Top -> Achievements -> 2010年度

Achievements
当研究室の業績


2010年度

1. 御挨拶


新潟大学大学院医歯学総合研究科・分子細胞医学・薬理学教室
教授 樋口宗史

 現在、当教室では肥満の研究を行なっている。その理由を述べると以下のようになる。肥満は世界中にパンデミックに広がる流行病であり、WHOの発表ではBMI (body mass index)が30以上の肥満者は2005年で世界の中で4億人を超えている(日本人は肥満に弱く、BMI 25以上を肥満としている)。肥満を放置するとさらに重篤な糖尿病や心血管障害、高血圧、脂質異常症などの健康障害をきたすため、メタボリック症候群として健康上の大きな問題となっている。肥満それ自体ではほとんど病識を与えないが、この段階で対策・治療することが生活の質(QOL)を維持するうえで、今後大切になってくる。肥満は単純に言えば、個体レベルでの摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることで生じる。その主たる原因は摂取カロリーの過剰、つまり持続的な過食によると思われる。しかし、この対策と治療には厳密に制御された中枢性摂食調節機構の詳細な理解が必要不可欠である。
 摂食調節は中枢性に生じる食欲で精密に維持されている。食欲をつかさどる視床下部の摂食中枢は全身状態を反映する末梢性の情報(血糖、遊離脂肪酸などの栄養状態、インスリン、レプチンなどのホルモン)を感受・統合し、摂食行動および全身の基礎エネルギー代謝の制御に向け、情報を発信している。これら末梢性の情報の入力部位として重要なものは視床下部弓状核と脳幹延髄孤束核である。液性シグナル(ホルモン、血糖など)は視床下部弓状核に、腹部迷走神経由来の感覚情報は延髄孤束核に入り、それぞれ摂食中枢の第1次中枢として働いている。この第1次中枢の視床下部弓状核から視床下部室傍核、視床下部外側野、背内側核への神経投射があり、これらの核が摂食中枢の第2次中枢として情報の統合・発信をしている機構が明らかになりつつある。
 2010年には第83回日本薬理学会年会で開催されたシンポジウム「中枢神経摂食制御の分子メカニズム」において中枢摂食制御の現状を私達は報告した。第1次中枢の視床下部弓状核におけるNPYニューロンとPOMCニューロンの拮抗的摂食制御の詳細とその下流における情報制御の様子が述べられている。また、全身循環からのグルコース濃度、レプチン、グレリンなどの情報の感受・統合の機構や、これらの機構の代償機構による中枢性に摂食行動が制御されるメカニズムも明らかにしつつある。当教室ではNPY系を介する摂食誘導機構がsiRNAベクターを用いた分子生物学的手法で経時的に解析を重ねている。このような中枢摂食制御の最新の進歩について肥満症の薬物治療・研究の発展がさらに進めば幸いである。


2.人事異動


薬理学講座 現教室員(平成23年1月1日現在)

教授
樋口宗史
准教授
村瀬真一
助教
合田光寛
技官
三冨明夫
技術補(秘書)
荒川英子
大学院課程
椎谷友博 (D4)、坂井一明(M2)
医学部学生基礎配属
高橋秀和、中本洋平、中山純平
業室研究生
風間高志
非常勤講師
渡邊康裕(防衛医科大学校)、中木敏夫(帝京大学)
長友孝文(新潟薬科大学)、堀尾嘉幸(札幌医科大学)
平 英一(岩手医科大学)、岩尾秀海(県医薬国保課)
服部裕一(富山大学)、山田充彦(信州大学)
東田陽博(金沢大学)、前山一隆(愛媛大学)
新井 信(東海大学)、平山篤志(日本医科大学)

平成22年度教室内人事異動
平成22年 3月 坂井康祐 大学院修士課程修了
平成22年 12月 合田光寛 入局


3.教育活動(平成22年4月〜平成23年3月)


  • 平成22年度講義(1年次)

  •  8月 2日 医学序説I (脳に働く薬と毒) 樋口宗史
  • 平成22年度基礎薬理学講義(3年次)

  •  4月 5日 総論(1)(2)歴史、学問領域、概念、作用機序 樋口宗史
     4月12日 総論(3)(4)受容体の概念、シグナル伝達 樋口宗史
     4月19日 総論(5)(6)シグナル伝達、神経化学伝達総論 樋口宗史
     4月26日 総論(7)(8)薬物動態、薬物代謝、ADME 村瀬真一
     5月10日 自律神経(1)交感神経作用薬 村瀬真一
     5月17日 中枢神経薬理(1)(2) 樋口宗史
     5月24日 特別講義-神経化学伝達の特異性 渡邊康裕
     5月31日 自律神経(2)副交感神経作用薬 村瀬真一
     6月 7日 特別講義-一酸化窒素、パーキンソン病の薬理学 中木敏夫
     6月 9日 特別講義-薬物受容体 長友孝文
     6月14日 特別講義-接着因子の薬理学 平 英一
     6月15日 中枢神経薬理(3)(4) 樋口宗史
     6月16日 筋弛緩薬、局所麻酔薬 村瀬真一
     6月16日 特別講義-麻薬法規 岩尾秀海
     6月21日 特別講義-老化の薬理学 堀尾 嘉幸
     6月22日 循環器薬理学(1)(2) 樋口宗史
     6月23日 抗炎症薬、ステロイド 村瀬真一
     6月30日 化学療法薬(1)抗生物質 村瀬真一
     7月 7日 化学療法薬(2)免疫調節薬、抗癌薬 村瀬真一
     7月 7日 抗ウイルス薬、抗真菌薬 村瀬真一
     7月20日 臨床薬理学入門(1) 樋口宗史 他
     7月20日 内分泌薬理(下垂体、性腺系) 村瀬真一
     7月21日 臨床薬理学入門(2) 樋口宗史 他

  • 平成22年度病態薬理学I講義(3年次)

  • 10月 5日 特別講義-高脂血症薬 服部裕一
    10月19日 造血・貧血の薬理学、循環器薬理学(3)(4) 樋口宗史
    10月26日 特別講義-抗不整脈薬 山田充彦
    11月16日 呼吸器系薬理学 村瀬真一
    11月30日 特別講義-社会行動・自閉症の薬理学 東田陽博
    12月 7日 向精神薬(1)(2) 樋口宗史
     1月11日 向精神薬 (3) 樋口宗史
     1月18日 内分泌薬理(1)(2)(糖尿病・肥満) 樋口宗史
     1月25日 特別講義-ヒスタミンの薬理学 前山一隆
     2月 8日 内分泌薬理(3)(4)(甲状腺、副甲状腺、副腎) 村瀬真一

  • 平成22年度病態薬理学II講義(4年次)

  •  4月13日 皮膚・形成の薬理学 樋口宗史
     4月27日 消化器系薬理学 樋口宗史
     6月 1日 泌尿器系の薬理学 村瀬真一
     6月22日 生殖発達系薬物 村瀬真一
     7月 6日 視覚器系薬理物 樋口宗史
     7月27日 麻酔・救急蘇生の薬理学 村瀬真一

  • 平成22年度臨床医学講義(6年次)

  •  7月30日 特別講義-医学生のための漢方医学入門 新井 信

  • 平成22年度薬理学実習(3年次)

  •  6月28日 薬理学実習(1)(2) 樋口宗史 他
     6月29日 薬理学実習(3)(4) 樋口宗史 他
     7月 5日 薬理学実習(5)(6) 樋口宗史 他
     7月 6日 薬理学実習(7)(8) 樋口宗史 他
     7月12日 薬理学実習(9)(10) 樋口宗史 他
     7月13日 薬理学実習(11)(12) 樋口宗史 他
     7月20日 薬理学実習(13)-総括 樋口宗史 他

  • 3年次実習項目

  • エタノールの中枢作用
    カフェインの中枢作用
    平滑筋T、U
    自律神経薬と血圧
    薬物の精神ストレス(CWT)に対する作用

  • 大学院修士課程講義

  •  4月27日 神経薬理学 樋口宗史
     5月27日 神経細胞の移動・分化と脳の発達薬理学 村瀬真一

  • 大学院特別講義

  •  5月27日 「循環器疾患におけるEvidence-Based Medicine(EBM)を語ろう」平山篤志

  • 出張講義

  • 大阪市立大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    富山大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    防衛医科大学校医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    新潟薬科大学(非常勤講師) 樋口宗史
    岩手医科大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    愛媛大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    新潟青陵大学看護福祉心理学部(非常勤講師) 樋口宗史


    4.研究活動


    T.神経遺伝子転写機構の研究
    A.siRNAによるNPY Y2及びY4受容体発現抑制の影響
     Y2 siRNA発現ベクターを室傍核又は弓状核へ投与し、投与部位での受容体mRNA発現をin situ hybridization法により検討した。その結果、Y2 siRNA発現ベクター投与部位において、Y2 mRNA発現が減少した。しかし、摂食行動への影響は観察されなかった。NPY Y1及びY5受容体の摂食行動への関与とは異なり、脳内室傍核と弓状核のY2受容体は平常時の摂食行動には関与していない可能性が考えられる。Y4 siRNA発現ベクターを室傍核又は弓状核へ投与した場合は現在解析中である。
    B. 絶食負荷による視床下部でのガラニン発現レベル検討
     これまでの研究でC57BL/6Nマウスに絶食負荷を課すると、視床下部でのガラニンmRNA発現が増加することを見出している。この遺伝子発現の増加に続いて、ペプチドレベルでもガラニン発現が増加しているか免疫組織化学により検討している。現在、絶食負荷後の視床下部背内側核及び室傍核でのガラニンペプチド発現レベルを評価中である。

    U.循環調節に関わる生理活性物質と受容体・シグナル伝達の研究
    A. ラット静脈におけるヒスタミン誘導性弛緩反応のメカニズム
     ラット動静脈(総頸動静脈、上腕動静脈、 腹部大動脈と下大静脈 、大腿動静脈、尾動静脈)の平滑筋、内皮細胞におけるヒスタミン受容体サブタイプ(H2)蛋白質発現と各種平滑筋のヒスタミン誘導性弛緩反応との関連について、H2蛋白質に対する抗体を用いた蛍光抗体法により検討した。H2発現量の相対比の大きさは、大腿静脈、腹部大静脈、総頸静脈、上腕静脈の順であり、各静脈のH2を介する最大弛緩反応の大きさの順と一致していた。
    B. 降圧マウスの延髄血管運動中枢におけるニューロペプチドY受容体の発現変化
     ニューロペプチドY(NPY)は、単独でラット血管平滑筋に対してY1受容体を介して収縮反応を引き起こす。また、NPY存在下では、ヒスタミンのH1受容体を介した動静脈平滑筋の収縮反応が有意に増大することが明らかになっている。そこで、ラット動静脈平滑筋および内皮細胞上でのY1受容体の分布とH1受容体との共存について共焦点レーザー顕微鏡を用いた蛍光抗体法により検討した。ラット動静脈(総頸動静脈、上腕動静脈、腹部大動脈と下大静脈、大腿動静脈、尾動静脈)においてY1受容体が分布していること、さらにY1受容体は特に動脈において、血管内皮細胞にも分布していることが確認された。Y1受容体の定量結果から、我々が以前報告したニューロペプチドYのY1受容体を介した血管平滑筋収縮反応と受容体分布量に相関が認められた。また、H1受容体は内皮細胞には分布していなかったが、動脈、静脈の平滑筋細胞上ではH1受容体とY1受容体との共存が広く認められた。

    V.高濃度炭酸泉による血管の弛緩メカニズムの解明
     高濃度炭酸泉による血管の弛緩メカニズムが、血管内CO2分圧の増大による末梢神経化学受容器から延髄血管運動中枢への情報伝達によるものなのか、もしくはCO2が直接血管平滑筋を弛緩するメカニズムが存在するのかを明らかにすることを目的に実験を行っている。今年度は、100%酸素下あるいは5%炭酸ガス+95%酸素下での最適な緩衝液を作製し、マウスの血管平滑筋の弛緩収縮実験を通じて、100%酸素下あるいは5%炭酸ガス+95%酸素下における弛緩反応の相違について検討している。


    5. 業績(英文原著・英文総説)


    Hama,Y., Shiraki,K., Yoshida,Y., Maruyama,A., Yasuda,M., Tsuda,M., Honda,M., Takahashi,M., Higuchi,H., Takasaki,I., Daikoku,T., Tsumoto,T.
    Antibody to varicella-zoster virus immediate-early protein 62 augments allodynia in zoster via brain-derived neurotrophic factor.
    J.Virology 84, 1616-1624, 2010.



    6. 業績(和文原著・和文総説)


    1) 坂井康祐
    ラット静脈平滑筋のヒスタミン誘導性弛緩メカニズム
    平成21 (2009) 年度新潟大学学位論文.--新潟大学大学院医(2010)--
    (新潟大学学位論文;新大院修(医);第109号-第114号)

    2) 坂井一明、樋口宗史
    「カラ―ワードテストによる精神ストレスに対する抗不安薬ジアゼパムの作用」
    臨床薬理 41巻、S292頁、2010年



    7. 特別講演・シンポジウム


    1) 樋口宗史、椎谷友博、野沢孝徳、村瀬真一
    siRNAベクターを用いた摂食制御の解析
    第 83 回日本薬理学会年会シンポジウム 2010 年 3 月 16-18日 大阪

    2) 樋口宗史、椎谷友博、村瀬真一
    絶食時の視床下部ガラニン遺伝子発現の増加
    第 87 回日本生理学会年会シンポジウム 2010 年 5 月 19-21日 盛岡



    8.国際学会


    1) Hiroshi Higuchi, Tomohiro Shiiya, Shin-ichi Murase
    Change in feeding behavior by siRNAs for a NPY receptor into paraventricular nuclei.
    IUPHAR 16th, 17-23 July, 2010, Copenhagen, Denmark

    2) Tomohiro Shiiya, Takeshi Niki, Hiroshi Higuchi
    Fasting-induced increase in galanin mRNA expression in several hypothalamic nuclei.
    IUPHAR 16th, 17-23 July, 2010, Copenhagen, Denmark



    9. 国内学会(研究会も含む)


    1) 坂井康祐、佐野峻子、坂井一明、樋口宗史
    ラット静脈におけるヒスタミン誘導性弛緩メカニズム
    第83回日本薬理学会年会 2010年3月16-18日 大阪

    2) 椎谷友博、村瀬真一、樋口宗史
    siRNA発現ベクターを用いたマウス視床下部室傍核でのNPY Y1及びY5受容体ノックダウンによる摂食行動への影響
    第83回日本薬理学会年会 2010年3月16-18日 大阪

    3) 村瀬真一、椎谷友博、樋口宗史
    マウス延髄血管運動中枢におけるニューロペプチドY受容体の発現パターン
    第83回日本薬理学会年会 2010年3月16-18日 大阪

    4) 村瀬真一、椎谷友博、樋口宗史
    マウス吻側延髄腹外側部(血管運動中枢)におけるニューロペプチドY受容体発現
    Neuro2010 2010年9 月2-4日 神戸

    5) 合田光寛、村瀬真一、樋口宗史
    ラット動静脈平滑筋でのY1受容体の分布とH1受容体との共存
    第61回日本薬理学会北部会 2010年9月10日 札幌

    6) 椎谷友博、村瀬真一、樋口宗史
    視床下部弓状核および室傍核でのNPY Y2受容体の摂食行動への関与の検討
    第61回日本薬理学会北部会 2010年9月10日 札幌

    7) 村瀬真一、 樋口宗史
    レセルピン投与マウスの血管運動中枢におけるニューロペプチドY受容体の発現変化
    第61回日本薬理学会北部会 2010年9月10日 札幌

    8) 合田光寛、村瀬真一、樋口宗史
    ヒスタミンH1受容体のラット動静脈平滑筋における分布
    第14回日本ヒスタミン部会 2010年10月24日 川崎

    9) 坂井 一明、樋口 宗史
    カラーワードテストによる精神ストレスに対する抗不安薬ジアゼパムの作用
    第31回日本臨床薬理学会年会 2010年12月2日 京都



    10. 教室近況


     諸先生方におかれましては、益々御活躍のことと御慶び申し上げます。平成22年(2010年)1月から12月における薬理学教室の一年間を御報告させて頂きます。
     人事面では 坂井康祐君が修士課程(医科学専攻)を修了し就職しました。4月には合田光寛博士が岡山大学から助教として赴任しました。椎谷友博君および坂井一明君は、大学院博士課程の4年次および修士課程の2年次にそれぞれ進み引き続き当教室で研究を続けています。従って現在の教室員は、樋口宗史教授、村瀬真一准教授、合田光寛助教、三冨明夫技術職員、荒川英子技術補(秘書)、大学院生の椎谷友博、坂井一明の7名となります。
     教育面では4月から7月までは基礎薬理学および病態薬理学IIの講義、6月から7月にかけて薬理学実習、9月からは病態薬理学Iの講義を当教室スタッフが行ないました。学部の特別講義では、例年学外の先生方をお招きして最先端の薬理学研究をふまえた講義をして頂くことになっていますが、前山一隆教授(愛媛大学大学院)の「ヒスタミンの薬理学」、平 英一教授(岩手医科大学)の「接着因子の薬理学」、渡邊康裕教授(防衛医科大学校)の「神経化学伝達の特異性」、長友孝文教授(新潟薬科大学)の「薬物受容体(レセプター)」、服部裕一教授(富山大学医学系大学院)の「高脂血症治療薬」、新井 信准教授(東海大学医学部)の「医学生のための漢方医学入門」、堀尾嘉幸教授(札幌医科大学大学院)の「老化の薬理学」、山田充彦教授(信州大学医学系大学院)の「抗不整脈薬」、東田陽博教授(金沢大学大学院医学研究科)の「社会行動と自閉症の薬理学」の講義をそれぞれ充実した内容で行なって頂きました。10月から11月にかけての医学研究実習配属では、4年次学生3名を受け入れ摂食や血圧変化に伴う神経ペプチド受容体の発現様式について動物個体の扱いから画像解析に至るまでのすべてを実施してもらい、単なる研究室体験にとどまることなくマンツーマンでの指導で貴重なデータを生み出すことが出来ました。

     研究活動ですが、循環器薬理学領域ではアナフィラキシーショックの本態にせまる「血管平滑筋を用いてのヒスタミン誘導性弛緩反応のメカニズム」および「動静脈平滑筋標本を用いた高CO2負荷の生理的役割」の2つのテーマが追求されています。それぞれ合田助教と坂井君、椎谷君が実験を担当し活発な研究活動が続いています。神経薬理学領域では、「摂食関連神経ペプチドとその受容体分子が摂食におよぼす機能的役割と分子メカニズム」に対して分子生物学的手法と実験動物の薬理学的行動解析により検討しています(椎谷)。さらに、当教室が強いバックグラウンドを持つ神経ペプチドに関する種々のツールを利用して、血管運動中枢に発現する神経ペプチド受容体の研究も行なわれています(村瀬)。第83回日本薬理学会年会では、シンポジウム「中枢神経摂食制御のメカニズム」の企画、講演を樋口教授が行い盛会のうちに終了しました。 以上の教育・研究面をはじめ薬理学教室の諸活動は、三冨明夫技官と荒川英子秘書の多くの貢献に支えられていることは言うまでもありません。研究以外にも教室行事として4月に西大畑公園の花見、12月には咲花温泉での忘年会が企画されました。
     昨今、教育、研究の両面において内外から厳しく評価される状況ですが、教室員一同一層の努力を積み重ねてそれらの評価や期待に応えていきたいと考えております。今後とも薬理学教室への暖かい御支援をお願いするとともに、諸先輩、先生方の御健勝を心からお祈り申し上げまして、本稿を終わらせて頂きます。
    (文責 村瀬真一)



    Top -> Achievements -> 2010年度