当院には、県内の重症小児で、特に集学的医療が必要な患児を集まってきます。当集中治療室(ICU)では、年間約200例の小児患者の診療を行っています。小児心臓外科・小児外科の周術期管理だけでなく、人工心肺装置や腎代替療法を必要とするような、他の施設では管理困難な内科系疾患にも対応しています。また重症外傷をはじめとした外因による小児患者も受け入れています。
当院では”save the children”を合言葉に経験の豊富な各診療科医師・看護師・臨床工学技士をはじめ、多岐にわたる各専門家が力を合わせ、こどもたちを守るため全力で頑張っています。当院のもつ小児医療の総力が結集し、発揮されるようなICUを目指しています。

先天性心疾患分野

ICUの小児患者のなかで大半を占めるのが、先天性心疾患患者です。年々手術件数は増加し、2018年には、年間150例の先天性心疾患手術を行い、日本海側屈指の小児心臓病センターとして機能しています。集中治療部では、小児心臓外科、小児麻酔、小児循環器の各チームと共同し、集学的治療の必要な周術期管理をおこなっています。

小児がん医療センター

2019年4月から、当院に『小児がん医療センター』が設置され、当地における小児がん診療の中心的な役割を担っています。化学療法・造血幹細胞移植や固形腫瘍に対する外科的治療を行う際、ICU管理が必要な状況も生じることがあります。小児科の血液腫瘍、小児外科、脳神経外科などの関連各科と協力し、小児がん診療の一端を担います。

県内医療機関との相互連携

小児の専門医療施設のない、県土の広い新潟県では、現在も重症小児の診療が各地域の小児中核病院で行われることも少なくありません。一方、新潟県の小児医療では、新潟大学の各診療科を中心としたネットワークが有効に機能しています。各病院と相互連携し、役割分担をしながら、重症小児に対し当ICUが果たすべき医療が提供できるよう努めています。