ミャンマーの医学教育協力プロジェクト調査報告 その3 【 7月8日 (火) 】

7月8日(火)
 
 朝4時起き。5時半にホテルを出て、7時の飛行機でネピドーへ移動。国内線の空港は各国の旅行者で賑わっていた。曇りだが順調に飛行し、ネピドー着。チンガハという以前宿泊したことのあるホテルにJICAの出張所があった。一休みして保健省へ。10時から医科学局局長と会談(写真8)。局長は岡田先生をおじさんと呼んで、なごやかな雰囲気であった。富田さんと木俣先生から説明したが、今回のプロジェクトの趣旨はすでに了解済みで、内容については大歓迎。時期などの詳細は日本側に合わせるとのこと。具体的な連絡方法を確認して会談は終わった。


                   
              写真8 局長との協議(保健省)                 写真9 ミン所長(左から3人目)と再会


 昼食後ミン所長に出会うため、岡田先生、齋藤先生と再度保健省へ。玄関にいないので、事務に問い合わせていると、ミン先生が出てきた(写真9)。保健省に用事があったのかと聞くと、われわれに会うために来たとのこと。朝8時にマンダレーから70Km離れたピンウールインを出発し、車を飛ばして今着いたのだ。わざわざ遠くから来てくれた上にみやげをもってきてくれた。再会を喜んだが、私は会うことをまったく予期しなかったので、みやげを持って来てなかった。
 短い再会の後、ネピドー総合病院を視察。救急、ICUなど、それなりの設備はあった(写真10,11)。交通事故の急増で、救急体制が問題になっている。ここは1000ベッド病院とも言われ、すべて平屋建てで、だだっ広い。渡り廊下からは庭が広がり、そこに患者の家族が煮炊きして暮らしている(病院で給食が出ない)。売店が出ていて噛みタバコの売店もあり(写真12)、店の人が口を開けて噛みタバコを見せてくれた(写真13)。口腔がんが多いのも当然。手術室に行くと、なんと日本人が脊椎の手術をしていた。三重大学の先生で、岡田先生とは知り合いであった。いろいろな大学や組織がミャンマーに入っているものだ。


                    
                  写真10 救急玄関                            写真11 治療室


                    
                写真12 渡り廊下の売店                    写真13 口を開けて噛みタバコを見せる


 最後に核医学の建物の中に入った。最新鋭のCTが入っていた(写真14)。今月から始動したとのことで、岡山大学で研修した専門家が説明してくれた。これは世界最高水準の機器で、皆驚いていた。放射性物質による標識試薬はオーストラリアから輸入して使用しているという。そのほか、今調整中の大型機器もあった。何というアンバランスだ。これなら支援は必要ないのではと思うほど。しかし、国のプライドがこのような設備を入れるのだ。最近、ミャンマーも軍事予算の一部を医療に回しているというが、その一環かもしれない。


          
                写真14 最新鋭のCT



 国会議事堂経由で飛行場に向かった。片側8車線の道路は議事堂の近くで封鎖されて、以前のように近くでみることができなかった。そこで、反対側の道に回った。道路工事をしていて、夕方のラッシュも重なり、こんな田舎なのに、道路は混雑していた。それにしても、バガン王朝の宮殿を思わせる荘厳な国会議事堂である(写真15)。


          
          写真15 工事中の道路から国会議事堂を臨む

(2014.7.15、文責:内藤 眞)

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