新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野 内科専攻医特設サイト

Interviewインタビュー

2025/02/25公開

医師人生に置いて
留学をするという選択肢
留学で得た一番大きな学び

平成25年度卒 吉田 智彰

タグ:# 大学院,# 後期研修

吉田 智彰

3年間のNIHでの留学経験
留学で得た英語や研究能力よりも一番大きな学び

 2021年4月から2024年3月までの3年間、アメリカのメリーランド州にあるNIHに留学させていただき、自然由来の細菌叢が与える免疫環境についてマウスを用いて研究しました。ボスと週に一度ミーティングをしながら具体的な研究の進め方についてディスカッションし、少しずつ出来る実験手技を取得しました。

 1年目で実験が独立してできるようになり、予備実験で得られた面白い現象をディスカッションしながら様々なモデル動物を使って検証し、最終的に論文投稿に十分な結果を得ることができました。短くまとめると順調な留学生活に聞こえますが、留学当初は全く英語が出来ず、頼んだ料理が出てくることの方が稀なレベルでしたので、時間が解決してくれるものであるとつくづく感じます。

 私が用いたマウスは特殊な環境下でしか飼育できず、毎週車で約40分離れた動物舎にラボの同僚と通っていました。道中、広々とした大地の中に立つ一軒家まで伸びる桜並木が綺麗なポイントがあり、今でもその光景や車中で同僚と話したことなどが思い出されます。

 本当に同僚やボスに恵まれ、様々な国で育ち、様々な考えを持ちつつも、お互いの文化や思想を尊重してくれました。留学で得た一番大きな学びは、英語や研究能力ではなく、他者を尊重することの大切さだと思います。中々実践するのはいまだに難しいですが、医師としてなくてはならない素質であり、当時の気持ちを忘れずに行きたいと思います。

研究以外のアメリカ生活も良い思い出に

 もちろん研究以外のアメリカ生活も本当に楽しかったです。医療保険システムや治安の悪さ等過ごしにくい点はありますが、非英語話者も快く受け入れてくれる人が殆どで、子供に優しく、日本では見られない大自然がそこら中にあります。ラボメンバーで近くの州立公園でバーベキューやピクニック、カヌーをしたのは良い思い出です。

医師人生に置いて留学をするという選択肢

 留学はもちろん全ての医師に勧められるものではありません。一時の臨床医としてのキャリアを犠牲する可能性もありますし、英語での生活自体がきついと思われる方もいるかもしれません。しかし長い医師人生に置いて2〜3年は相対的に見れば短い期間ですし、私たちが思っている以上に世界は敷居が低く、壮大に広がっています。また、当科においては留学したからといって、歩むキャリアの幅が狭まるわけではありません。

 私は留学前に最終的に実家の医院を継ぐ予定であることを伝え、快諾していただいたこともあり、留学に踏み切れました。少しでも興味ある方は、思い切って留学を考えてみてはいかがでしょうか。

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