音は内耳の蝸牛に入力すると、その「感覚上皮帯」と呼ばれる組織にナノ振動を生み出します。これは、まさに聴覚の端緒となるイベントです。上皮帯は、感覚細胞である有毛細胞に加え、支持細胞、細胞外基質からなります。上皮帯の特徴的な振動様式が、我々の聴覚の高い感受性や周波数弁別能に深く関与しますが、その成立機序の多くは謎のままです。その理由は、「振動が極めて微小であり、かつ、最大で20,000 Hzと超高速である」「上皮帯の3要素がそれぞれ異なったパターンの挙動を示すと想定される」ことにより、従来の手法では解析不可能であるからです。


    この難題に挑戦するために、鬼才 任 書晃 准教授は、新潟大工学部の崔 森悦 助教とともに、

    「生きた動物」の感覚上皮帯の振動を追尾するための、新たなイメージング装置を開発しています。

    これは、蛍光物質などを必要としない、まさに「生の」細胞動態を観察する技術です。

Choi S#, Maruyama Y, Suzuki T, Nin F, Hibino H (2015).

Wide-field heterodyne detection method for two-dimensional surface vibration measurement.  Opt commun 356C:343-349.


Choi S#, Watanabe T, Suzuki T, Nin F, Hibino H, Sasaki O (2015).

Multifrequency swept common-path en-face OCT for wide-field measurement of interior surface vibrations in thick biological tissues.

Opt Express 23(16):21078-21089.

ラーメン屋「夷霧来(いむら)」を見出した事です!


工学部通勤に常に加わる「美味しい仕事」を(休日にも家族で行ってしまっていますが)、今後も末長く続けていきたいと思ってます!