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Achievements
当研究室の業績


2001年度

2001年度研究内容

 

T.神経遺伝子転写機構の分子レベルでの解明

 

A.NPY遺伝子プロモーターのLeptinによる活性化機構の解析

 食欲の中枢調節に関与するNPYは、末梢からのadipostat signalであるLeptinによってその発現が抑制される。これまでNPY遺伝子のLeptin転写調節機構を解析し、JAK-STAT系が関与していることが示された。NPY遺伝子プロモーター部位の決失ミュータントを用いた実験でレプチン反応性エレメント(221塩基対)を同定し、その中にSTAT結合部位を発見した。レプチンはレプチン受容体の活性化後にSTAT3を介してNPY遺伝子を転写活性化するがこのSTAT部位を使っていることが明らかになった。

 

B.NPY遺伝子発現のT3による調節

 NPY遺伝子は哺乳動物脳内では甲状腺ホルモンでその発現量が調節されていることを明らかにした。T3による大脳皮質でのNPY遺伝子発現は甲状腺機能亢進時の精神機能変化を示唆するが、これはNPY遺伝子の転写レベルでの調節であることを明らかにした。

 

U.NPY受容体を介したシグナル伝達の解析

 

A.NPYとその受容体の結合様式の解析

NPYの受容体は、5つのサブタイプが同定され、いずれも7回膜貫通領域をもつG蛋白質共役型である。生体内に近い状態で受容体の結合特性を解析するために細胞膜上のNPY受容体とNPYとの結合を生体分子間相互作用解析装置(IAsys)を使って解析する予定である。その準備段階として、ラットcDNAライブラリーのスクリーニングを行い、NPY-Y1受容体遺伝子を同定した。さらに遺伝子を培養細胞へ強制発現させ、NPY受容体遺伝子発現を確認している。

 

B.ラット血管α収縮反応に対するNPYの協調作用

種々のラット摘出血管を用いて、NPYとα1アゴニスト、NPYとセロトニンとの相乗作用を検討した。NPY存在下で大腿動脈、尾動脈はα1アゴニストの反応が大きくなるが、頸、上腕、大動脈、および静脈ではNPYの効果を認めなかった。また、セロトニンによる収縮はいずれの血管においてもNPYによる相乗作用を認めなかった。Y1アンタゴニストを用いた実験により、NPYの部位選択的α1収縮協調作用はY1レセプターを介していることが明らかになった。

C.ブタ冠動脈に収縮に対するセロトニンとNPYの協調作用

豚の心臓を用いて、その冠動脈における5-HT(serotonin)収縮とNeuropeptide Y (pNPY)との協調作用を調べた、病的状態を示す内皮障害血管において、5-HTとNPYの協調作用の減弱が見られた。

 

D.NPY受容体を介する電気生理学的反応

 未分化NG108-15細胞に発現する主要な電位依存性K+及びCa2+チャンネルが各々delayed rectifier K+チャンネルとT型Ca2+チャンネルであることを確かめた。Neuropeptide Yはdelayed rectifier K+電流に影響を与えなかったが、T型 Ca2+電流を10%増強した。Y5受容体アンタゴニストはこの増強に影響を与えなかったが、Y1受容体アンタゴニストは部分的に増強を抑制した。

業績(英文原著)

 

1) Tsurumaki T, Muraoka O, Yamaguchi T, Higuchi H.

Neuropeptide Y-induced contraction and its desensitization through the neuropeptide Y receptor subtype in several rat vain.

Journal of Cardiovascular Pharmacology, 41(Suppl. 1), S23-S27, 2003

 

 

業績(和文原著)

 

1)    樋口宗史、弦巻 立、岡田誠剛、渡辺資夫

「精神緊張ストレスとしてのカラーワードテストとβブロッカーの効果」

Japanese Journal of Clinical Pharmacology and Therapeutics, 33 (Suppl), 345S-346S, 2002.

 

 

2) 岡田誠剛、長谷川歩未、樋口宗史

T型カルシウム電流のNeuropeptide Yによる増強」 

神経化学(第45回大会抄録号)、41巻、339頁、2002年

 

3) 山口 剛、荒木一明、那波宏之、樋口宗史

The 5’variants of p270, an integral member of SWI-SNF complexes, in the rat brain

神経化学(第45回大会抄録号)、41巻、397頁、2002年

 

 

8.総説

 

1)    樋口宗史

「依存性薬物によって生じる薬物渇望行動と精神依存の分子機構」

分子精神医学、2巻、46-50頁、2002年

 

2)    樋口宗史

「第14回World Congress of Pharmacology見聞録」

日本薬理学雑誌、120巻、210-211頁、2002

 

1、御挨拶

                                      
新潟大学大学院医歯学総合研究科薬理学 教授 樋口宗史

 平成13年は21世紀最初の年でありましたが、日本およびアメリカでの景気後退、衝撃的なアメリカでの同時多発テロ、その後になされたテロ国家アフガニスタンに対するアメリカ軍の攻撃で象徴されるように、未来に対して不安と多難さを感じさせる年でもありました。医学・医療分野でも炭そ菌が無差別テロでまかれたり、狂牛病がはじめて日本で発生したりで、今まで以上に国家レベルでの平和・安全というものを意識させられ、医学以外にも多難な国際問題、国内問題に大学人、科学研究者として立ち向かっていかなければならないことを自覚させられた一年でした。

 さて、私たちの大学では、国家レベルでの見地から国立大学の実態は平成16年春での独立行政法人化に向けまっしぐらに進んでいます。また、競争原理を導入した国公立トップ30(21世紀COEプログラム)構想による大学ランクづけも進んでいます。日本の大学が国際競争に本当の意味で打ち勝っていくには今まで以上に大学の真の評価が厳しく求められるようになってきました。新潟大学医学部は研究型大学として発展することが内外からも求められていますし、またそのようになると確信しています。

 薬理学教室も医学部が大学院大学化するのに伴い、制度上は高度化しました。しかし、薬理学教室の研究内容が高度化したかと問われますと「自分を自分でほめてやりたい」というのには程遠い状態です。この一年の研究成果も理想には程遠いものがあります。しかし、もっと自分自身で独創的な研究を成し遂げぬくという気持ちで教室員一同頑張っています。私たちの研究がきっと身を結ぶようになると考えております。これまでの諸先生方のご援助にお礼申し上げますとともに、今後とも同窓会の皆様にはさらになるご指導、ご鞭撻を頂けたら幸いに存じます。

2、人事異動

薬理学講座現教室員(平成14年1月現在)
教授 樋口宗史
助手 山口剛、岡田誠剛(医局長)
技官 三富明夫
技術補(秘書) 荒川英子
技術補(実験助手) 長谷川歩未
大学院博士課程 弦巻立(D4)、許波(D3)
研究生 豊里晃(歯学部加齢歯科・助手)
川内務、朴紅蘭

非常勤講師 三品昌美(東京大学)、成宮周(京都大学)、
長友孝文(新潟薬科大学)、前山一隆(愛媛大学)、
野村靖幸(北海道大学)、渡辺康裕(防衛医科大学)、
三木直正(大阪大学)、東田陽博(金沢大学)、
審良静男(大阪大学)、荒木敏之(ワシントン大学)
飯浜宏(新潟県福祉保健部)、川島博行(歯学部薬理)、
佐藤博(薬剤部)、河田登美枝(薬剤部)

医学部学生基礎配属 今尾貫太、笠原靖史、斉藤真紀

医短実習生 太田有香、笹島はるる、中村佳代

平成13年度教室内人事異動
平成13年  4月 岡田誠剛  助手として入局
 4月 川内 務  研究生として入局
  10月 村岡修講師 理化学研究所に異動
10月 朴 紅蘭  研究生として入局


3、教育活動(講義)

平成13年度薬理学講義
「教養講義(1年次)」
12月10日 医学序説「脳に働く薬と毒」 樋口宗史

「3年次」

4月11日 総論I、II、歴史、概念@A 樋口宗史
4月18日 総論III、受容体の概念 樋口宗史
4月25日 総論IV、分子薬理学   樋口宗史
4月25日 総論V、VI、シグナルトランスダクション@A
樋口宗史
5月 9日 総論VII、神経化学伝達総論 樋口宗史
 5月 9日 総論VIII、自律神経総論 樋口宗史
 5月16日 総論IX、X、薬物動態学@A 村岡修
 5月23日 総論XI、XII、(特別講義)―受容体@A
長友孝文
 5月30日 交感神経系と薬物@A 山口剛
 6月 6日 交感神経系と薬物B 山口剛
 6月 6日 神経筋接合部作用薬、知覚神経作用薬 佐藤博
 6月13日 副交感神経系と薬物@ 村岡修
 6月20日 副交感神経系と薬物A 村岡修
 6月27日 副交感神経系と薬物B 村岡修
 7月 4日 遺伝子治療 村岡修
 8月29日 抗炎症薬@ 村岡修
 9月 5日 抗炎症薬A 村岡修
 9月12日 免疫抑制薬(移植と免疫) 村岡修
 9月19日 内分泌薬理@(副腎、甲状腺) 村岡修
10月 1日 内分泌薬理A(糖尿病) 樋口宗史
10月15日 中枢神経作用薬@ 樋口宗史
10月22日 中枢神経作用薬A 樋口宗史
10月29日 中枢神経作用薬B 樋口宗史
11月 5日 中枢神経作用薬C 樋口宗史
11月12日 中枢神経作用薬D 樋口宗史
11月19日 オータコイド 河田登美枝
11月26日 オータコイド 河田登美枝
12月 3日 オータコイド 河田登美枝
12月10日 (特別講義)―麻薬法規 飯浜宏
 1月21日 試験(筆記) 樋口宗史他
 1月26日 試験(口頭) 樋口宗史
 2月 4日 再試 樋口宗史他

「4年次」

 5月 7日 (特別講義)―記憶学習の分子薬理 三品昌美
 5月 8日   利尿薬 村岡修
 6月12日 血液疾患 村岡修
 6月13日 臨床薬理@ 樋口宗史
 6月14日 実習まとめ 樋口宗史他
6月19日 (特別講義)―アスピリン物語―
過去から現在 成宮周
 6月20日 臨床薬理A 樋口宗史
 6月21日 (特別講義)―メカニカルストレスと骨代謝
川島博行
 6月26日 消化器系薬物@ 村岡修
 6月27日 臨床薬理B 樋口宗史
 6月28日 消化器系薬物A 村岡修
 8月28日 向精神薬@A 樋口宗史
 8月29日 向精神薬B 樋口宗史
 8月30日 血液疾患治療薬-止血・凝固と貧血薬 村岡修
 9月 4日 (特別講義)―ヒスタミン・オータコイドの薬理学
前山一隆
 9月 6日 抗腫瘍薬 村岡修
 9月11日 抗生物質 村岡修
 9月12日 向精神薬C 樋口宗史
 9月13日 向精神薬D 樋口宗史
 9月18日 (特別講義)―脳虚血に対するニューロン・グリア
細胞応答の細胞分子薬理学 野村靖幸
 9月19日 循環器作用薬@ 樋口宗史
 9月20日 循環器作用薬A 樋口宗史
 9月25日 (特別講義)―薬物受容体と薬理学 渡辺康裕
10月 3日 循環器作用薬B 樋口宗史
10月10日 循環器作用薬C 樋口宗史
10月17日 (特別講義)―薬物依存症 三木直正
10月24日 循環器作用薬D 樋口宗史
10月31日 循環器作用薬E 樋口宗史
11月 7日 (特別講義)―セカンドメッセンジャーとしての
cyclic ADP-ribose 東田陽博
11月14日 循環器作用薬F 樋口宗史
11月21日 試験(筆記) 樋口宗史他
11月23日 試験(口頭) 樋口宗史
12月25日 再試 樋口宗史他

「4年次実習」
 4月 9日 実習ローテーション-1
 4月10日 実習ローテーション-2
 4月16日 実習ローテーション-3
 4月17日 実習ローテーション-4
 4月23日 実習ローテーション-5
4月24日 実習ローテーション-6

4年次実習項目
エタノールの中枢作用
カフェインの中枢作用
平滑筋I,II
自律神経薬と血圧
βブロッカーの臨床試験

「大学院特別講義」
11月14日 Toll-like receptor-病原体認識における役割と
シグナル伝達 審良静男
11月28日 末梢神経再生時における遺伝子発現制御
荒木敏之

出張講義
1. 愛媛大学医学部 非常勤講師 (樋口宗史)
2. 大阪大学医学部 非常勤講師 (樋口宗史)
3. 新潟薬科大学 非常勤講師 (樋口宗史)
4. 新潟青陵大学看護福祉心理学部 非常勤講師 (樋口宗史)


4、研究活動(研究成果)

I、神経遺伝子転写機構の分子レベルでの解明

A、NPY遺伝子系
1、NPY遺伝子プロモーターのLeptinによる活性化機構の解析
 食欲の中枢調節に関与するNPYは、末梢からのadipostat signalである
Leptinによってその発現が抑制される。NPY遺伝子のLeptin転写調節機構を解
析するため、同遺伝子のプロモーター領域をレポーター遺伝子の上流に挿入し、
種々の神経系培養細胞に導入し、Leptinによって刺激した。その結果、NPYプ
ロモーターはLeptinによって直接的には活性化されることが明らかとなった。
dominant-negativeなJAK1、JAK2及びSTATの導入によってその活性化が抑制
されたことから、この活性化にはJAK-STAT系が関与していることが示された。

2、NDF1のZebrafishホモログのクローニング
 NPYの発現及び神経分化に関与し、PC12細胞よりクローニングされた転写因
子NDF1の機能を解析するため、受精卵へのマイクロインジェクションにより遺
伝子の過剰発現並びに機能的ノックアウトが容易であるZebrafish系において、
NDF1ホモログのクローニングを開始した。ZebrafishのcDNAライブラリーより
数十個のポジティブクローンを選択し、解析中である。

B、NPY受容体系
3、絶食による脳内NPY受容体サブタイプの発現変化  
 絶食によってNPY遺伝子の視床下部における発現が増加する事が知られてい
る。今回我々はY1、Y2、Y5、NPY受容体サブタイプの遺伝子発現における絶食
による変化をノーザンブロッティング及びin situハイブリダイゼーションに
よって検討した。その結果、絶食によってNPY発現が増加する視床下部では、
いずれの受容体サブタイプの発現も変化しなかったのに対し、NPY遺伝子発現が
変動しない海馬において、各々Y1、Y2遺伝子の発現が減少した。従って、絶食
によって、NPY遺伝子のみならず、同受容体サブタイプも発現が変化し、その変
動はサブタイプ、領域特異的であることが明らかとなった。絶食と海馬でのNPY
受容体遺伝子発現変化の生理的意味を検討している。

C、Zebrafishによる神経発生の研究
4、魚類胚において頭部神経系形成遺伝子のクローニング  
 脊椎動物の中枢神経系の発生・頭部形成にどのような遺伝子が関与している
かは不明のまま残されている。我々は、Zebrafishを用いて、胎生期神経外胚葉
に発現するzinc-finger and homeodomainファミリーの新規転写因子Kheperを
クローニングした。この因子の発現はオーガナイザー分子であるNogginと
Chordinの下流にあり、過剰発現により頭部中枢神経の増大が、
dominant-negative Kheperによる機能抑制により頭部中枢神経の形成不全が惹
起されることから、頭部神経系の形成に必須の遺伝子であることが明らかにな
った。

II、神経ペプチドのシグナル伝達に関する分子薬理学

5、Y1及びY5受容体ノックアウトマウス循環器系反応の解析  
 NPY受容体サブタイプのうち、末梢血管の収縮と中枢における血管運動中枢に
関与する主要なサブタイプを、Y1及びY5受容体ノックアウトマウスを用いて検
討を開始した。Y1ノックアウトマウスでは、安静時血圧には大きな変化は認め
られなかったものの、NPYによる昇圧反応の消失、摘出下大静脈血管収縮反応の
消失が認められた。それに対し、Y5受容体ノックアウトマウスでは、NPYによ
る摘出血管収縮作用が正常に認められた。以上より、マウス血管収縮系のNPY
受容体反応はY1受容体が主体であることを明らかにした。

6、末梢血管系におけるNPY収縮反応の特徴
 種々のラット摘出血管を用いてNPYによる血管収縮実験を行い、NPY反応の詳
細な検討を行った。NPY反応には動静脈部間に差があることは昨年度までに既に
明らかにしたが、今回、NPYによる収縮が著しい脱感作を示すことを明らかにし
た。また、ラット血管収縮に関与する受容体サブタイプがY1受容体であること
を、Y1及びY5受容体サブタイプ特異的拮抗薬を用いて薬理学的に明らかにした。
さらにRT-PCRによってY1受容体の血管平滑筋における発現を確認した。

7、ラット摘出血管収縮におけるNPYとα並びに5-HT反応の相乗作用
 NPY受容体反応とα1受容体及び5-HT受容体との相乗効果のメカニズムを明
らかにする目的で、ラット尾静脈、尾動脈を摘出し、収縮実験を行った。最初
に、フェニレフリン並びにセロトニンの容量反応曲線を解析した。現在、NPYに
よる収縮との相乗性並びに、正常ラットと高血圧自然発症(SHR)ラットでの反応
性の差について検討中である。

8、神経系培養細胞を用いた電気生理実験

電位依存性チャンネルの分化及びNPYによる発現の変化並びに修飾を検討す
る目的で、培養細胞から電流記録が行えるセットを立ち上げた。Na+、Ca2+、K+
電流が測定できるプロトコールを作製し、NG108-15、N18-TG2細胞より記録をお
こなっている。

5、科研費

1) 文部科学省平成13年度科学研究費補助金(基盤研究(A))「継続」
「新しい薬物作用点としての遺伝子転写制御
-神経分化・記憶に関する新規転写因子と薬物」
           (代表 樋口宗史)


6、業績(英文原著)

1) Higuchi H, Yamaguchi T, Kaidzu M, Mitomi A, Hasegawa A.
The effect of fasting on NPY receptor gene expression.
CINP (Collegium Internationale Neuro-Psychopharmacologium) Regional
Meeting Hiroshima. Abstr. p. 436, Japan (2001)

2) Muraoka O, Xu B, Tsurumaki T, Akira S, Yamaguchi T, Higuchi H.
Leptin transactivates NPY gene promoter by JAK1, 2 and STAT3 in the neural
cell lines. (submitted)

7、業績(和文原著)

1)勝又直樹、山口剛、長谷川歩未、樋口宗史 
「虚血時間差による心筋局所流量回復に対するジアゼパムの効果」 
臨床薬理、31巻、17S-18S頁、2001年

2)弦巻立、村岡修、山口剛、樋口宗史
「神経ペプチドNPYの受容体サブタイプと血管収縮反応」 
神経化学、40巻、302頁、2001年

3)山口剛、貝津雅稔、長谷川歩未、三富明夫、樋口宗史
「絶食による脳内NPY受容体サブクラスの遺伝子発現変化」
神経化学、40巻、344頁、2001年

4)村岡修、許波、弦巻立、樋口宗史
「LeptinはJAK-STAT系を介してNPY遺伝子プロモーターを活性化する」
神経化学、40巻、444頁、2001年

5)樋口宗史,山口剛、貝津雅稔、三富明夫、長谷川歩未
「絶食によるNPY受容体サブクラス遺伝子発現への影響」
日本神経精神薬理学雑誌、21巻、339頁、2001年

8、総説

1)樋口宗史、仲沢幹雄、吉田豊
「摂食中枢でのNPY遺伝子発現調節ーレプチンによる遺伝子発現制御」 
臨床成人病 31巻10号1376-1377頁、2001年

2)樋口宗史
「遺伝子改変動物を用いた薬理学機能実験」
新潟大学学報第657号1頁、2001年

3)樋口宗史
「神経発生と神経転写因子」
和光純薬時報 69巻2号26-27頁、2001年

4)丸山誠太郎、加藤公則、小玉誠、仲澤幹雄、塙晴雄、大倉裕二、廣野暁、塩
野方明、山浦正幸、布施公一、伊藤正洋、太刀川仁、吉田剛、林学、阿部暁、
馬梅蕾、上村宗、中川理、樋口宗史、三井田孝、山本格、渡辺賢一、相澤義房
「実験的自己免疫性心筋炎ラットに対するフェノフィブレート(PPARα活性化
薬)の効果」
心筋の構造と代謝2000 23巻33-38頁、2001年

9、国際学会
1) Higuchi H, Yamaguchi T, Kaidzu M, Mitomi A, Hasegawa A
The effect of fasting on NPY receptor gene expression
2001 Collegium Internationale Neuro-Psychopharmacologium (CINP) Regional
Meeting, (October 2-5, 2001, Hiroshima)

10、国内学会(研究会も含む)

1) 村岡修、許 波、弦巻立、樋口宗史
LeptinはSTAT3を介してNPY遺伝子プロモーターを活性化する
第74回日本薬理学会年会 2001年3月21-23日 横浜

2) 弦巻立、山口剛、村岡修、樋口宗史
ラット摘出血管におけるニューロペプチドYの血管収縮作用
第74回日本薬理学会年会 2001年3月21-23日 横浜

3) 貝津雅稔、山口剛、長谷川歩未、樋口宗史
甲状腺ホルモンによる摂食ペプチドニューロペプチドY遺伝子発現の変化
第74回日本薬理学会年会 2001年3月21-23日 横浜

4) 長谷川歩未、勝又直樹、山口剛、樋口宗史
ラットLangendorff灌流心の心筋虚血障害に対するNPY-Y1アンタゴニストの保
護効果
第74回日本薬理学会年会 2001年3月21-23日 横浜

5) 樋口宗史、三富明夫、弦巻立、山口剛、長谷川歩未
Y1ノックアウトマウスの血圧、血管収縮反応と摂食行動
第74回日本薬理学会年会 2001年3月21-23日 横浜

6) 山口剛、貝津雅稔、長谷川歩未、三富明夫、樋口宗史
絶食マウス脳でのニューロペプチドY遺伝子発現の変化
第74回日本薬理学会年会 2001年3月21-23日 横浜

7) 豊里晃、弦巻立、樋口宗史
ブタsmall coronary arteryとlarge coronary arteryに対するneuropeptide Y
による収縮の検討
第74回日本薬理学会年会 2001年3月21-23日 横浜

8)弦巻立、村岡修、山口剛、樋口宗史
ラット摘出血管を用いたNeuropeptide Yの血管収縮作用
第8回みかんの会 2001年8月30日 新潟大学有壬会館、新潟

9)弦巻立、村岡修、山口剛、樋口宗史
神経ペプチドNPYの受容体サブタイプと血管収縮反応
第24回日本神経科学・第44会日本神経化学合同大会 2001年9月26-28日  
京都

10)岡田誠剛、Gabriel Corfas、高橋智幸
Neuregulinの海馬GABAA受容体発現抑制
第24回日本神経科学・第44会日本神経化学合同大会 2001年9月26-28日  
京都

11)山口剛、貝津雅稔、長谷川歩未、三富明夫、樋口宗史
絶食による脳内NPY受容体サブクラスの遺伝子発現変化
第24回日本神経科学・第44会日本神経化学合同大会 2001年9月26-28日 
京都

12)村岡修、許波、弦巻立、樋口宗史
LeptinはJAK-STAT系を介してNPY遺伝子プロモーターを活性化する
第24回日本神経科学・第44会日本神経化学合同大会 2001年9月26-28日  
京都

13)樋口宗史、山口剛、貝津雅稔、三富明夫、長谷川歩未
絶食による中枢NPY受容体サブクラス遺伝子発現への影響
第31回日本神経精神薬理学会 2001年10月4,5日 広島

14)弦巻立、村岡修、山口剛、樋口宗史
Neuropeptide Yのラット摘出血管における収縮反応
第52回日本薬理学会北部会 2001年10月6日 札幌



15)岡田誠剛、Gabriel Corfas、高橋智幸
Neuregulinの海馬CA1領域におけるGABAA受容体発現抑制作用
第52回日本薬理学会北部会 2001年10月6日 札幌

16)山口剛、貝津雅稔、長谷川歩未、三富明夫、樋口宗史
絶食による脳内NPY受容体サブクラスの遺伝子発現変化
第52回日本薬理学会北部会 2001年10月6日 札幌

17)村岡修、許波、弦巻立、樋口宗史
LeptinによるNPY遺伝子プロモーター活性化機構
第52回日本薬理学会北部会 2001年10月6日 札幌

18)弦巻立、樋口宗史、染矢源治
Neuropeptide Yのラット摘出血管における収縮反応
第2回新潟歯学会例会 2001年11月10日 新潟大学歯学部、新潟

19)樋口宗史
魚類胚を用いた神経形成遺伝子の研究
第574回新潟医学会特別講義 2001年11月17日 新潟大学有壬会館、新潟

20)弦巻立、村岡修、山口剛、樋口宗史
血管静脈系における交感神経ペプチドNPYの作用
第23回カテコールアミンと循環器系研究会 2001年11月24日 東京

21)樋口宗史、弦巻立、岡田誠剛、渡辺資夫
精神緊張ストレスとしてのカラーワードテストとβブロッカーの効果
第22回日本臨床薬理学会年会 2001年12月14,15日 横浜


11、教室近況

 日本海の荒波が新潟の冬の厳しさを感じさせておりますが、諸先生方におか
れましては、益々御元気でご活躍の事とお慶び申し上げます。新潟大学医学部
学士会の皆様に最近の薬理学教室の様子をご報告申し上げます。
 まず、ご報告しなれければならないのは、大学院大学化に伴い、教室の正式
名称が、「新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞医学専攻・遺伝子制御・シ
グナル伝達講座・薬理学分野」という非常に長いものに変わりましたが、その
内容は以前と同じで、神経及び循環器薬理学を研究しております。また、研究
室のメンバーも講師・医局長であった村岡修講師が、10月1日より理化学研
究所に転任されました。男らしい外見に似合わず、細かい心使いをして下さる
村岡先生が異動されたのは私達にとって残念ではございますが、村岡先生が新
天地でご研究に、そして人生の伴侶探しに益々ご活躍されることを研究室員一
同切に期待しております。新メンバーとしては4月に、東北大学で学位を取得
された川内務が研究生として、私、岡田誠剛が東京大学医学部神経生理学教室
より助手として加わりました。また、10月には中国の長春中医学院をご卒業
された朴紅蘭が研究生として入局され、来年度の大学院入学に向けて準備を進
めると共に、実験も開始されています。共同研究として歯学部(加齢歯科)の
豊里晃助手も研究されています。従って現在の教室員は樋口宗史教授以下、山
口剛助手、岡田誠剛助手、三富明夫技官、荒川英子技術補(秘書)、長谷川歩未
技術補、大学院生の弦巻立、許波、研究生の川内務、朴紅蘭、豊里晃先生の合
計11人です。
 当研究室の研究活動としては、中枢神経系でのニューロペプチドY(NPY)遺伝
子を中心として神経遺伝子制御の研究、ラット灌流心並びに血管平滑筋を用い
た循環器薬理学の研究を行っております。今年明らかにした主なデータを列挙
すると、Zebrafishの頭部形成に関与する転写因子Kheperの発見。摂食抑制物
質であるLeptinが神経系培養細胞においてJAK-STAT系を介してNPYプロモー
ターを活性化すること。中枢神経系におけるNPY受容体の発現が絶食によって、
脳部位依存的に変動しすること。NPYによる末梢血管収縮作用には動脈と比較し
て静脈の方が強く、顕著な脱感作を示すこと。また、ランゲンドルフ灌流心モ
デルを用いて心虚血保護作用を持つ薬物が発見されています。これ以外にも将
来が楽しみな研究が多数あり、来年以降が期待されます。これらの研究は三富
明夫技官、荒川英子技術補、長谷川歩未技術補の献身的なサポートの上に行わ
れた事は言うまでもありません。教育活動としては通常の授業、実習の他に、
学外の特別講師として、三品昌美教授(東大)成宮周教授(京大)、長友孝文教
授(新潟薬科大)、前山一隆教授(愛媛大)、野村靖幸教授(北大)、渡辺康裕教
授(防衛医大)、三木直正教授(阪大)、東田陽博教授(金沢大)、飯浜宏先生(新
潟県福祉保健部)の各教授をお招きし、学内では、川島博行教授(歯学部)、佐
藤博教授、河田登美枝先生(薬剤部)の諸先生方に薬理学特別講義をお願い致
しました。学術講演会(大学院特別講義を兼ねる)は大阪大学微生物研究所の
審良静男教授と米国ワシントン大学の荒木敏之先生にお願いしました。
 親睦活動といたしましては、4月の歓迎会を兼ねたお花見会はあいにくの雨
のため、研究室内で行いました。5月の学生実習打ち上げパーティーは多数の
4年生の参加により、部屋に入りきれなくなるほどの盛況でした。7月の「キ
ス釣り大会」は参加者全員で、釣った匹数を競いましたが、1、2位を脳研か
らご参加下さった荒木、難波両先生に奪われ、来年度の教室員の奮闘が期待さ
れております。そして、平成13年の締めくくりとして、例年のように月岡温
泉において忘年会を催しました。
 新潟大学医学部が大学院大学化した現在、研究室にとって研究内容・業績・
教育が以前にも増して重要なものになりました。また一方で、文部科学省によ
る大学の序列化も始まり、研究、教育共に厳しく評価される事になると存じま
す。このような状況の中、新潟大学医学部の薬理学教室の研究、教育環境は益々
厳しさを増しておりますが、教授以下教室員全員の更なる努力をもって、研究・
教育に取り組んでいく所存でございますので、今後とも諸先輩・諸先生方のご
指導とご鞭撻をお願い申しあげまして、本稿を終わらせていただきます。
(岡田 記)



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