新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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留学だより/学会報告

平成30年度日本医師会生涯教育講座新潟会場
「これからの再生医療、創薬研究―世界のトップの研究より学ぶー」の開催を受けて

土屋 淳紀

 平成30年12月16日13:00-16:00より新潟市・新潟県医師会館にて平成30年度日本医師会生涯教育講座、「これからの再生医療、創薬研究―世界のトップの研究より学ぶー」を当科寺井崇二教授、新潟県立新発田病院院長(新潟県医師会理事)塚田芳久先生の座長のもと、新潟県医師会の諸先生方および、新潟大学にて再生研究に携わっている、もしくは興味を持っていただけている先生方に多数ご参加いただき開催されました。

 講師には寺井教授と現在日本のトップランナーであられる2人の先生をお招きし進められました。
はじめに寺井教授より「肝硬変症に対する他家間葉系幹細胞を用いた再生医療の開発」と題して、肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法の開発経緯のお話から、それに引き続く自己骨髄由来間葉系幹細胞の投与療法、そして新潟に来てはじめられた他家脂肪組織由来間葉系幹細胞の企業治験、そして細胞療法のメカニズム解析が少しずつ進んできている話がありました。
 次に神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科先端医療学分野教授(神戸大学大学院医学系研究科iPS細胞応用医学分野教授であられる青井貴之教授より、「iPS細胞を応用した医学研究の展開」と題してiPS細胞を用いた研究の可能性、特に遺伝子疾患での解析、多因子疾患での可能性、そしてiPS技術を活用したがん幹細胞作成・解析の事例などに関してご講演いただきました。iPS細胞研究で一部効果のある薬物の発見までつながった事象もご紹介いただき、iPS細胞の可能性を感じることができました。
 最後に大阪大学大学院医学系研究科外科学講座心臓血管外科教授であり日本再生医療学会理事長でもあられる澤芳樹教授より「これからの日本の再生医療」と題して、ハートシート開発に関わられたご経験、iPS細胞を用いた心筋シートの開発、条件期限付きの承認制度(要全例市販後調査)のご紹介、再生医療学会のナショナルコンソーシアム構想、そして大阪の目指す再生医療拠点など壮大なお話をいただきました。
今回の講演を通しいて再生医療、研究の重要性、そして発展性を感じることができ、またそれを取り巻く法整備も整ってきており、今後の新潟での再生医療の発展を期待するばかりです。

平成30年12月16日 新潟大学消化器内科 講師 土屋淳紀 (記)

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