新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

HOME > 留学だより > シンシナティ留学記

留学だより

シンシナティ留学記(4)

 渡米からまもなく1年を迎えるにあたり、留学記の執筆依頼を頂きましたので、前回の留学記以降の生活について少し記載したい思います。研究内容につきましては、留学記3で記載しましたので、今回は主に生活や行事について書きます。

アメリカでの生活・行事

 シンシナティの冬は、例年とても厳しい寒さですが、降雪量は月間5-10cm程度と新潟に比べるとそれほど多くはありません。しかし、今年の2月の積雪は例年に比べてかなり多かったようで、除雪が必要な日が何日もありました。幸い、アパートの敷地内は起床時までに除雪車が入るため、自分で雪かきをする必要は一度もありませんでした。驚くことに、こちらでは、ほとんどの車が冬でもスタッドレスタイヤを履かず、オールシーズンタイヤで対応しています。そのため、新潟の感覚では少し積もった程度(2cm程度の積雪)でも、ラボは閑散とし、子供のプリスクールは休みになりました。そして、ハイウェイを含むいたる所で車がスリップし、事故や渋滞が多く発生していました。私も雪道には慣れているつもりでしたが、帰宅途中のハイウェイでハンドルをとられ、車体が前後反転するとても怖い思いをしました。幸い、周りの車が徐行運転をしていたため、衝突は回避され大事にはいたりませんでしたが、更なる渋滞をつくってしまいました。翌日、ラボでその話しをしたところ、グアテマラ出身の大学院生から「雪道での運転のコツ」をレクチャーされる羽目になりました。
 冬が終わると、3月の中旬にはsummer timeに入ります。そして、3月の下旬には、シンシナティの日の入り時刻は午後8時を過ぎます。アパート内の公園やテニスコートでは、子供達が夜遅くまで元気に遊ぶ姿を見かけるようになります。


Fig.1
左:イースターのエッグハント 右:シンシナティ市内にある公園の枝垂桜

 アメリカでは、ワクチンの普及に伴い、春先からコロナウィルスによる規制も徐々に緩和されてきました。私たちも一般枠で、4月上旬にワクチン接種を受けることができました。ワクチン接種をするといろいろな特典が受けられます。例えば、接種カードを持参して、クリスピークリームドーナツの店に行くと、ドーナツが毎日1つ無料でもらえるキャンペーンが2021年末まで開催されています。また、接種のペースを上げるために各州で様々なキャンペーンが行われていて、オハイオ州ではワクチン接種者の住民を対象に抽選で5人に100万ドルが当たるくじを実施しています(残念ながら留学生の私達は対象外です)。

 コロナによる規制が緩和され、気候が暖かくなるとともに様々なイベントが開催されました。4月には、イースター(キリスト復活祭)があり、街のエッグハントのイベントを楽しみました(Fig.1左)。また、シンシナティ市内には桜が観られる公園がいくつかあり、枝垂れ桜やソメイヨシノも鑑賞できます(Fig. 1右)。

 また、昨年は全試合無観客で行われたMLBも人数制限の中、観客を入れて開幕しました(Fig.2 左と中央)シンシナティ・レッズに日本人として初めて入団した秋山選手を応援に行ってきました。5月末には、西隣のインディアナ州で行われたインディ500を観戦してきました(Fig. 2右)。インディ500は、インディアナポリスで毎年開催されるアメリカンモータースポーツイベントで、世界三大レースの1つです。2017年と2020年には佐藤琢磨が優勝していますが、今年は残念ながら惜しくも優勝を逃しました。


Fig.2 左と中央:ダウンタウンのオハイオ川ほとりに位置するシンシナティ・レッズのホーム球場 客席数の2割程度までの観客動員のため、空いていて快適に観戦できました。 右:インディ500観戦 客席数の4割までの観客動員と聞いていましたが、周りの席は概ね満席ほぼノーマスクで、既にアフターコロナの日常を取り戻していました。

 また、南隣のケンタッキー州にあるMammoth Cave National Parkへも足を延ばしました(Fig. 3左と中央)。Mammoth Caveは、全長600km近くの世界最長の洞窟群で世界遺産に登録されています。

 春から夏にかけては、Children’s Hospitalで働く方や同じアパートのご家族と食事会や飲み会、バーベキュー、キャンプなどをする機会も増えてきました。シンシナティで勤務、留学されている方達はみな素晴らしい人ばかりで、交流を通してたくさんの刺激をいただいています。また、意外と大学や高校の友人・知人を通して繋がっていることがあり、世間は狭いと感じることも多々あります。


Fig.3 左と中央:Mammoth Cave National Park 右:息子のクラスメートのバースデーパーティー

研究について

 研究に関しましては、前回の留学記3で記載しました内容を少しずつではありますが、地道に一歩一歩進めている段階です。培養実験はなかなか思うようにいかず、日々悩みながら研究することが多いですが、有難いことに周りの大きなサポートは得られています。Labの皆さん、周りで支えてくださっている皆さんに感謝して、少しでもその恩に報いれるように残りの研究生活を頑張りたいと思います。

冨永顕太郎 (2021年6月30日 記)

同門会の皆様へ