【履修証明プログラム】災害医療ロジスティクス専門家コース

教育プログラム・コースの概要

大学名等 新潟大学大学院医歯学総合研究科
教育プログラム・コース名 【履修証明プログラム】災害医療ロジスティクス専門家コース
対象者 医師・歯科医師・薬剤師・看護師・保健師・歯科衛生士・歯科技工士・理学療法士・作業療法士・精神保健福祉士・公認心理師・栄養士・行政職種ほか、災害医療に携わる関連職種
修業年限(期間) 2年
養成すべき人材像 災害時における急性期から慢性期・復興期までを視野に活動する医療チームの医療支援活動の実施と、その実施を可能とする専門性を活かしたロジスティクス(後方支援・業務調整)が実施でき、人的物的資源や通信環境の整備などを含めて組織横断的に活動でき、かつその人材が地域において災害ロジスティクス教育の指導的立場として普及に寄与できる「災害医療ロジスティクス専門家」を養成する。
また、上記に加えてサブスペシャリティーとして「心のケア」「生活不活発病」「口腔ケア」「看護・保健」「災害薬事」を選択し、履修生の専門職域に特化したロジスティクスについても履修し、組織横断的かつ専門性を有した災害医療ロジスティクス専門家を養成する。
修了要件・履修方法 ①e-learningにより「共通科目」50時間以上、かつ「選択した専門(サブスペシャリティー)科目」20時間以上を受講し、それぞれのWeb試験に合格すること
②新潟大学医学部災害医療教育センター、もしくは全国で実施する災害医療ロジスティクスに関する研修会で、当センターが単位認定をすると定めた研修会を受講し、50時間以上受講すること。
上記①②のいずれも満たし、計120時間以上の履修を修了したものに対して、新潟大学より履修証明書(Cirtificate)を交付する
履修科目等 <共通科目>
「災害医療と救急医療」「災害初動対応」「避難所運営マニュアル」「行政対応の基本方針(急性期・慢性期・復興期)」「特殊災害のロジスティクス」「災害医療における関連法規」「災害医療通信の確立」「避難所アセスメント」「J-SPEEDの活用」「災害関連死亡と対策」「人道支援のスフィア基準」「心理的応急処置(PFA)」「災害医療コーディネート制度」「SCU活動とロジスティクス」ほか60時間
<専門科目>
「避難所における口腔ケア」「口腔ケアチームのマネジメント」「口腔ケア資材の種類と物流」「嚥下リハビリチームの要請と展開」「DPATのマネジメント」「心のケアチームの活動支援」「子供ひろばのマネジメント」「生活不活発病予防の対応」「JRATのマネジメント」「避難所におけるリハビリテーションのニーズ」「被災地病院薬剤師支援マネジメント」「急性期の薬剤流通の仕組み」「救護所における薬剤師の業務」「アレルギー食への対応」「必要衛生材料の把握と調達」「福祉避難所開設へのロジスティクス」ほか、各サブスペシャリティー別に20時間
教育内容の特色等(新規性・独創性) 1)災害医療ロジスティクス(後方支援・業務調整)を学ぶ
 従来より当センターでは「災害全時相・職種横断的な災害連携医療活動」について「なにをするべきか」についての学習機会を提供してきた。しかし「なすべきこと」を実際に行うためには、一方でロジスティクスの知識や具体的なノウハウの専門家が必要である。このような背景から日本災害医学会において認定災害医療ロジスティクス専門家制度が開始されることとなった。本プログラムは従来日本では系統的な学習機会が提供されていなかった「災害医療ロジスティクス」を系統的に学習する初めてのプログラムであり、認定災害医療ロジスティクス専門家の認定要件を充分に担保し、かつ指導的役割を果たしうるレベルまで学習できる全国初のプログラムである。
2)サブスペシャリティーで専門性を活かす
 職種横断的な活動が可能となるための共通科目に加え、それぞれの専門職種ならではの災害医療ロジスティクスを学び、俯瞰的視点と専門性を兼ね備えた災害医療ロジスティクス専門家を育成するプログラムとなっている。認定災害ロジスティクス専門家制度においても職域別の専門性については言及していないが、実際災害においてはより職種専門的な業務調整能力が求められている。本プログラムでは、職種の専門性を活かした業務調整能力のある専門家育成にいち早く着手したプログラムである。
3)ニーズに応じたロジスティクス専門家の育成
 災害全時相に職種横断的なロジスティクス能力を身につけ、かつ職種に応じた専門性を有していたとしても、それが実際の現場のニーズに応じた活動に繋がらなければならない。本プログラムでは厚生労働省の指針に示されている災害関連死亡の重大な課題である「口腔ケア」「心のケア」「生活不活発病予防」という現場でのニーズから逆算してプログラムの組み立てを実施している。本プログラムの修了者が直ちに災害現場の重大な課題に専門性と俯瞰性を持ち合わせてロジスティクス活動に従事できるように工夫されている。
4)全国で働きながら学べる学習環境の提供
 通学を要さないe-learningによる学習と学習履歴管理システムによる双方向性授業を実施。更に全国で開催される災害医療ロジスティクス関連研修も単位認定。新潟大学への通学を義務化せず、働きながら、地元で、子育てしながら、など男女を問わず様々なライフスタイルに合わせた履修が可能なプログラムに工夫されている。
指導体制 新潟大学医学部災害医療教育センター、新潟医療人育成センター、新潟大学大学院医歯学総合研究科新潟地域医療学講座災害医学・医療人育成部門の専任教員、あるいは新潟大学医歯学総合病院、新潟大学災害・復興科学研究教員、独立行政法人国立病院機構災害医療センター、日本赤十字社医療センター、国立健康・栄養研究所、新潟薬科大学、新潟医療福祉大学、神奈川歯科大学、新潟大学歯学部、新潟県福祉保健部ほか、全国の災害医療・災害医療ロジスティクスの専門家によるプログラム計画の立案から実際のe-learningコンテンツの作成にあたり、またセミナーの開催においては全国から各領域専門指導者を招聘して指導に当たる。
教育プログラム・コース修了者のキャリアパス構想 本コースは履修証明プログラムとして規定の要件を満たした修了者には履修証明書(Cirtificate)を発行し、職業能力証明としてのキャリア形成を支援する。修了者には本プログラムを含む新潟大学医学部災害医療教育センターの主催するセミナーなどにインストラクター、ファシリテーターとして継続的な災害医療教育への参画機会を提供。日本災害医学会認定災害医療ロジスティクス専門家制度の認定へ向けた指導を実施し、実災害においてもロジスティクス専門家として活躍する機会が得られるように支援する。
受入開始時期 平成31年10月
受入目標人数
対象者 H30年度 H31年度 H32年度 H33年度 H34年度
医師 0 1 1 1 1 4
歯科医師 0 1 1 1 1 4
薬剤師 0 2 3 3 3 11
看護師 0 3 4 4 4 15
その他 0 1 5 5 5 16
0 8 14 14 14 50