トップイメージ トップイメージ

血液検査・遺伝子解析

ファブリー病診断のための検査

血液バイオマーカー検査

● 血漿α-ガラクトシダーゼA(GLA)活性
(正常値:≧4.0 nmol/h/ml)

採取した血液から血漿を分離し、血漿GLA活性が低下しているか調べます。
遅発型患者では正常値を示すこともあるため、血漿lyso-Gb3値も測定し両方の結果から判断する必要があります。

GLA活性は血液の保管状態の影響を受けやすいです。採取した血液を常温で保存すると酵素タンパクが失活し、見かけ上活性値が低下してしまいます。採取後すぐに冷蔵保存することで偽陽性を防ぐことが大事です。

● 血漿グロボトリアオシルスフィンゴシン(lyso-Gb3)値
 (正常値:<2 ng/ml)

採取した血液から血漿を分離し、血漿lyso-Gb3値が上昇しているか調べます。
血漿GLA活性も測定し両方の結果から判断する必要があります。

血漿lyso-Gb3値は常温でも安定しますが、同じ血漿を用いてGLA活性を測定しますので冷蔵保存をしてください。


どちらも測定することで偽陽性、偽陰性の可能性を除き、無駄な遺伝子解析を減らすことができます。
(遺伝子解析はファブリー病診断に有用な検査ではありますが、検査に要する時間や費用を考慮すると、疑わしい症状を示すすべての患者に対して遺伝子解析を実施することは非現実的です。ファブリー病患者の血縁者の早期診断には役立ちますが、発端者の早期発見にはつながりません。)

遺伝子解析

ファブリー病で認められる臨床症状と上記の検査結果を受けて、ファブリー病と確定するために遺伝子解析を行うことが出来ます。
当研究室では、2002年からファブリー病の遺伝子解析を行っています。全国の病院施設から依頼を受け、これまで390人の方の遺伝子解析を行ってきました。
そのうち220人の方においてファブリー病を引き起こす変異が認められました。

● 検査方法

ファブリー病は生殖細胞系列の変異であり、全身すべての細胞に変異が生じているため基本的にどの細胞も検査に用いることが可能ですが、通常は末梢血が使われます。
採取した血液からゲノムDNAとRNAを分離し、シークエンス解析で変異を検出します。
変異の種類にもよりますが、スプライシング変異も検出できるようにゲノムDNAとcDNAの両方で解析を行います。

● 当研究室での検査手続きの流れ

腎医学医療センターにご依頼ください

貴施設の倫理委員会の承認を得てください

遺伝子解析の同意書、患者情報提供書、スピッツほかを送付します

患者さんの来院時に検査の説明をし、検査の同意を得てから採血をしてください

※EDTA-2K採血管に2ml、PAXgene®RNA採血管に2.5mlが必要です
※ヘパリンは逆転写酵素活性を阻害するので、ヘパリン加採血は避けてください

血液は常温放置せず速やかに冷蔵で送付してください

『血液バイオマーカー検査』及び『遺伝子解析』は
当研究室にご相談ください。

検査のご相談

患者さんの笑顔につながるような成果をあげられるよう
ファブリー病の研究に取り組んでいます

当センターについて

検査のご相談

お電話またはメールフォームよりお問い合わせください。