新潟大学腎・膠原病内科

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後期臨床研修案内

腎臓内科・膠原病内科コース

後期専門研修の特色

当科では、文字通り、腎生検から腎不全の透析治療、腎移植まで、腎臓内科専門医として要求されるすべてのケースに対応できるように研修することができます。また、急性腎不全・多臓器不全に関連する救急医療・集中医療も数多くの経験を積むことができます。研究面においては、臨床病理学的研究から遺伝子レベルの研究、さらには遺伝子治療・再生医療など新しい治療法の開発に向けた基礎研究も幅広く展開しています。膠原病診療では、臓器別ではない全身を診る全人的診療の基本を身に付けることを目標とし、自己免疫疾患、リウマチ性疾患のマネージメントについて専門的に研修できます。膠原病の臨床研究を中心に、免疫学研究、遺伝子研究を展開しています。新潟大学には国内唯一の腎研究施設3部門があり、互いに交流しながら研究を進めていることも特徴の一つです。

後期専門研修プログラムの概略

腎臓疾患、膠原病疾患は多臓器の疾患を合併していることが多く、腎臓・膠原病の専門的知識と技術の他に、一般内科医としての多様な疾患に対応できる能力が必要です。腎・膠原病内科コースは、多彩な疾患を高度先進的なレベルで診療している新潟大学医歯学総合病院を中心として、腎・膠原病疾患の診療を専門的に担当しながら、疾患を全人的に診る研修コースです。コースは原則として、一般内科後期研修、腎・膠原病内科専門臨床研修、および大学での研究期間に分けられます。

Aコース

後期研修の初年度に一般内科後期研修を1年間行った後、大学院に正規入学し、腎・膠原病内科(臨床的問題に基づいた研究)あるいは基礎教室(国内留学も含む)で2年間研究(内科認定医はこの間の卒後4~5年目に取得)。その後、腎・膠原病内科、関連病院で腎・膠原病の臨床研修を行い、内科学会及び各専門学会の専門医資格を取得します。

Bコース

後期研修の初年度に一般内科後期研修を1年間行った後、腎・膠原病内科医員として腎・膠原病内科臨床研修を開始。医員に在職しながら社会人大学院特別選抜で入学を行うとともに認定内科医を取得。その後、腎・膠原病内科あるいは基礎教室(国内留学も含む)で2年間研究し、続いて腎・膠原病内科と関連病院で専門研修を行い専門医資格の取得が可能となります。

Cコース

腎・膠原病内科と関連病院で専門研修を行い、その後専門医資格を取得、この間臨床研修の傍ら臨床研究を行います。臨床研究の論文を提出することで論文博士の取得も可能です。

卒後 Aコース Bコース Cコース
1年目 卒後臨床研修
一般内科後期研修
卒後臨床研修
一般内科後期研修
卒後臨床研修
一般内科後期研修
2年目
3年目 一般内科後期研修
腎・膠原病内科医院・関連病院
一般内科後期研修
腎・膠原病内科医院・関連病院
一般内科後期研修
腎・膠原病内科医院・関連病院
4年目 基礎研究
臨床研究
(正規大学院)

腎・膠原病内科
基礎講座出向
腎・膠原病研修
腎・膠原病内科医院
(社会人大学院)
一般内科研修
腎・膠原病研修
腎・膠原病内科医院
5年目 基礎研究
臨床研究

腎・膠原病内科
基礎講座出向
腎・膠原病研修
腎・膠原病内科医院or関連病院

腎・膠原病研修

腎・膠原病内科医員
関連病院
6年目 腎・膠原病研修
腎・膠原病内科医員
腎・膠原病内科
基礎講座出向
7年目 腎・膠原病研修

関連病院
大学院修了・医学博士

専門医取得

専門医として活躍
腎・膠原病研修

関連病院
大学院修了・医学博士

専門医取得

専門医として活躍
8年目 腎・膠原病研修
関連病院
専門医取得
9年目 論文博士取得可能

どのコースも終了後(概ね卒後10年)、大学腎・膠原病内科で腎臓内科・膠原病内科の指導者・教官を目指すものと、関連病院で腎臓内科・膠原病内科専門医として活躍するものとに分かれます。

以上は一般的な研修コースですが、各自の将来構想により、適宜コースの変更は可能です。また海外研究留学希望者は、研究の進捗状況に応じて適宜その選択が可能です(概ね卒後6~10年頃)。

教室からは常時4~6名が海外留学をしています。

腎臓内科のプログラム

概要

当科は日本で初めて腎生検を臨床に応用した歴史を持ち、腎生検病理組織の観察と診断に関しては、世界でも有数の経験を有しています。また、腎不全に対する透析治療にもいち早く取り組み、血液透析治療の普及に貢献してきました。特に下条文武教授は、透析患者に合併する透析アミロイドーシスの原因物質がβ2-ミクログロブリンであることを世界で初めて明らかにし、その治療法の開発にも貢献してきました。最近では、泌尿器科との共同で腎移植症例の内科的な管理も行っています。

このような背景をもつ当科では、文字通り、腎生検から腎不全の透析治療、腎移植まで、腎臓内科専門医として要求されるすべてのケースに対応できるように研修することができます。また、急性腎不全や多臓器不全に対する救急医療も数多くの経験を積むことが可能です。

臨床面のみでなく、研究面においても臨床病理学的な研究から遺伝子レベルの研究、さらには遺伝子治療・再生医療などの新しい治療法の開発に向けた基礎研究も幅広く展開しております。さらには新潟大学には国内唯一の腎研究施設3部門があり、互いに交流しながら研究を進めています。大学院生の派遣や、研究面での相互の協力を行うことで、この貴重な研究・教育環境を活かすように努力しています。

各グループの臨床・研究に参加しながら、腎臓内科専門医としての実力を養成し、同時に研究成果により博士号の取得をも行う。図の様に、臨床系、基礎系の各部門での自由な交流が可能で、文字通り幅広くかつ専門的な研修と、研究が可能な環境が整っています。研究面では各自の独自の視点や興味によって、海外留学も含めてフレキシブルに対応しています。

臨床

2003年末時点で、新潟県内には、4,000名の患者が透析を受けています。全透析患者数の人口100万対比は、全国平均を下回っています。一方、20年以上の長期透析患者は396名(10.6%)と、その比率はわが国で最も高い(全国平均5.9%)。透析歴30年以上の超長期透析例は、県内に約100名居り、全国の約15.4%を占めています。これは新潟県全体の慢性腎不全医療の充実を物語るものであり、世界的に見ても際だっていいます(表)。

本県の透析医療の質の高さは自他共に認めるところであり、この県内の良質な透析医療は、主に新潟大学腎・膠原病内科学教室で学んだ腎研究グループの医師達の基幹病院における地道な努力によって発展・維持されています。また、県内ばかりでなく、周辺の県外基幹病院、千葉県、秋田県、山形県、福島県、栃木県などの主要な透析施設と人事交流などを含めて密接な関係を持っています。

(2001年12月、日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」より)
全国 新潟県
透析患者数(名) 219,183 3,779
人口100万対比 1721.9 1528.1
透析患者平均年齢(才) 61.60 ± 13.07 62.10 ± 13.43
透析歴20年以上(%) 5.9 10.6
透析歴25年以上(%) 2.0 4.6
透析歴30年以上(正確な統計なし) 約650名 約100名(15.4%)

膠原病内科学のプログラム

概要

膠原病内科学分野では主に、膠原病・アレルギー疾患、リウマチ性疾患を診療しています。入院患者数25名/日、外来患者数50名/日を診療しており、膠原病(全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、血管炎症候群など)や関節リウマチなどのリウマチ性疾患を専門的に診療するとともに、不明熱患者、多様な多関節炎患者を診断しプライマリー・ケアをおこなっています。

さらに膠原病内科では、内科研修として日常診療で遭遇する病気・病態に適切に対処できるように、基本診察能力を身に付けることを研修すること、膠原病リウマチ疾患の診療を通じて臓器別ではない全身を診る全人的診療の基本を身に付けることを目標としています。従って、全身性疾患、特に自己免疫疾患、リウマチ性疾患のマネージメントについて専門的に研修できます。

近年、関節リウマチの治療法は生物製剤の導入や、顆粒球除去をはじめとするアフェレーシス療法の導入で新たな治療の転換期を迎えていますが、これらの治療も研修可能です。専門医制度への対応としては、内科専門医はもちろんのことですが、日本リウマチ学会専門医、日本腎臓学会専門医医も取得可能です。さらに、腎不全の透析療法や急性腎不全の対応などは腎臓内科専門医育成コースと全く区別無く扱われるため、急性腎不全や多臓器不全など救急医療も数多くの経験を積むことが可能です。

研究面においては、臨床研究(膠原病の疫学、膠原病の腎障害の血行動体、反応性アミロイドーシス等)を中心に、免疫学的研究、遺伝子研究などをおこなっています。

臨床

新潟県内のリウマチ・膠原病疾患を扱う拠点病院(新潟市民病院、済生会新潟第二病院、新潟県立リウマチセンター、長岡赤十字病院、新潟県立中央病院)と密接に関係を保ちながら、新潟県はもとより近隣の各県の症例も受け入れています。症例は、希な病態を呈する症例も多く、膠原病内科医として要求されるすべてのケースに対応できるよう日々努力しています。