宿題報告を終えて

内藤 眞


2007年3月14日に私は第96回日本病理学会(大阪)におきまして宿題報告を行いました。宿題報告は長年の研究成果をまとめて発表する講演で、これに指名されることは病理研究者にとってきわめて名誉あることです。今年は白井 智之教授(名古屋市立大学)、京都府立医大の高松 哲郎教授、そして私が選ばれました。私は「マクロファージの分化・機能制御機構と疾患」というテーマで発表しました。

この講演は私が病理に入ってから小島 瑞先生、高橋 潔先生にご指導いただいたマクロファージ研究を自分なりに集大成したものです。それぞれに思い出深い研究内容ですが、この分野の専門の人が聞くわけではないので、わかりやすい編集が必要です。また、1時間にまとめるのは大変でした。2月に熊本に行って恩師の高橋先生、同僚だった竹屋先生のご意見を伺い、こちらでも教室員を前に何度も練習してまとめました。




  当日はマクロファージの系統発生、個体発生、マクロファージの増殖因子の作用、マクロファージの殺菌機構、そしてマクロファージの代謝と代謝性疾患における役割について述べました。その中で、私が30代の時勤めた大田総合病院での症例も紹介しました。特に代謝疾患のO君とのふれあいと彼の組織細胞を使わせてもらった研究が自分の研究者としての土台になったことを話しました。講演後多くの先生方から、症例の話は印象深かったとほめていただきました。「記憶に残る」宿題報告ができたのかもしれません。講演後に恩師、共同研究者そして教室員に対する謝辞を述べました。ここまでできたのは本当に多くの方々のお陰です。発表後に多くの質疑応答があり、最後に高橋先生が「小島先生も喜んでおられると思います」と感想を述べられました。



今年から、宿題報告者には「日本病理学賞」という賞が与えられることになりました。賞状と盾を座長の森教授(大阪医大)からいただきました。本当に幸運なことです。
この賞は皆でいただいたものです。




その日は高橋先生、竹屋先生、法医学の山内先生にもおいでいただいて打ち上げをしました。開放感に浸って飲む酒は本当においしく感じました。




私の報告は学会の恒例となった「学生発表」に参加した新潟の学生さんたちも聞いていました。女子学生の青木さんは「あんなに沢山の先生の前で堂々と発表されている内藤先生はカッコ良かった」と評してくれました。これから学生さんも含めて若い人たちの世界が拡がっていくのだと改めて感じる節目でもありました。

これまでご指導、ご協力くださった皆様に改めて御礼申し上げます。(2007/03/17)