新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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留学だより/学会・研究会報告

第2回 消化器内科サイエンスセミナー2018

Professor Detlef Schuppanをお迎えして

2018年9月4日(火曜日)本年第2回消化器内科サイエンスセミナーがProfessor Detlef Schuppanを新潟大学にお迎えし、開催されました。Professor. Detlef Schuppanは現在当科からドイツ、マインツのヨハネス・グーテンベルク大学に留学している阿部寛幸先生(留学の詳細に関しては阿部先生の留学日記をご参照ください)のボスでもあるとともにHarvard Medical School のBeth Israel Deaconess Medical CenterのProfessorでありまさに世界をまたにかけたご活躍をされている先生です。Schuppan先生は肝臓と消化管の炎症、線維化、癌などの関係、脂肪肝、炎症やアレルギーにおける食事や腸内細菌の役割など多岐にわたるご研究を展開されています。これらの研究で血清や画像を用いた新しいバイオマーカーの開発やsiRNAやsmall molecule nanoparticular deliveryなどの手法を用いた新しいより臓器、分子選択的な治療法の開発をされています。
当日新潟は夜にあの関西国際空港に甚大な被害をもたらした台風21号が直撃する予定であったため、新潟へは少し早く昼過ぎにいらしていただきました。新潟駅まで私と木村成宏先生でお迎えに上がりましたが非常に温厚な先生で、落ち着いた喋りと丁寧な紳士的な対応が印象的な先生でした。ホテルで休憩を取っていただいた後に新潟大学にご案内し講演を迎えました。
午後5時から医療人育成センターで講演は、『NASH and liver fibrosis: noninvasive assessment and novel therapies』と題して、現在増加しているNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)や線維化のメカニズムを含めた基礎的な背景、最新の研究や開発されている治療、ご自身が関わっている今後の治療の展開などまさに現在の最先端のお話いただきました。若手の冨永 顕太郎先生や酒井 規裕先生からも質問が出るなど医局員にとって貴重な経験の場となったことと確信しています。。
夜は当科スタッフとの懇親会がちょうど台風が近づく中、開催されました。先生は日本食、日本酒も堪能されていました。またお話で印象的だったのは朝、晩のエクササイズを欠かさず行うなどご研究のみならず、自らも律して健康を維持に努める姿は、我々も大いに見習うべき姿と思いました。
翌日、先生は寺井教授と第5回 国際組織工学・再生医療学会 世界会議2018(TERMIS2018)-京都でのランチェンセミナーのため昼前には京都に到着しなければいけないため、無理をお願いし朝一番の新幹線で京都へご移動いただくこととなりましたが無事会に間に合い、新潟にお招きした立場としてはほっと胸をなでおろした次第でした。先生は同学会でさらに座長とご講演をされ帰国の途につかれました。強行日程をお願いしたにもかかわらず、嫌な顔を一つせずご対応いただいたSchuppan先生には本当に感謝ばかりです。阿部先生の留学もSchuppan先生の研究室であれば、厳しいながらも充実した環境なのではないかと推察できるような気がします。今後も先生のご活躍を阿部先生の仕事も含め大変楽しみにしている今日このごろです。

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土屋淳紀 記

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