ミャンマーの医学教育協力プロジェクト調査報告 その1 【 7月6日 (日) 】

 来年から国立6大学による「ミャンマーの医学教育協力JICAプロジェクト」が開始される。
最終計画立案のための現地調査団として、岡山大学(木股教授、岡田名誉教授)、長崎大学(泉川教授、小路教授)、新潟大学(齋藤玲子教授と私)、およびJICA人間開発部の富田さん(団長)、神田さん、石井さん、それに外務省国際協力局の青木さんの10名がヤンゴンへ向かった。


7月6日(日)
 午前11時発の全日空913便は8割程度の搭乗率。直行便なので当然だが、ほとんどが日本人。順調に予定通り午後3時半にヤンゴン空港着。
 曇り、30度程度だが、湿気が高い雨季のヤンゴンである。今回は滞在中のすべての手配をJICAの富田さんと神田さんがやってくださったが、空港にヤデナ医師(サンピュア病院内科)とチン医師(ヤンゴン第二医科大学病理)夫妻が出迎えに来てくれた。富田さん曰く、「先生方は大変な歓迎を受けるのですね」。
 ヤンゴンは来るたびに車が増えて渋滞がひどくなっている。一方、車が買いやすくなり、チン夫妻の車も新車(新しい中古車)だったが、輸入時の日本語がそのままドアのガラスに残っていた(写真1)。


      
          写真1.日本語が書かれたままの車


 ホテルに着き、6月15日に長岡市からいただいた第18回米百俵賞の副賞(100万円)をヤデナ医師に渡した(写真2)。この賞は実質的にはヤデナ医師と2人3脚でもらったものだ。個人の賞なので、何の使用制限もない。これから購入品を相談するが、必要な時に病院のため使えばよいと伝えた。これで私の仕事の一つは終わり、気軽になった。ドナルド・キーン監修「米百俵(山本有三の戯曲)」英語版とNHK新潟で放映された米百俵賞のニュースのDVDを渡した。
後で、「"One Hundred Sacks of Rice"を読みました。とても意味が深く、貴重な内容でした。先生がどんな賞をいただいたかわかりました」というメールが届いた。


                   
              写真2.副賞を手渡す                       写真3.ホテルで合流した調査団


 今回はハードなスケジュールで、自由時間がないため、ヤデナ医師には最終日の帰国直前に再会する。「買物もできないでしょうから、みやげを買っておきます。何が良いですか?」と聞かれたので、私はカシューナッツと干しエビをお願いした。
 他のメンバーも到着して、ロビーで打ち合わせと日程の確認(写真3)。その中で、2つ興味深い情報があった。1つは安倍首相がティン・セイン大統領に約束した病院の建設(具体的にはヤンゴン総合病院)に関してスーチーさんと政府との思惑の相違とミャンマーの選挙とのタイミングが問題視されているという。もう一つはシャン州タウンジーに新しい、第5番目の医科大学ができるとのことである。そうなると教育スタッフの養成は喫緊の課題になる。人材育成を主としたこのプロジェクトの意義はますます大きくなる。


(2014.7.15、文責:内藤 眞)

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