新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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留学だより

ハーバード大学留学記(3)

 前回の留学記から約半年が経過しました。この半年は本当にいろいろなことがありました。

 まずは何と言ってもCOVID-19です。2020年3月頃よりアメリカでも急速に感染者が増加し、3月中旬には大学・ラボが完全閉鎖となりました。外出禁止令が出るとともに、ほとんどすべての店舗が休業。街はゴーストタウンのような様相となりました。マサチューセッツ州はニューヨークに近いためか、全米第3位の感染者数・死亡者数となりました。ピーク時には人工呼吸器が足りなくなったとの報道もあり、食料などの買い物に行くことにもかなり恐怖を感じながら生活していました。日本に一時帰国することも考えましたが、空港や飛行機内での感染リスク、日本に到着してからの移動手段の問題点などを考え、アメリカに留まるという決断をしました。Childcareも閉鎖となってしまったため、今現在も妻と交代で子供の面倒を見ており、かつてないほどに家族と過ごしています。これは唯一良かった点でしょうか。全てのplaygroundも閉鎖され遊ぶところもないため、学習ドリルやおもちゃを大量に購入し、なんとか子供をなだめながらやり過ごしています。

 仕事はいわゆる在宅ワークとなりました。Mitragotri教授からは論文執筆などを命じられましたが、子供の世話もあり、実際にワークできるのは午後10時を回ってからです。

 5月末より、ようやくラボ再開に向けて動き始めました。当然ながらいきなり従来通りの研究再開とはなりません。ラボメンバーを3つのチームに分け、それを5日ずつ回すことにより徐々に復旧していくというプランです。従って15日のうち10日はラボに行くことができません。この試運転期間は6月中旬ごろより始まる予定ですが、完全に元通りになるのは秋もしくは冬とも言われており、先の見えない戦いはまだ続きそうです。

 そんな中でもひとつ明るいニュースがありました。(おそらく)昨年度のがんばりが認められ、今年度の給与を大学から払ってもらえることとなりました。応募したグラントが全落ちだったため安心しました。COVID-19によるシャットダウンの中でも給与をいただけており、本当に助かっています。

 今年はラボの引っ越しも控えており、慌ただしい一年になりそうです。なんとか結果を出せるように、歯を食いしばってがんばりたいと思います。

中島 尚 記

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