新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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留学だより/学会報告

AASLD2018

酒井 規裕

 この度、2018年11月9日―13日にSan Franciscoで開催されたThe 69th Annual Meeting of the American Association for the Study of Liver Disease(AASLD2018)のPoster sessionに採用され、参加及び発表をして参りました。

 私の研究・発表内容はScreening of Pharmaceuticals for their Effectiveness in Preventing Liver Fibrosis Using Mice with Humanized Livers, with an Assessment of the Therapeutic Effect Using Mouse Liver Fibrosis Models. 肝硬変症に対して薬物治療で改善させることができないか、ヒト肝細胞キメラマウスを用いてマイクロアレイ解析でスクリーニングを行った後、選択された候補薬物を2種類の肝硬変モデルマウスに投与し効果を検証する、というものです。今回の発表の内容は、企業との共同研究で先行実験の一部を使用させて頂けたこともあり、Poster sessionに採用となりました。既存薬を使用したドラッグリポジショニングとしての研究で、この研究内容が肝線維化の治療・メカニズム解明の一助となればと考え、研究・解析を進めております。 思い返しますと、2018年4月の大学院生リサーチミーティングでの発表の際、寺井教授が「これは、サンフランシスコやな。」とおっしゃられたのが始まりでした。はじめ私はサンフランシスコが何を指していたのかわからず、「今年のアメリカ肝臓学会はサンフランシスコでやるから、演題出してみたら。」と教えて頂きました。そして、2018年5月に演題を応募し、2018年8月にPoster sessionでの演題採用通知を頂きました。海外学会に参加するのは初めての体験でしたので、内容はこれで大丈夫なのか、質問されていることの意味がわからなかったらどうしよう、などと様々な不安がありましたが、瞬く間に月日は流れ、2018年11月のAASLD Liver meetingに出発することとなりました。 実際には私の発表したPoster sessionは、大勢の前でポスター内容のプレゼンをするのではなく、興味をもって来てくれた参加者の方にポスター内容の説明、質疑応答を行うというものでした。あまり上手には研究内容の説明は英語でできなかったかもしれませんが、それも含めて非常に良い経験ができました。いくつかの質問は今後の研究にも役立てられるようなものでした。(また、上村顕也先生が近くにいて下さり、質疑応答でもたくさん助けて頂きました。)ほかの発表者のポスター発表や講義を見るのも勉強になり、普段は論文でしか知ることのできない海外の研究者の方の様子や発表内容を見られたのは非常によい刺激になりました。(ある台湾の大学院生(博士)は5年制で、主論文を2本通さないといけないのだそうです。)
また、上村先生や横尾先生と一緒にサンフランシスコの街歩きもさせて頂き、ケーブルカーに乗り、フィッシャーマンズワーフでシーフードの食事をさせて頂いたのも良い思い出になりました。(サンフランシスコは坂の町で、ケーブルカーはアトラクションのようでした。)私の帰国前日にはホテルのレストランで寺井教授をはじめ、参加された先生方全員で打ち上げ、食事を頂きました。寺井教授が「次はEASLで若い先生に発表してもらおう、最近のヨーロッパは良い先生が育ってきている」ということもおっしゃっており、世界的に活動しておられるお姿に、敬服いたしました。その後、私は学会の途中で帰国しましたが、寺井教授、坂牧先生は学会最終日まで参加され、City HallでのAASLD member meetingでの懇親会へ行かれたり、山口大学の坂井田教授、Yale大学の岩切先生などをはじめ、最終日まで様々な先生と交流なさったそうです。(ホームページの学会写真もご参照ください。)

本研究では寺井教授、上村先生をはじめ、多くの先生にご指導頂き、また先輩や同期、後輩の大学院生の先生にご協力頂いたおかげで進めることができ、今回海外学会発表の機会を得ることができました。何とか形にできるように、今後も引き続き研究や解析などを行って参りたいと思います。どうぞ今後ともご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

会会場にて、寺井教授はじめ参加された先生方と。

ポスター会場にて、筆者

高橋俊作先生はAASLD Presidential Poster of Distinction賞を受賞されました。

写真左のケーブルカーで奥の坂道を登っていきます。

フィッシャーマンズワーフでシーフードを頂きました。

寺井教授と坂牧先生は学会最終日まで参加されました。

同門会の皆様へ