平成27年度文部科学省「感染症研究国際展開戦略プログラム」に採択されました!!

“ミャンマーにおける呼吸器感染症制御へのアプローチ”

 文部科学省の「感染症研究国際展開戦略プログラム」について,当教室の齋藤玲子教授が代表者として申請した,「ミャンマーにおける呼吸器感染症制御へのアプローチ」が採択されました。

 「感染症研究国際展開戦略プログラム」は,感染症がグローバル社会に対する脅威となっていることに鑑み,日本国民ひいては人類の健康と安全に寄与 することを目指し,アジア・アフリカに海外研究拠点を展開し,各地で蔓延する感染症に対する疫学研究,診断治療薬等の開発に向けた基礎的研究を推進し,感染制御に向けた予防や診断治療に資する医薬品や技術の開発,高度専門人材の育成を図ることを目的としています。

 新潟大学は,半鎖国状態であった2000年から国立衛生研究所(NHLNational Health Laboratory)などミャンマーの主要な政府系研究所とインフルエンザの共同研究を行い,研究・人材育成の両面で現地のカウンターパートと強い連携体制を作り,感染症研究の基盤を構築してきました。 そしてこれまでの調査から,ミャンマーでは日本より半年早く新しい抗原性のインフルエンザがヒトで流行することが判明しており,日本のワクチン株の選定のために重要な地点であることが確認されています。

 これらの実績をもとに本プログラムでは,本学がNHL内に海外研究拠点を形成し,ミャンマー国内の医療機関との連携により,インフルエンザを始め,まだ実態が明らかとなっていない結核(細菌学・松本壮吉教授),小児重症肺炎(小児科学・齋藤昭彦教授)の疫学調査を実施します。そして,感染症伝播地図を作成しながら日本への輸入リスクをいち早く捕捉 し,日本のワクチン株選択や新規ワクチン開発,抗菌薬開発に資する情報の提供を国立感染症研究所などに行います。拠点長には渡部久実特任教授(琉球大学感染免疫制御学・教授を退任)が任命されました。

 また,今回の公募に続いて,今後国内の大学や研究機関を対象とした海外研究拠点との共同研究及び高度専門人材の育成に係る公募が実施される予定です。これにより,本学のミャンマー研究拠点でも将来的には広く共同研究や人材を受入れ,開かれた研究拠点として日本の感染症研究の発展に寄与することを目指します。

 なお,本プログラムは,平成2741日以降,医療分野における一元的な研究管理の実務を担う国立研究開発法人日本医療研究開発機構において実施されます。