ミャンマーの医学教育協力プロジェクト調査報告 その5 【 7月10日 (木) 】


7月10日(木)

 最終日はヤンゴン第一医科大学(写真24)。ここの建物はイギリス時代に作られ、趣がある。庭もきれいに手入れされている。

             
          写真24 ヤンゴン第一医科大学                 写真25 学長と教授に説明


 学長以下、たくさんの教授が出席(写真25)。プロジェクトについて富田さんから説明。次いで齋藤先生が医学的側面から具体的説明。泉川先生も適切に補足。いくつかの討議のあと、第一医科大学の細菌学の教授が、「日本でいくら研修して技術、知識を身に着けても、ミャンマーに帰国すると基礎研究の機材がない。近くの医学研究所の機材を借りたりするが、思うようには使えず、自力では何もできない。研究のための機材の整備をしてほしい」と強く主張した。富田さんは今回のプロジェクトは人材育成が目的なので、そこまではカバーできないと説明した。学長はわれわれに不足しているものが多いので、何でもかんでもお願いして申し訳ないと話を収めたが、細菌学の教授の言うことはよくわかる。岡田先生もうなずきながら聞いていた。最後に記念品の宝石細工の絵をいただいた(写真26)。

               
         写真26 大学の建物の絵をいただく          写真27 救急蘇生マネキンを押す齋藤先生


 ヤンゴン第一医科大学の医学教育センターを視察した。実習用のマネキンがいくつか用意されていた(写真27)。今年医学部の予算で購入したという。これらは教育の質を向上するのに有効であるが、日本の教育を参考にして進めていく必要があろう。
 昼過ぎにJICA事務所で田中所長に報告し、今回のミッションは無事終了した。所長も本プロジェクトに大きな期待を示し、協力を約束してくれた。
 この4日間、密なスケジュールで歩き回り、さすがに疲れた。しかし、岡田先生はまったく疲れを見せず、余裕しゃくしゃく。ミャンマーへの思いが力になっているのだろう。見習わなくては。


      
    写真28 ホテルで最後の食事。マンゴーがおいしい。

 最後はヤデナ医師、チン夫妻、チーダ医師(ヤンゴン第二医科大学生化学)とホテルで夕食。マンゴーが素晴らしく美味しかった(写真28)。雨季はマンゴーのシーズンである。私は咽頭炎からすっかり回復していた。その頃、台風8号は日本で猛威をふるっていた。ヤンゴンを夜10時に飛び立った飛行機は台風をやり過ごすためにゆっくり飛び、30分遅れて午前7時に成田に着いた。台風はすでに通過し、風雨は収まっていた。

(2014.7.15、文責:内藤 眞)

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