臓器提供の仕方によって、生体部分膵臓(腎)移植と、脳死もしくは心停止ドナーからの膵臓移植に分かれます。臓器を提供する(あげる)側をドナー、移植を受ける(もらう)側をレシピエントといいます。

膵臓移植には以下の2種類の移植があります。

1.脳死もしくは心停止ドナーからの膵臓移植

膵臓移植の適応があると考えられた患者さんは、受診している医療施設の主治医から膵臓移植に関する説明を受けて同意が得られると、地域適応検討委員会(膵臓移植中央調整委員会から委託)によって、患者さんの膵臓移植適応の有無を判定します。適応ありと判定されると次に、移植実施施設によって患者さんが移植可能であるか検討されます。これにクリアすると、膵臓移植中央調整委員会に登録され、その後社団法人日本臓器移植ネットワークへ登録することになります。

膵臓移植の適応基準

1.対象

膵臓移植の対象は、以下の(1)、(2)のいずれかに該当する者であり、かつ、該当者が居住する地域の適応委員会において長期間にわたる臨床データおよび臨床検査をもとに、適応ありと判定されたものとする。なお、レシピエントの評価をする際には、心血管機能と腎機能に十分配慮する必要がある。

  1. 腎不全に陥った糖尿病患者であること。臨床的に腎臓移植の適応がありかつ内因性インスリン分泌が著しく低下しており、移植医療の十分な効能を得る上では膵腎両臓器の移植が望ましいもの。患者はすでに腎臓移植を受けていてもよいし、腎臓移植と同時に膵臓移植を受けるものでもよい。
  2. IDDM患者で、糖尿病学会認定医によるインスリンを用いたあらゆる治療手段によっても血糖値が不安定であり、代謝コントロールが極めて困難な状態が長期にわたり持続しているもの。本例に膵臓単独移植を考慮する場合もあり得る。

2.年齢

年齢は原則として60才以下が望ましい。

3.合併症または併存症による制限

  1. 糖尿病性網膜症で進行が予測される場合は、眼科的対策を優先する。
  2. 活動性の感染症、活動性の肝機能障害、活動性の消化性潰瘍。
  3. 悪性腫瘍
    悪性腫瘍の治療終了後少なくとも5年経過し、この間に再発の徴候がなく、根治していると判断される場合は禁忌としない。
  4. その他
    膵臓移植地域適応検討委員会が移植治療に不適当と判断したものも対象としない。
    1地域とは、日本臓器移植ネットワークが全国をブロックに分割する地域を単位とする。

膵臓移植の申請からネットワーク登録までの詳しい説明

  1. レシピエント候補者が受診している医療施設で移植の適応が考えられた場合、主治医の先生から膵臓移植についての説明を受けます(1回目のインフォームドコンセント)。その後、膵臓移植地域適応検討委員会に照会されます。
  2. 膵臓移植地域適応検討委員会により、適応の有無を判定します。結果は主治医の先生に報告されます。
  3. 適応有りと判定されると、移植実施施設に紹介され、移植が可能であるかさらに検討が行われます。
  4. 移植実施施設により移植可能と判断された場合、移植実施施設の移植医と、患者さんの主治医から、患者さんに対して臓器移植についての説明を行います(2回目のインフォームドコンセント)。膵臓移植のための必要項目を記入し、膵臓移植中央調整委員会へ登録されます。
  5. 登録終了後、レシピエントの主治医が移植実施施設担当医に移植依頼を行い、日本臓器移植に登録します。登録後の情報の更新や登録の抹消は、レシピエントが主治医および移植実施施設担当医と相談の上、日本臓器移植ネットワークに連絡して行います。

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2.生体部分膵臓移植

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