2007/5/12 教室検討会 西野幸治
「子宮頸癌に対するSentinel Node Navigation Surgery;SNNSの実際」
<背景>
- 悪性腫瘍手術の際の「系統的リンパ節郭清」には、癌種により診断的/あるいは治療的意義が確立しているものが多い。しかしリンパ節郭清の影響で、術後に上肢/下肢のリンパ浮腫、リンパ嚢腫などの合併症が生じることが有る。これらは生命予後に影響することは少ないものの、患者のQOLを著しく損なう可能性があり、また発症した場合にそれを根治し得る効果的な治療が確立されていないため、手術の根治性を損なわない一方で同時にその予防も求められる時代となってきた。
- SNNSとは、“Sentinel Node(=見張り役リンパ節;腫瘍からのリンパ流が最初に到達するリンパ節)に転移がなければその下流のリンパ節転移はない”という概念に基づいた手術である。すなわち、@さまざまな手法を用い症例個々でのSentinel Nodeを同定する、A Sentinel Nodeへの転移を病理学的に判定する、という一連の作業によって、リンパ節への転移が否定的である症例を適切に選択することにより系統的リンパ節郭清の省略による縮小手術・個別化治療を目指すものである。
- 乳癌や皮膚癌などをはじめとする悪性腫瘍手術においてSNNSの研究が進み、現在では国内の多数の施設で臨床応用されている。また、子宮頸癌をはじめとした婦人科悪性腫瘍領域においても、既に臨床応用が開始されている施設も見受けられる。
- 当科においてもSNNSを導入するため、すでにSNNSを臨床応用している傍病院に依頼し、実際の準備〜手術の様子を見学させていただくことが可能であっため、本検討会においてその様子、ならびに文献記載のあるような一般的基礎事項をまとめ、報告した。
<今後について>
- 子宮頸癌SNNSの導入について、施設倫理委員会での承認を得る。
- 病理部や放射線部、手術部など、子宮頸癌に対するSNNSの導入に際し協力が必要な関係部署との調整を図る。
- 当科での子宮頸癌SNNS対象症例の設定やプロトコール詳細を作成する。
上記項目について検討し、当科でも子宮頸癌に対するSNNSを行なう準備を進めて行くこととなった。