究極の救急医療のデリバリーシステム

救急医療に必要な資機材を装備した救急専用のヘリコプターのことで、救急医療を専門とする医師と看護師が搭乗し、消防機関からの要請を受け5分以内に出動します。優れた機動性により「空飛ぶ救急外来」、「究極の救急医療のデリバリーシステム」と呼ばれています。
ドクターヘリを導入することで、救急現場における早期の治療開始に加え、適切な医療機関に短時間に搬送することが可能となり、その結果、救命率の向上や後遺症の軽減が期待されます。新潟県東部ドクターヘリは、2012年に新潟大学医歯学総合病院を基地病院として運航を開始し、年間2000件以上の要請があり、1400件以上出動しています。これは全国1位の要請数であり、2つの離島(佐渡島、粟島)を有し、また、救急要請から病院収容まで60分以上を要する地域が多くある中で、重症な患者さんに対して大都市圏とも遜色ない時間で救急医が早期に診断・治療を開始できています。
また、県内の転院搬送にも利用されており、救命と搬送に長けた救急医が駆けつけることにより、搬送元の医師が院内診療を中断することなく、適切な医療管理下で転院を行うことができます。

教育体制

日本航空医療学会認定指導医師を2名有し、病院内とは異なる限られた資源・厳しい状況の中での治療だけではなく、高度変化に伴う気圧の影響や重症患者搬送、消防・警察などとの協働など、総合的観点から次世代の育成を行っています。教育の質に加え、全国有数の出動数により量も加えることができ、年齢に関わらず、厳しい認定基準を満たすことができれば、若手でもフライトドクターとして活躍しています。

連携協定

新潟県東部ドクターヘリは、1.新潟県西部ドクターヘリ(長岡ドクターヘリ)との連携、2.山形県・福島県・新潟県の広域連携に基づく隣県協力体制です。

  1. 新潟県では2機のドクターヘリが運用されています。長岡赤十字病院を基地病院とする新潟県西部(長岡)ドクターヘリと連携して対応しています。そのため新潟県全体の応需率は80%程度となっています。また、多数傷病者事案に対しては同時に2機が出動し現場活動を行うこともあります。
  2. 隣接県である山形県と福島県にもドクターヘリが配備されています。ヘリコプターが県境を越えて活動できるように3県で協定が締結されました。これにより災害時や多数傷病者事案には複数のドクターヘリが協働する体制ができています。
ドクターヘリ
ドクターヘリ
ドクターヘリ