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Achievements
当研究室の業績


2011年度

1. 御挨拶


新潟大学大学院医歯学総合研究科・分子細胞医学・薬理学教室
教授 樋口宗史
(第63回日本薬理学会北部会 実行委員長・会長)

 第63回日本薬理学会北部会を平成24年9月14日(金)に新潟市の新潟コンベンションセンター朱鷺メッセにおいて当教室が開催する運びになりました。新潟では第56回(2005年)北部会より7年ぶりの開催となります。北部会は北海道、東北、新潟、富山の医学、薬学、歯学、農学部および製薬企業の薬理学研究者を主体に構成されておりますが、この北部会でも薬理学研究室が増加し、新潟に来られたことのない若い研究者の方々も増えてきたと思います。そのため、第63回北部会では新潟で薬理学研究分野を主導している大学の先生たちとともに新たな気持ちで北部会を企画しています。新潟(高志)の地で温かい薬理学研究発表・交流の機会ができればと会員の皆様の参加を期待しております。
 今回の開催では、特別講演の代わりに日本薬理学会北部会市民公開講座としてシカゴ大学 中村祐輔教授の「がんワクチン療法の最新の進歩」を新潟市民の人と薬理学会員とが拝聴する予定にしております。中村教授は東京大学医科学研究所で長く、日本のがんゲノム研究の第一人者として世界的に活躍してこられました。がんの分子生物学研究を薬理学会が最新の学問領域の1つとして取り入れつつ、一般の人々と薬理学の知識の共有を図れる機会になればと祈念しております。
 さらにこの会では薬理学会員同士の絆を深め、若手薬理学研究者の育成に貢献できるように、北部会優秀発表賞を選考し、懇親会で顕彰したいと思います。北部会の重鎮の先生方に審査をお願いし、さらに研究室の若手の学会参加を奨励していただきますようお願いしています。
 今年は新潟大学薬理学教室が1911年(明治43年)創設以来102年目を迎えます(1933年までは薬物学教室)。日本薬理学会創設よりも伝統が古い研究室の開催する日本薬理学会北部会が薬理学研究者間の親睦を深め、新しい研究の絆を強められますよう、実行委員ともども祈念しております。ぜひ皆様の活発な討論を期待しております。
 最後に今回の開催につき、ご支援いただきました関係医学・薬学団体、製薬・試薬企業、出版企業の各位に厚く御礼申し上げるとともに、現薬理学教室の皆様の協力をお願い致します。

平成24年1月1日



2.人事異動


薬理学講座 現教室員(平成24年1月1日現在)

教授
樋口宗史
准教授
村瀬真一
助教
合田光寛
椎谷友博
技術補(秘書)
荒川英子
大学院課程
坂井一明(D1)
業室研究生
井口英幸
非常勤講師
新井 信(東海大学)、岩尾秀海(県福祉保健部)
平 英一(岩手医科大学)、中木敏夫(帝京大学)
長友孝文(新潟薬科大学)、服部裕一(富山大学)
東田陽博(金沢大学)、平山篤志(日本大学)
堀尾嘉幸(札幌医科大学)、前山一隆(愛媛大学)
山田充彦(信州大学)、渡邊康裕(防衛医科大学校)


平成23年度教室内人事異動
平成23年 3月 椎谷友博 大学院博士課程修了
平成23年 4月 椎谷友博 助教採用


3.教育活動(平成23年4月〜平成24年3月)


  • 平成23年度講義(2年次)

  • 10月17日 医学序説I(脳に働く薬と毒) 樋口宗史

  • 平成23年度基礎薬理学講義(3年次)

  •  4月 4日 総論(1)(2)歴史、学問領域、概念、作用機序 樋口宗史
     4月11日 総論(3)(4)受容体の概念、シグナル伝達 樋口宗史
     4月18日 総論(5)(6)シグナル伝達、神経化学伝達総論 樋口宗史
     4月25日 総論(7)(8)薬物動態、薬物代謝、ADME 村瀬真一
     5月 2日 中枢神経薬理(1)(2) 樋口宗史
     5月 9日 自律神経(1)副交感神経作用薬 合田光寛
     5月16日 中枢神経薬理(3)(4) 樋口宗史
     5月23日 特別講義-神経化学伝達の特異性 渡邊康裕
     5月30日 自律神経(2)交感神経作用薬 村瀬真一
     6月 6日 循環器薬理学(1)(2) 樋口宗史
     6月 8日 特別講義-薬物受容体 長友孝文
     6月13日 特別講義-老化の薬理学 堀尾 嘉幸
     6月15日 筋弛緩薬、局所麻酔薬 村瀬真一
     6月15日 特別講義-麻薬法規 岩尾秀海
     6月20日 抗炎症薬、ステロイド 村瀬真一
     6月21日 臨床薬理学ガイダンス、循環器薬理学(3)(4) 樋口宗史
     6月22日 特別講義-一酸化窒素、パーキンソン病の薬理学 中木敏夫
     6月29日 化学療法薬(1)抗生物質 村瀬真一
     7月 6日 化学療法薬(2)免疫調節薬、抗癌薬 村瀬真一
     7月 6日 抗ウイルス薬、抗真菌薬 村瀬真一
     7月13日 臨床薬理学入門(1) 樋口宗史 他
     7月19日 臨床薬理学入門(2) 樋口宗史 他
     7月19日 造血・貧血の薬理学 樋口宗史

  • 平成23年度病態薬理学I講義(3年次)

  • 10月 4日 特別講義-高脂血症薬 服部裕一
    10月25日 特別講義-抗不整脈薬 山田充彦
    11月 1日 特別講義-接着因子と薬理学 平 英一
    11月30日 特別講義-社会行動・自閉症の薬理学 東田陽博
    12月 6日 呼吸器系薬理学 村瀬真一
    12月20日 向精神薬(1)(2) 樋口宗史
     1月17日 向精神薬 (3) 樋口宗史
     1月24日 内分泌薬理(1)(2)(糖尿病・肥満の薬理学) 樋口宗史
     1月31日 内分泌薬理(3)(4)(甲状腺、副甲状腺、副腎) 村瀬真一
     2月 7日 特別講義-ヒスタミンの薬理学 前山一隆

  • 平成23年度病態薬理学II講義(4年次)

  •  4月12日 皮膚・形成の薬理学 樋口宗史
     4月26日 消化器系薬理学 樋口宗史
     5月31日 泌尿器系薬理学 村瀬真一
     6月21日 生殖発達系薬物 村瀬真一
     7月 5日 視覚器系薬理物 樋口宗史
     7月26日 麻酔・救急蘇生の薬理学 村瀬真一

  • 平成23年度臨床医学講義(6年次)

  •  7月29日 特別講義-医学生のための漢方医学入門 新井 信

  • 平成23年度薬理学実習(3年次)

  •  6月27日 薬理学実習(1)(2) 樋口宗史 他
     6月28日 薬理学実習(3)(4) 樋口宗史 他
     7月 4日 薬理学実習(5)(6) 樋口宗史 他
     7月 5日 薬理学実習(7)(8) 樋口宗史 他
     7月11日 薬理学実習(9)(10) 樋口宗史 他
     7月12日 薬理学実習(11)(12) 樋口宗史 他
     7月13日 薬理学実習(13)-総括 樋口宗史 他

  • 3年次実習項目

  • エタノールの中枢作用
    カフェインの中枢作用
    平滑筋T、U
    自律神経薬と血圧
    薬物の精神ストレス(CWT)に対する作用

  • 大学院修士課程講義

  •  4月28日 神経細胞の移動・分化と脳の発達薬理学 村瀬真一
     7月27日 神経薬理学 樋口宗史

  • 大学院博士課程講義

  • 12月15日 Molecular analysis of central feeding regulation using NPY receptor siRNA vectors. 樋口宗史

  • 大学院特別講義

  •  5月27日 「循環器疾患におけるEvidence-Based Medicine(EBM)を語ろう」平山篤志

  • 出張講義

  • 愛媛大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    札幌医科大学(非常勤講師) 樋口宗史
    富山大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    福岡大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    岩手医科大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史
    金沢大学医学部(非常勤講師) 樋口宗史


    4.研究活動


    T.神経遺伝子転写機構の研究
    A.NPY siRNAベクターによるNPY発現変化のtime courseへの影響
     NPY siRNA発現ベクターを弓状核へ投与し、投与部位でのNPY mRNA発現・変化のtime courseをin situ hybridization法により検討した。その結果、siRNA発現ベクター投与3日後及び6日後において、NPY mRNA発現が減少した。このsiRNAベクター法は脳内蛋白発現を1週間以上に渡り、減少させることが明らかになった。
    B. Y1受容体 siRNAベクターによるY1受容体発現変化のtime course
     Y1 siRNA発現ベクターを室傍核へ投与し、投与部位でのY1 mRNA発現をin situ hybridization法により検討した。その結果、siRNA発現ベクター投与3日後及び6日後において、Y1 mRNA発現が減少した。さらに、免疫染色による評価を行なった結果、siRNA発現ベクター投与3日後及び6日後において、Y1受容体 免疫陽性反応が減少した。NPY siRNAベクター同様、脳内神経伝達物質受容体も1週間以上に渡り減少することが明らかになった。

    U.循環調節に関わる生理活性物質と受容体・シグナル伝達の研究
    A. SHRにおける動静脈平滑筋でのNPY Y1受容体の分布量と血管反応性
     ニューロペプチドY(NPY)は単独でラット血管平滑筋に対してY1受容体を介して収縮反応を引き起こす。また、SHRの腸間膜動脈において、NPYの血管反応性が亢進しているという報告がある。NPY血管反応性の亢進がSHR血管系における普遍的な現象かを調べるために、SHRにおいてWKYと比較して各動静脈(総頸動静脈、上腕動静脈、腹部大動静脈、大腿動静脈、尾動静脈)でのY1 受容体分布量に差があるかを免疫組織化学的に検討した。さらに、NPYの血管反応性をSHRとWKYで比較した。今回検討した動脈、静脈の平滑筋上のY1受容体の定量結果から、SHRの上腕動脈、大腿動脈、上腕静脈ではY1受容体の分布量がWKYより有意に多いことが分かった。またNPYのY1受容体を介した血管平滑筋収縮反応は、SHRにおいて上腕動脈、大腿動脈、上腕静脈でWKYと比較して、有意に強い収縮反応が観察された。SHRの3つの血管におけるNPY反応性亢進の生理的意味付けは今後の課題である。
    B. ラット動静脈平滑筋のα1A, B, Dの分布様式の検討
     ニューロペプチドY(NPY)は、 本態性高血圧のリスクファクターであり血管緊張度調節に関与することが報告されている。NPYは単独でラット血管平滑筋に対してY1受容体を介して収縮反応を引き起こす。また、当研究室の以前の検討で、NPY存在下では、α1受容体を介した収縮反応がラット大腿動脈、尾動脈のみで有意に増大することが明らかになっている。α1受容体サブクラス選択的にNPYによる収縮反応増大が生じている可能性を調べるため、ラット動静脈平滑筋上でのα1A, B, D受容体のサブクラスの分布について共焦点レーザー顕微鏡を用いた蛍光抗体法により検討した。ラット動静脈(総頸動静脈、上腕動静脈、腹部大動静脈、大腿動静脈、尾動静脈)におけるα1A, B, D受容体の定量結果から、大腿動脈、尾動脈では、α1A, B受容体が、上腕動脈ではα1D受容体の分布量が多いことが明らかとなった。

    V.高濃度炭酸泉による血管の弛緩メカニズムの解明
     高濃度炭酸泉においては、比較的低温でも末梢血管が弛緩し、血流量の増大をみる。そこで、95%酸素+5%炭酸ガス還流下と100%酸素下でpHが変化しないような緩衝液を作り、血管での弛緩反応の変化を比較した。その結果は、ラット総頚静脈、上腕静脈、腹部下大静脈、大腿静脈で、ヒスタミン、SNAP,アセチルコリンによる弛緩反応に差はみられなかった。また、ラット総頚動脈、上腕動脈、腹部下大動脈、大腿動脈でも同様な試験を行ったが、アセチルコリン及びSNAPによる弛緩反応に差は見られなかった。ヒスタミンは動脈では、弛緩反応はほとんど認められなかった。

    W.漢方薬におけるストレス抑制効果について
     カラーワードテストによる精神ストレスに対する心循環器系への影響について検討するため、臨床治験を行った。結果、柴胡桂枝加竜骨牡蠣湯は、投与3時間後に、ストレスによる最大血圧の上昇をプラセボ群に比較して有意に下げることがわかった。

    X.神経分化に伴う接着分子の発現上昇
     側脳室周囲で生まれたニューロブラスト(神経芽細胞)は、rostral migratory stream (RMS)を形成して嗅球の中央へ到達し、そこでニューロン(嗅球顆粒細胞)への分化を始める。インテグリンα5の発現が、そのリガンドフィブロネクチンの発現とともに、ニューロブラストの発現とともに、ニューロブロストの移動停止に働く可能性を検討するため、ニューロブラストにおけるインテグリンα5発現の有無を側脳室周囲、RMS、嗅球、顆粒細胞層の各部位で共焦点レーザー顕微鏡を用いた免疫組織化学により検討した。側脳室周囲およびRMSでは、α5陽性反応はバックグラウンドレベルであったが、RMSが嗅球に侵入する領域ではα5陽性シグナルが増加し、その局在は抗ポリシアル酸抗体によるシグナルに多くが一致していた。さらに嗅球顆粒細胞層(ニューロブラストが分化して最終的に顆粒細胞になる)では、ポリシアル酸陽性シグナルはRMSに比較して著しく減弱していたが、α5陽性シグナルは、今回検討した領域の中では最も強かった。ニューロブラストは、嗅球に到達して、分化を始めるとα5発現を増加すると考えられた。


    5. 科学研究費・受賞


    平成23年度塚田医学奨学金
     「ラット静脈におけるヒスタミン誘発弛緩機序に関する研究」 合田光寛

    6. 著作


    カラー版 ラング・デール薬理学
    樋口宗史 (監訳)、前山一隆 (監訳)、西村書店、2011年

    カラー版 ラング・デール薬理学
    樋口宗史 (監訳)、前山一隆 (監訳)、西村書店、2011年
    村瀬真一(訳)
    2章 薬はいかに作用するか
    40章 抗てんかん薬
    42章 中枢神経系刺激薬と精神異常発現薬


    7. 業績(英文原著・英文総説)


    1) Hiroki Fujiwara, Narumi Hashikawa-Hobara, Yoshihiro Wake, Shingo Takatori, Mitsuhiro Goda, Hiroshi Higuchi, Yoshito Zamami, Panot Tangsucharit, Yoshihisa Kitamura, Hiromu Kawasaki
    Neurogenic vascular responses in mouse mesenteric vascular beds.
    submitted



    8. 業績(和文原著・和文総説)


    1) 椎谷友博
    視床下部背内側核ガラニン神経の摂食調節作用
    新潟医学会雑誌 125巻、188-198頁、2011年

    2) 椎谷友博
    視床下部背内側核ガラニン神経の摂食調節作用
    新潟大学学位論文:新大院博(医):第418号

    3) 坂井一明
    精神ストレス(カラーワードテスト)による心循環器系への影響に対する抗不安薬の効果について
    新潟大学学位論文:新大院修(医):第130号

    4) 樋口宗史
    中枢神経摂食制御の分子メカニズム
    日薬理誌 137巻、161頁、2011年

    5) 樋口宗史、椎谷友博、村瀬真一
    siRNAベクターを用いた視床下部での摂食制御の解析 - NPY系
    日薬理誌 137巻、166-171頁、2011年

    6) 坂井一明、樋口宗史
    カラーワードテストによる精神ストレスに対する2種の漢方薬の作用
    臨床薬理 42巻、S350頁、2011年



    9. 特別講演・シンポジウム・国際会議


    1) Hiroshi Higuchi
    Molecular analysis of central feeding regulation using NPY receptor siRNA vectors.
    第6回国際受容体・シグナリング・薬物作用シンポジウム
    2011年4月1-2日 京都

    2) Hiroshi Higuchi
    Molecular analysis of central feeding regulation by neuropeptide Y (NPY) neurons with NPY receptor siRNAs.
    第54回日本神経化学会大会 故ニーレンバーグ先生追悼国際シンポジウム
    2011年9月26-28日 加賀



    10. 国内学会(研究会も含む)


    1) 合田光寛、村瀬真一、樋口宗史
    ラット動静脈平滑筋でのNPY Y 1受容体の分布とSHRにおける発現
    第 84 回日本薬理学会年会 2011年 3月22−24日 横浜

    2) 椎谷友博、村瀬真一、樋口宗史
    siRNAベクターを用いたマウス視床下部神経核NPY Y4受容体ノックダウンによる自由摂食行動への影響
    第 84 回日本薬理学会年会 2011年 3月22−24日 横浜

    3) 村瀬真一、樋口宗史
    低血圧マウス延髄血管運動中枢におけるニューロペプチドY受容体の発現上昇
    第 84 回日本薬理学会年会 2011年 3月22−24日 横浜

    4) 村瀬真一、樋口宗史
    低血圧マウス延髄血管運動中枢におけるニューロペプチドY受容体の発現上昇
    第 54 回日本神経化学会大会 2011年9月26−28日 加賀

    5) 合田光寛、村瀬真一、樋口宗史
    SHRにおける動静脈平滑筋でのNPY Y1受容体の分布量と血管反応性
    第 62 回日本薬理学会北部会 2011年9月29−30日 仙台

    6) 村瀬真一、樋口宗史
    嗅球へ移動するニューロブラストは、インテグリンα5サブユニットを発現するか?
    第 62回日本薬理学会北部会 2011年9月29−30日 仙台

    7) 坂井一明、樋口宗史
    カラーワードテストによる精神ストレスに対する2種の漢方薬の作用
    第 32 回日本臨床薬理学会年会 2011年12月1−3日 浜松



    11. 教室近況


     諸先生方におかれましては、益々御活躍のことと御慶び申し上げます。平成23年(2011年)1月から12月における薬理学教室の一年間を御報告させて頂きます。
     人事面では三冨明夫技官が40年余の長さに渡り奉職していた薬理学教室を定年退職となりました。長い間御苦労さまでした。椎谷友博君は、博士課程(医科学専攻)を無事修了し、4月より助教となりました。今後の活躍を期待しています。坂井一明君は、修士課程を修了して大学院博士課程の一年次に進学して引き続き当教室で研究を続けています。 現在の教室員は、樋口宗史教授、村瀬真一准教授、合田光寛助教、椎谷友博助教、荒川英子技術補(秘書)、大学院生の坂井一明の6名となります。医学部6年生、井口英幸君(軟式野球部)が国試勉強も含めて、7研で医学の研鑚に一年間励んでいます。
     教育面では4月から7月までは基礎薬理学および病態薬理学IIの講義、6月から7月にかけて薬理学実習、9月からは病態薬理学Iの講義を当教室スタッフが行いました。学部の特別講義では、例年学外の先生をお招きして最先端の薬理学研究をふまえた講義をして頂くことになっています。前山一隆教授(愛媛大学大学院)の「ヒスタミンの薬理学」、平 英一教授(岩手医科大学)の「接着因子と薬理学」、渡邊康裕教授(防衛医科大学校)の「神経化学伝達の特異性」、長友孝文名誉教授(新潟薬科大学)の「薬物受容体」、服部裕一教授(富山大学医学系大学院)の「高脂血症薬」、中木敏夫教授(帝京大学医学部)の「一酸化窒素、パーキンソン病の薬理学」、新井 信准教授(東海大学医学部)の「漢方医学」、堀尾嘉幸教授(札幌医科大学大学院)の「老化の薬理学」、山田充彦教授(信州大学医学系大学院)の「抗不整脈薬」、東田陽博教授(金沢大学大学院医学研究科)の「社会行動o自閉症の薬理学」など、内容の充実した特色のある講義を行って頂きました。この他に、さらに「麻薬法規」の特別講義を、岩尾秀海課長補佐(新潟県福祉保健部医務薬事課)により、大学院特別講義を平山篤志教授(日本大学医学部)により「循環器疾患のEvidence-Based Medicineを語ろう」が行って頂きました。
     研究活動については、循環器薬理学領域では「血管平滑筋を用いてのヒスタミン誘導性弛緩反応のメカニズム」および「高濃度炭酸泉による血管の弛緩メカニズムの解明」の2つのテーマが追求されています。それぞれ合田助教と坂井氏が担当し活発な研究活動が続いています。神経薬理学領域では、「摂食関連神経ペプチドとその受容体分子が摂食におよぼす機能的役割と分子メカニズム」に対して分子生物学的手法と実験動物の薬理学的行動解析により検討しています(椎谷と村瀬)。さらに、当教室が強いバックグラウンドを持つ神経ペプチドに関する種々のツールを利用して、血管運動中枢に発現する神経ペプチド受容体の研究も行なわれています(村瀬)。 以上の教育o研究面をはじめ薬理学教室の諸活動は、荒川英子秘書の多くの貢献に支えられていることは言うまでもありません。研究以外にも教室行事として4月に白山公園の花見、12月には湯沢温泉での忘年会が施行され、楽しい一時を過ごしました。
     昨今、教育、研究の両面において内外から厳しく評価される状況ですが、教室員一同一層の努力を積み重ねてそれらの評価や期待に応えていきたいと考えております。
    (文責 村瀬真一)



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