新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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Sun Ship通信

新潟県立中央病院 近況報告

新潟県立中央病院 内視鏡センター長
船越 和博 先生

新潟県立中央病院の歴史と新潟大学消化器内科(旧第3内科)
 新潟県立中央病院は明治8年に頸城郡高田病院として設立された142年余りの歴史を持つ病院です。その間の昭和24年11月に県に移管され県立高田中央病院となり、昭和25年11月には県立中央病院と名称変更されました。平成9年に救命救急センター (ICU) と新生児集中治療室(NICU)を併設する530床(一般 524床、感染症6床)の広域基幹病院として旧市街地の大手町から新南町に移転新設されました。新潟県立病院では最大の病床数の病院で、22の診療科と100名以上の医師数の急性期病院です。平成27年9月には上越地域の内視鏡診療の向上を目指して内視鏡センターがオープンし、また上越地域唯一のPET-CTを導入し現在に至っています。施設指定においては臨床研修指定病院、総合周産期母子医療センター、地域医療支援病院、災害拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、エイズ治療の拠点病院等多岐にわたり、また各種学会の臨床修練指定病院・指導施設でもあり、まさしく上越地域の中心医療機関です。
 新潟大学消化器内科(旧第3内科)と当院との関わりは市田文弘教授時代の昭和60年代末からの医局員の短期出張に始まります。そして平成元年4月の畠山重秋先生(現畠山医院院長)、平成4年6月の植木淳一先生(現植木医院院長)の御赴任へとつながりました。新潟大学消化器内科(旧第3内科)50年の歴史の中で関連病院としてはまだ20数年と比較的後発組です。当初消化器内科医は2-3名で、その後の朝倉均教授、青栁豊教授時代からは医局からの赴任・派遣医師も徐々に増えはじめました。寺井崇二教授御着任後の平成28年4月には内視鏡センター長として船越が着任し、現在は卒業3年目のシニアレジデントを含めて7名の新潟大学消化器内科(旧第3内科)関連スタッフで消化器内科診療を担当しています。内科として消化器疾患全般を担当し、病診連携を通して診療所の先生方や他病院からの治療困難症例を多数当院に御紹介いただいています。また3次救急医療機関として消化管出血、急性胆道感染症への緊急内視鏡処置、重症肝不全や重症膵炎の治療など上越地域の最後の砦としての役割を担っています。消化器内科の病床数は約45床ですが、予定入院の他にも毎日のように緊急入院があり、常に高い病床利用率となっています。

内視鏡センター
 上越地域の内視鏡診療の向上を目的に平成27年9月に新潟県立中央病院内視鏡センターは開設されました。合計596m2の広いスペースに5室の内視鏡検査室、2室の内視鏡透視室、独立した内視鏡洗浄室、記録室、リカバリーエリアなどが機能的に配置され、感染対策や被験者・スタッフの動線にも配慮された構造となっています。胃がん、大腸がんや肺がんの内視鏡での2次精密検査、地域がん診療連携拠点病院として消化器癌の先端内視鏡治療および3次救急医療機関としての緊急内視鏡等を推進しています。患者の皆様から安心して受診してもらえるようアメニティーとプライバシーの確保に配慮した構造となっています。また内視鏡センターオープン後は内視鏡検査・治療件数は対前年度で約15%増加し、今後もしばらくは上下部内視鏡検査、ESD、ERCP、EUSなど検査・治療件数の増加が見込まれます。

学生指導、臨床研修、内科専門医制度専門研修および消化器内科サブスペシャリテイー研修
 新潟大学医学部から約130kmも離れた当院ですが、新潟大学医学部臨床実習協力施設でもあり、毎年数名の新潟大学医学生が臨床実習を行っています。また春休み、夏休みの長期休暇には新潟大学だけでなく、自治医科大学、九州、四国、関東、東北など全国の医学生が病院見学に訪れます。妙高などへの観光目的のついででも構いませんので、幅広く学生の病院見学を受け入れていますので、病院へ随時御連絡ください。また新臨床研修制度発足後の当初は8名の年度定員は埋まらず、4から5名の研修医であったようですが、この2年は8名とフルマッチしています。救急医療を初め、臨床各分野の研修が幅広く行えることが魅力となっています。新潟大学からのたすき掛けの研修医を含めると、18名前後の研修医が常時研修しており、若い力で大変活気にあふれています。将来消化器内科を目指す多くの臨床研修医が当院で初期研修することを期待しています。当院は平成30年度4月から開始される内科専門医制度専門医研修の基幹施設の認定を受け、県立中央病院内科専門医研修プログラムを立ち上げました。また新潟大学オール新潟内科専門医研修プログラムにも参加しており、新潟県の内科専門医育成に幅広い門戸を用意しています。それと同時に消化器病、消化器内視鏡、肝臓といった消化器内科サブスぺシャリテーの研修も同時に可能です。豊富な症例を生かして消化器各分野の専門医が基礎的技術から高度技術まで指導し、積極的な学会発表や論文指導も行います。

新潟県立中央病院および内視鏡センターのホームページはこちら


(学会認定)
日本内科学会認定医制度教育病院
日本内科学会内科専門医制度専門研修基幹施設
日本消化器病学会認定施設
日本消化器内視鏡学会指導施設
日本肝臓学会認定施設
日本消化管学会胃腸科指導施設      

(主な検査、治療件数  2016年度)
 上部消化管内視鏡検査 4,615件
食道・胃粘膜下層剥離術(ESD) 147件
大腸内視鏡検査 2,100件
大腸粘膜切除術(EMR) 542件
大腸粘膜下層剥離術(ESD) 69件
内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP) 272件
超音波内視鏡 (EUS) 120件
超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS-FNA) 65件
カプセル内視鏡 12件
肝細胞癌治療 TACE 36件
ラジオ波焼灼術 10件
経皮経肝胆道ドレナージ術 15件

消化器内科スタッフ:柴田理、熊木大輔、横尾健、有賀諭生、山川雅史、平野正明、船越和博
(平成29年11月現在)

スタッフ
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