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Achievements
当研究室の業績


2009年度

1. 御挨拶


新潟大学大学院医歯学総合研究科・分子細胞医学・薬理学教室
教授 樋口宗史

 平成21年度の教室にとって大きな出来事は、教授である私の留学先であり、分子神経生物学・薬理学研究のバックボーンを作って頂いたMarshall Nirenberg先生の死去であった。
 ニーレンバーグ先生(私たちはマーシャルと親しみをこめて呼ぶが)は1968年のノーベル医学生理学賞の受賞者でアメリカNIH の研究部長であった。私が1985年に彼の研究室を初めて訪れた時、背が高く、落ち着いた感じの白髪の研究者というより紳士が、テクニシャンの人とたゆみなくDNAオリゴの合成を自分で行っていた。私はNobel laureateで部長で60歳に近い人が自分で手を動かしていることに感動した。彼の研究への姿勢は2010年1月15日になくなる年まで、新しい技術と研究課題に取り組む真摯な態度に現れていた。それが80歳になっても神経分化に関わる新しい遺伝子のゲノムワイドでの検出法を考え、新規神経分化遺伝子群を物にするという成果につながっていった。
 彼は我々、日本人の弟子の求めに応じて2度日本神経化学会の特別講演に応じて来日いただいた。平成15年(2003年)の新潟大会で奥様とともに新潟朱鷺メッセで一緒に食事し、お世話した時の会場での様子が今でも眼に浮かぶ。ノーベル賞学者の研究哲学は4つである。Originality, Productivity, Reliability, Friendshipで、研究室の環境に気を使われていた。
 研究室で彼から直接聞いた研究の極意は、「人の働ける時間は短い。人は答えのわからないような大きな問題にチャレンジしなければいけない。答のわかっているようなものにトライしてはいけない。あなたはその問題の何か答を得るかもしれないし、何も得られないかもしれない。しかし、もしそこから答が得られた時は真に重要な結果を得ることができる。」である。心からの師の冥福を祈っている。


2.人事異動


薬理学講座 現教室員(平成22年1月1日現在)

教授
樋口宗史
准教授
村瀬真一
技官
三冨明夫
技術補(秘書)
荒川英子
大学院課程
椎谷友博 (D3)、坂井康祐 (M2)、坂井一明(M1)
非常勤講師
新井 信 (東海大学)、長友孝文 (新潟薬科大学)
平 英一 (岩手医科大学)、服部裕一 (富山大学)
東田陽博 (金沢大学)、堀尾嘉幸 (札幌医科大学)
前山一隆(愛媛大学)、山田充彦(信州大)
渡邊康裕(防衛医科大学校)、矢田俊彦(自治医大)
倉智嘉久(大阪大)、飯浜 宏(県医薬国保課)
医学部学生基礎配属
野沢孝徳

平成21年度教室内人事異動
平成21年 4月 坂井一明 大学院修士課程入学
平成21年 12月 大西隆之 転出


3.教育活動(平成21年4月〜平成22年3月)


  • 平成21年度講義(1年次)

  •  4月27日 からだの仕組み 樋口宗史
  • 平成21年度基礎薬理学講義(3年次)

  •  4月 6日 総論(1)(2)歴史、概念、作用機序 樋口宗史
     4月13日 総論(3)(4)受容体の概念、シグナル伝達 樋口宗史
     4月20日 総論(5)(6)シグナル伝達、神経化学伝達総論 樋口宗史
     4月27日 特別講義-神経化学伝達の特異性 渡邊康裕
     5月11日 交感神経作用薬 村瀬真一
     5月18日 副交感神経作用薬 樋口宗史
     5月25日 循環器薬理学(1)(2) 樋口宗史
     6月 1日 循環器薬理学(3)(4) 樋口宗史
     6月 8日 中枢神経作用薬(1)(2) 樋口宗史
     6月 9日 特別講義-接着因子の薬理学 平 英一
     6月16日 中枢神経作用薬(3)(4) 樋口宗史
     6月17日 総論(7)(8)薬物動態 村瀬真一
     6月24日 特別講義-受容体 長友孝文
     7月 1日 筋弛緩薬、局所麻酔薬、免疫調節薬・抗癌薬 村瀬真一
     7月 8日 抗炎症薬、ステロイド 村瀬真一
     7月13日 特別講義-老化の薬理学 堀尾嘉幸
     7月14日 抗生物質 村瀬真一
     7月15日 抗ウイルス薬・抗真菌薬  村瀬真一
     7月15日 特別講義-麻薬法規 飯浜 宏
     7月21日 臨床薬理学入門(1) 樋口宗史 他
     7月22日 臨床薬理学入門(2) 樋口宗史 他

  • 平成21年度病態薬理学I講義(3年次)

  • 10月 6日 特別講義-抗炎症薬・抗高脂血症薬 服部裕一
    10月20日 特別講義-社会行動・自閉症の薬理学 東田陽博
    10月27日 造血・貧血の薬理学、パーキンソン病薬 樋口宗史
    11月24日 呼吸器系の薬理学 村瀬真一
    12月 1日 内分泌薬理(1)(2)糖尿病・肥満 樋口宗史
    12月15日 向精神薬(1)(2) 樋口宗史
     1月 5日 向精神薬 (3) 樋口宗史
     1月19日 特別講義-抗不整脈薬  山田充彦
     1月26日 内分泌薬理(3)(4)甲状腺、副甲状腺、副腎、下垂体、性腺 村瀬真一
     2月 2日 特別講義-ヒスタミンの薬理学 前山一隆

  • 平成21年度病態薬理学II講義(4年次)

  •  4月14日 皮膚・形成の薬理学 樋口宗史
     4月28日 消化器系薬物 樋口宗史
     6月 2日 泌尿器系の薬理学 村瀬真一
     6月24日 生殖発達系薬物 村瀬真一
     7月 7日 視覚器系薬物 樋口宗史
     7月28日 麻酔・救急蘇生の薬理学 村瀬真一

  • 平成21年度臨床医学講義(6年次)

  •  7月31日 特別講義-医学生のための漢方医学入門 新井 信

  • 平成21年度薬理学実習(3年次)

  •  6月22日 薬理学実習(1)(2) 樋口宗史 他
     6月23日 薬理学実習(3)(4) 樋口宗史 他
     6月29日 薬理学実習(5)(6) 樋口宗史 他
     6月30日 薬理学実習(7)(8) 樋口宗史 他
     7月 6日 薬理学実習(9)(10) 樋口宗史 他
     7月 7日 薬理学実習(11)(12) 樋口宗史 他
     7月14日 薬理学実習(13)-総括 樋口宗史 他

  • 3年次実習項目

  • エタノールの中枢作用
    カフェインの中枢作用
    平滑筋T、U
    自律神経薬と血圧
    βブロッカーの精神ストレスに対する作用

  • 大学院修士課程講義

  •  5月 8日 神経薬理学 樋口宗史
     6月 4日 神経細胞の移動・分化と脳の発達薬理学 村瀬真一

  • 大学院特別講義

  •  7月10日 中枢性摂食調節の機構 (自治医科大学)矢田俊彦
    11月10日 統合生命科学の基盤構築と薬物誘発致死性不整脈の発生危険度予測 (大阪大学大学院)倉智嘉久

  • [第48回高血圧談話会]

  • 11月27日 虚血性心疾患の高血圧治療 (日本大学)平山篤志

  • 出張講義

  • 富山大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    防衛医科大学校医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    新潟薬科大学(非常勤講師) 樋口宗史
    岩手医科大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    愛媛大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    新潟医療福祉大学医療技術学部(非常勤講師) 樋口宗史
    新潟青陵大学看護福祉心理学部(非常勤講師) 樋口宗史


    4.研究活動


    T.神経遺伝子転写機構の研究
    A.siRNAによるNPY Y1及びY5受容体発現抑制の影響
     中枢での摂食調節において摂食関連神経ペプチドが重要な働きをしている。摂食関連神経ペプチド中でもNPYは特に強い摂食促進作用を有し、視床下部では弓状核(ARC)で主に産生される。ARCのNPYニューロンは室傍核(PVN)に投射し、PVNではNPY Y1受容体(Y1)、Y5受容体(Y5)が発現している。PVNは摂食調節に重要な部位であると考えられているため、PVNでのY1及びY5発現を両者のsiRNAで同時にノックダウンし摂食行動への影響を検討した。その結果、Y1又はY5単独でノックダウンした場合よりも、摂食抑制作用と体重減少が強くなった。これに対して、ARCでのY1及びY5をノックダウンした場合は、PVNの時のような摂食抑制効果や体重減少は観察されなかった。以上より、Y1及びY5はPVN及びARCに発現しているが、PVNでのY1及びY5が摂食調節により重要である。
    B.
     α-MSHは摂食抑制性シグナルの神経ペプチドであることが明らかとなっている。α-MSHをリガンドとする受容体には5つのサブタイプがあり、melanocortin (MC) 1 receptor, MC 2 receptor, MC 2 receptor, MC 3 receptor, MC 4 receptor, MC 5 receptorの5つである。摂食において、α-MSHのシグナルは MC 3 receptorとMC 4 receptorを介して伝達されるが、マウスの脳での発現部位は詳しく調べられていない。そこで、これらのMC受容体のマウスの脳での発現をin situ ハイブリダイゼーション(ISH)法により調べるためのMC受容体プローブをクローニングしようとした。これら5つのMC受容体のクローニングによりMC受容体のマウスの脳でのISHを現在試みている。

    U.循環調節に関わる生理活性物質と受容体・シグナル伝達の研究
    A. ラット静脈におけるヒスタミン誘導性弛緩反応のメカニズム
     血管平滑筋において、ヒスタミンの作用を調節する受容体はH1、H2、H3が報告されている。ヒスタミン誘導性血管弛緩は内皮依存性の反応と内皮非依存性の反応が存在する。今回、ラット静脈におけるヒスタミンH2受容体蛋白質の発現を同蛋白に対する抗体を用いた蛍光抗体法により確認した結果、静脈の内膜と中膜を中心H2受容体の局在が観察された。
    B. ラット静脈ヒスタミン誘導性弛緩反応におけるカリウムチャネルの働き
     ヒスタミンの作用はアレルギーや炎症、アナフィラキシーショックを引き起こす。特に、即時型アレルギーの病態では血圧低下が重大な問題となるためヒスタミンによる血管弛緩反応に注目した。ラット静脈系におけるヒスタミン誘導性弛緩反応のメカニズムを血管張力測定により検討を行った。単離した静脈標本を前収縮させ、ヒスタミンを累積的に投与し、阻害薬存在下の反応と比較した。ラット静脈においてヒスタミンは濃度依存的弛緩を引き起こし、以前の研究でこの弛緩はH2受容体を介した内皮非依存的弛緩である。さらに、選択的K+チャネル阻害薬を用いた結果から、ラット静脈では、ヒスタミンがBKを介して弛緩を引き起こしていた。さらに、BKが関与している静脈ではPKAとcAPDRもヒスタミンの反応に関与していることが明らかとなった。
    C. マウス延髄血管運動中枢におけるニューロペプチドYとその受容体の発現様式の解析
     ニューロペプチドY(NPY)は、 本態性高血圧のリスクファクターであり血圧調節に関与することが報告されている。 血管運動中枢の一つである頭側延髄腹外側部(rostral ventrolateral medulla; RVLM)に、NPYを注入すると血圧は一過性上昇の後に下降することが示され、NPYの動態が加齢に伴い著しく変化することから、中枢性血圧調節においてNPYが重要な影響を与えることが結論された。しかし、RVLMにおけるNPY受容体蛋白質の局在に関する報告は未だ無く、どのサブタイプのNPY受容体が血圧調節に重要であるかは不明である。私達は、実際にRVLMのニューロンにNPY受容体(Y1、Y2およびY5)の発現を確認し、RVLMにおいてNPY陽性神経線維の分布を認めた。
    また、RVLMにはNPY、Y1、Y2およびY5のmRNAの発現も観察された。

    V.ニューロペプチドY5受容体のマウス脳内および末梢組織での発現様式解析
     NPYの受容体の一つであるY5Rの脳内における発現は、視床下部や海馬に顕著であることが報告されているが、マウス脳におけるその発現部位の詳細は不明である。そこで、Y5Rのマウス脳内発現を免疫組織化学的手法およびin situ ハイブリダイゼーション法により調査した結果、従来考えられているよりも幅広く分布していることが明らかになった。中枢神経系以外では、生殖器官、消化器におけるY5Rの発現も明らかになった。

    W. 高濃度炭酸泉による血管の弛緩メカニズムの解明
     血中の二酸化炭素濃度は、冠動脈、脳血管障害に影響することは、一般によく知られているが、その作用はよくわかっていない。多くの文献では、二酸化炭素による弛緩作用が失われると脳や血管に、障害を起こす可能性があると思われている。近年、高濃度炭酸泉においては、比較的低温でも末梢血管血が弛緩し、血流量の増大をみる。そしてこのことが、冠動脈にも、よい作用を与えているという報告がある。しかし、この末梢血管の拡張のメカニズムはいまだ解明されていない。そこで知覚神経路、又は血管内CO2分圧の増大による中枢への伝達なのかを解明することを目標に実験を行っている。市販の高濃度炭酸水(1000 mg/L以上の遊離炭酸を含む)を購入し、皮膚と接触させたところ、水道水と比較して、暖かく感じられた。


    5. 著書


    1)「カッツング 薬理学(原所10版)」(柳沢輝行ら監訳)丸善 2009年
    21,22,23,28章 訳 樋口宗史

    2)「カラーイラストで学ぶ集中講義 薬理学」(渡辺康裕編)メジカルビュー社 2009年
    5,6,7章 執筆 樋口宗史


    6. 業績(英文原著・英文総説)


    1) Yuka Hama, Kimiyasu Shiraki, Yoshihiro Yoshida, Atsushi Maruyama, Makoto Yasuda, Masaaki Tsuda, Mariko Honda, Michiaki Takahashi, Hiroshi Higuchi, Ichiro Takahashi, Tohru Daikoku, Tadaharu Tsumoto
    Antibody to Varicella-Zoster virus immediate-early protein 62 augments allodynia in Zoster via brain-derived neurotrophic factor.
    J. Virol. 2009 in press.


    7. 業績(和文原著・和文総説)


    1) 村瀬真一
    嗅球へ向かうニューロブラストの移動を制御する分子群
    新潟医学会雑誌 第123巻 第1号 1-8頁、2009年

    2) 坂井一明、樋口宗史
    抗不安薬ジアゼパムの精神ストレス(CWT)に対する作用
    臨床薬理 40巻、S174頁、2009年


    8. 特別講演・シンポジウム・国際会議


    1) 樋口宗史 
    第63回日本栄養・食料学会年会シンポジウム
    神経ペプチドY受容体サブタイプを介する中枢摂食行動
    2009年5月20日〜22日 長崎

    2) Hiroshi Higuchi, Tomohiro Shiiya, Shin-ichi Murase
    The 36 th Congress of the International Union of Physiological Sciences (IUPS2009) Kyoto
    2009. 8.1


    9. 国内学会


    1) 椎谷友博、村瀬真一、樋口宗史
    マウス視床下部室傍核でのNPY Y1受容体ノックダウンによる摂食行動の変化−in situハイブリダイゼーションと免疫組織化学による検討
    第82回日本薬理学会年会、2009月3月16日〜18日 横浜

    1) 村瀬真一、椎谷友博、樋口宗史
    マウス脳におけるニューロペプチドY Y5受容体の発現細胞と細胞局在
    第82回日本薬理学会年会、2009月3月16日〜18日 横浜

    3) 大西隆之、松村伸治、芦高恵美子、樋口宗史、伊藤誠二
    ATPによるnNOSの細胞膜への移動の分子機構の解明
    第82回日本薬理学会年会、2009月3月16日〜18日 横浜

    4) 坂井康祐、佐野峻子、坂井一明、樋口宗史
    ラット静脈平滑筋のヒスタミン誘導性弛緩メカニズム
    第60回日本薬理学会北部会、2009年9月26日 富山

    5) 椎谷友博、村瀬真一、樋口宗史
    視床下部室傍核へのNPY Y5受容体siRNA発現プラスミドによる摂食行動への影響
    第60回日本薬理学会北部会、2009年9月26日 富山

    6) 村瀬真一、椎谷友博、樋口宗史
    マウス延髄血管運動中枢におけるニューロペプチドY受容体の発現様式の検討
    第60回日本薬理学会北部会、2009年9月26日 富山

    7) 坂井一明、樋口宗史
    抗不安薬ジアゼパムの精神ストレス(CWT)に対する作用
    第30回日本臨床薬理学会年会、2009年12月3日〜5日 横浜

    8) 村瀬真一、椎谷友博、樋口宗史
    延髄血管運動中枢におけるニューロペプチドY受容体の発現パターン
    第48回新潟高血圧談話会、2009年11月27日 新潟


    10. 教室近況


     平成21年(2009年)1月から12月における薬理学教室の1年間を御報告させて頂きます。
     人事面では4月に坂井一明君が大学院修士課程(医科学専攻)に入学しました。椎谷友博君および坂井康祐君は、大学院博士課程の3年次および修士課程の2年次にそれぞれ進み引き続き当教室で研究を続けています。12月末で大西隆之助教が京都大学大学院医学研究科病理学分野に転出しました。 従って現在の教室員は、樋口宗史教授、村瀬真一准教授、三冨明夫技術職員、荒川英子技術補(秘書)、大学院生の椎谷友博、坂井康祐、坂井一明の7名となります。
     教育面では4月から7月までは基礎薬理学および病態薬理学IIの講義、6月から7月にかけて薬理学実習、10月からは病態薬理学Iの講義を樋口宗史、村瀬真一で行ないました。学部の特別講義では、学外の先生方をお招きして最先端の薬理学研究をふまえた講義をして頂いていますが、本年は前山一隆教授(愛媛大学医学部)の「ヒスタミンの薬理学」、平英一教授(岩手医科大学)の「接着因子の薬理学」、渡邊康裕教授(防衛医科大学校)の「神経化学伝達の特異性」、長友孝文教授(新潟薬科大学)の「薬物受容体(レセプター)」、服部裕一教授(富山大学医学部)の「高脂血症治療薬」、新井信准教授(東海大学医学部)の「医学生のための漢方医学入門」、堀尾嘉幸教授(札幌医科大学)の「老化の薬理学」、東田陽博教授(金沢大学大学院医学研究科)の「社会認識記憶と自閉症」の講義をそれぞれ充実した内容で行なって頂きました。大学院特別講義では、矢田俊彦教授(自治医科大学)の「中枢性摂食調節の機構」、および倉智嘉久教授(大阪大学大学院医学研究科)の「統合生命科学の基盤構築と薬物誘発致死性不整脈の発生危険度予測」を行なって頂きました。10月から11月にかけて2ヶ月間の医学研究実習配属では、4年次学生野沢孝徳君を受け入れ視床下部における神経ペプチド受容体の発現様式について動物個体の扱いから画像解析に至るまでの全てを実施してもらい、単なる研究室体験にとどまることなくマンツーマンでの指導で貴重なデータを生み出すことが出来ました。

     研究活動は、循環器薬理学領域では「血管平滑筋を用いてのヒスタミン誘導性弛緩反応のメカニズム」および「心臓ランゲンドルフ標本を用いての虚血負荷時の神経ペプチドの役割」が引き続き追求されています。それぞれ坂井康祐君と坂井一明君、椎谷友博君が実験を担当しています。神経薬理学領域では「摂食関連神経ペプチドとその受容体分子が摂食におよぼす機能的役割と分子メカニズム」が分子生物学的手法と薬理学的行動解析により検討されています(大西助教と椎谷院生)。神経ペプチドに関する種々の分子ツールと神経ペプチド受容体ノックアウト動物を利用し、神経細胞の移動や分化を調節するメカニズムの解明も試みられています(村瀬准教授)。 学外シンポジウムの講演として、第63回日本栄養・食料学会年会シンポジウムに樋口教授が招待されました。第48回新潟高血圧談話会では、当番幹事を村瀬が担当し、特別講演に「虚血性心疾患の高血圧治療」のタイトルで 平山篤志教授(日本大学医学部内科学系循環器内科学分野)に講演頂き、盛会に終わりました。研究以外にも教室行事として4月に西大畑公園の花見、12月には月岡温泉での忘年会が企画されました。
     昨今 教育、研究の両面において内外から厳しく評価される状況ですが、教室員一同一層の努力を積み重ねてそれらの評価や期待に応えていきたいと考えております。
    (文責 村瀬真一)



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