーによる選択的ミトコンドリア分解」、即ちmitophagy(マイトファジー)です。
 マイトファジーもオートファジーの一種ですから、ミトコンドリアを分解する過程の多くは、オートファジーと共通です。下図にオートファジーとマイトファジーの模式図を示しますが、オートファジーとの大きな違いは、「隔離膜が分解対象としてミトコンドリアを選択しているかどうか」ということです。それ以外は、ほとんど同じと言えるかもしれません。実際、私たちが出芽酵母で試したところ、オートファジーに必要な遺伝子(ATG遺伝子)の全てがマイトファジーにも必要であるが、ミトコンドリアの選択に関わる部分のみがマイトファジー特有の遺伝子であるという結果でした(Kanki & Klionsky, JBC 2008)。哺乳類の培養細胞でも、オートファジーに必要な遺伝子のほとんどはマイトファジーにも必要なようです。


 では、何故オートファジーはミトコンドリアを選択的に分解する必要があるのでしょうか?マイトファジーは、細胞にどんなメリットをもたらすのでしょうか?その正確な答えは未だに分かっていません。しかし、推測はできます。細胞中には、たくさんのミトコンドリアが存在します。これらのミトコンドリアの一部を分解するときに、わざわざ元気なミトコンドリアを分解する必然性は無いと思われます。逆に、異常なミトコンドリアや古くなったというミトコンドリアがあれば、それらが優先的に分解されることに合理性があります(古くなった表現が適当かどうか判りませんが)。即ち、マイトファジーは、細胞内の機能が低下してきたミトコンドリアを選択的に分解することにより、細胞内のミトコンドリア恒常性を維持しているだろうという考えです。この考えは、多くのマイトファジー研究者に支持されているようです。しかしながら、本当にマイトファジーが機能が低下したミトコンドリアだけを分解しているかどうか、実験的にはほとんど確かめられていません。このことを証明するのが、私たちの研究室の目的の一つです。

マイトファジーと健康
 ミトコンドリアは、細胞が必要とするATPの大部分を作り出すオルガネラであるため、ミトコンドリアの異常は、様々な病気に結びつきます。上述のように、まだ完全に明らかになっているわけではありませんが、マイトファジーは、異常なミトコンドリアを分解することでミトコンドリア恒常性を維持していると考えられています。もしマイトファジーがうまく機能しなければ、細胞中に異常なミトコンドリアが蓄積し、様々な病気が発症するかもしれません。「老化」は病気ではありませんが、筋力が低下したり、動きが緩慢になったり、糖尿病や心血管疾患に罹りやすくなります。この原因の一部は、老化によるミトコンドリア機能低下です。マイトファジーは、老化によるこうした症状発症を抑制している可能性もあります。また、マイトファジーを誘導するような薬を見つけることができれば、老化に伴う症状やミトコンドリア関連疾患の治療・予防できるかもしれません。マイトファジーに関しては、未だに不明なことばかりで、これらはあくまで推測でしかありません。しかしながら、既に判っていることを組み合わせるだけでは、革新的な医療の進歩には結びつかないと思います。私たちの研究室では、マイトファジーを基礎から詳細に理解し、マイトファジーを利用した治療薬の開発にまで発展させようと、日々研究を進めています。

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新潟大学大学院医歯学総合研究科