新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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留学だより

エジンバラ留学記 2(2012年1月8日~2012年6月12日)

2012年1月8日

その9;~マンチェスター旅行~

11月5日、家族にとって待ちに待ったマンチェスターへの一泊旅行の日がきました。マンチェスターに行きたかった理由のひとつにマンチェスターユナイテッド(マンU)の試合、特にルーニーが見たかったからです。日本のプロ野球なら巨人、サッカーならバルセロナ、レアルマドリード、マンチェスターユナイテッド。子供にも見せておきたかったものの一つでした。旅行の計画の段階でまずはチケットを取ることから始めました。ロンドンの某日系の旅行代理店では一席199ポンド(2万4000円位)でチケットを発売していますが、これはいくらなんでも高すぎます。おまけに1才の赤ん坊の分まで取ると言います。これに交通費、宿泊費が加わるとかなりの額になります。こんなリッチな旅行はできないと自分でチケットを予約する道を選びました。マンUのネットを調べると、さすがビッククラブだけにチケットはメンバーになっていないとを取ることができませんでした。しかも家族全員分を取ろうと思ったら、全員メンバーになって居なければなりませんでした。1才の子供にも席代はやはり取られました。全員がメンバーになり(家族全員で100ポンド)とチケット代で合計200ポンド弱で済みました。日本のアルビレックスの試合等に比べればやや高い感じはしましたが、ビッククラブだけに仕方のない出費かと思いました。旅行代理店に比べれば一人分ですんだので我が家にとっては大きかったです。次に行く日が決まったのでホテルと鉄道の手配を行うこととしました。ホテルは鉄道の駅に近い、3‐4つ星のホテルが朝食込で130ポンドでおさえることができました。こちらは、日本のように一人いくらではなく部屋あたりで料金がかかるので家族で行く場合だいぶお得感があります。鉄道は時間によって値段が異なります。値段は朝のあまり利用のない時間を選ぶとかなり安くなります。さらに家族旅行ではfamily cardというものがあり、これを利用するには年間28ポンドかかりますが、料金がさらにぐっと安くなります。今回マンチェスターまでは電車で3時間の距離でしたが、この距離でも大人二人子供一人分の料金で(赤ん坊は無料)65ポンドでした。普通日本では一人分に相当するぐらいの値段でした。おまけに電車は往復で机のついたfamily box seatをとってもらうことができました。当日電車に乗り込むと、以前電車で座席予約してなくて大変な思いをしたことが思い出され、今回は自分たちの席があるかやや不安を覚えながらも、自分たちの席が見つかった時にはとても感動しました。デスク付きのfamily boxはとても快適でした。上の子は日本語補習校のバザーで買ったポータブルDVDをみて楽しんでいました。私たち夫婦もこの時のためにとっておいた日本のお菓子を食べながら楽しく車窓の景色を楽しむことができました。しかし1歳児を連れての旅行はやはり大変です。電車で興奮したのか動き回りたくて仕方がなくマンチェスターに付くときには夫婦はだいぶ疲れていました。

マンチェスターに着くとまずホテルに行き荷物をあずけました。その後昼食を食べに行ったのですが、その前にしたことがATMでお金を下ろすことです。スコットランドではイングランド紙幣とは別にスコットランドでいくつかの紙幣が発行されています。イングランド紙幣のエリザベス女王のものとは別にいくつかの紙幣があるのです。スコットランド紙幣は、イングランドに行くと同じ国なので本来は問題なく使えるのですが『なんだこれ?』と言う感じで見られることが多く、一部は拒否されることもあると聞きます。実際以前ダラムに行った際、スコットランド紙幣を使ったとき『しょうがないからOKにしてあげる。』的な顔をされたことが有りました。同じ国のはずなのに、日本ではなかなか考えにくいことです。そんなわけで、確実に受け入れてもらえるお金をまず下ろしました。昼食を食べたあと、防寒対策を万全にし、サッカーの聖地オールドトラフォードにトラム(路面電車)を利用して向かいました。トラムの最寄駅を降りると、球場までは10分ほど歩きます。露店や馬に乗った警官、アルコールを扱っている店ではもう一杯始めている人たちも多くいて、だいぶアルビを見に行く時の雰囲気とは違います。7万人強収容のスタジアムはやはり迫力が違います。寒いせいか観客の出足は悪かったものの、どこに潜んでいたのかというくらい開始直前にはいっぱいに埋まってしまいます。選手の紹介も結構あっさりしていて、へたすると、誰が出ているのかも確認しにくい状態でした。お目当てのルーニーも出ていて、すっかり植毛で別人のようになっていました。ちょうど行った日はファーガソン監督の25周年記念の日でした。セレモニーが盛大に行われました。試合開始前の歌は、『丸い緑の山手線、真ん中通るは中央線。。。。』の歌と同じ歌で、子供のお気に入りになりました。ルーニーがボールを持ったときには『ウーニー』という感じでみんなが声をそろえて出したり、チャンスになると『ウーナイテッド』とみんなであわせて叫んだり、アルビの試合も面白いですが違った面白さが有りました。試合は1対0で勝ちましたが、点は誰がいれたのかよくわからない状態でした。家に帰ってパソコンで確認したところ、まさかのオウンゴールでした。

試合が終わったあと、メガストア(official shop)によって、子供の帽子などを買ったあとトラムに乗って街の中心部へと食事をとりに行きました。トラムに乗るのに30分以上並びました。食事の予約をしていたのは、『YUZU』という日本食屋でした。ホームページでチェックし、こちらにありがちな日本食とはとても言えない日本食屋ではなく、真の日本食屋に近いと感じたのでここを予約しました。予定通りの6時45分ごろ、訪問しました。外観は洋風の建物ですが、内部は日本に戻ったかのような雰囲気でした。ウエイトレスも日本人で、板前さんも日本人で、メニューも日本のものそのものでした。私はとんかつ、妻はサーモン丼、長男は鉄火丼、それに筑前煮、揚げ出し豆腐、天ぷら、焼き鳥、枝豆、などをたのみました。ビールも恵比寿ビールのほか秋田、山形の日本酒を飲みました。佐渡の北雪酒造の酒も有りましたが、高くて違うのにしました。味もこちらで食べる日本食っぽい日本食とは違いとても美味しかったです。久しぶりに外食で納得行く食事ができました。次の日、マンチェスター博物館に行きました。ここはテラノサウルスの骨がほぼ完全な形で存在していることで有名な博物館だそうです。そのほかにもミイラが多数あったり、いろいろな動物のはく製が置いてあったりと、子供たちにとっては楽しめるものでした。家族で念願のプレミアリーグを予算内で見ることができ、いい思い出を作ることができました。

旅行から帰ってしばらくしたある日、長男が学校から、『Pupil of the week』の表彰を受けました。週間MVPみたいなものです。先生からはコメントで、良く溶け込もうとし本当によくやっていると有りました。一時期言葉が通じなくて順番争いなどで言葉が出せないとつい手が出てしまうことがあったと先生から伝えられて心配していただけに、息子の賞状は本人はもちろんの事、親にとっても非常に嬉しい出来事でした。11月が終わりに近づくと一大イベント、クリスマスへと向かって行きます。

マンチェスター ホテルからトラムが見えますマンチェスター ホテルからトラムが見えます。 Old TraffordOld Trafford
ゆず。ゆず。 T-REXと。 T-REXと。
Pupil of the weekに選ばれた!Pupil of the weekに選ばれた!

2012年1月25日

その10;~インフルエンザ予防接種、クリスマスまで~

11月終わりからエジンバラにはクリスマスの雰囲気が強く感じられるようになりました。駅前にはミニ遊園地といった感じの観覧車、メリーゴーランド、フリーフォールなどのこども向けのアトラクションが設置され、一角には大きくないものの屋外スケートリンクも出来ます。その周りには日本でいう屋台が多く軒を並べます。ホットドック、ハンバーガー屋、Fish&Chips屋、クレープ屋、チョコレートなどのお菓子屋、ドーナツ屋、ケーキ屋、ワインなどを扱うアルコールのお店、土産物屋など様々な店が並び見ているだけで楽しくなる感じがします。我が家も期間中3回、この駅前まで遊びに行きました。大人にとっては遊園地やスケートリンクはやや小さく物足りませんが、長男にとってはとても楽しかったようです。私もいくつかのアトラクションに乗りましたが正直感想は「寒い」の一言です。「子供はかぜの子」でこんな寒いさなかでも元気でした。

日本では暮れになると忘年会が定番ですが、こちらではどうするのか?といつも思っていました。研究室では毎年クリスマスランチをしているとのことでした。そして、今回もそのクリスマスランチが行われ参加させてもらいました。真昼間から、ランチしてアルコールを飲みに街に繰り出す、これは日本には全くない感覚です。こんなことを日本でしていたら、税金から給料が出ているところは税金泥棒と叩かれそうです。飲み会は夜という感覚が染み付いている私にとっては異次元な体験でした。ランチはとてもおいしい料理でした。スターター、メイン、デザートそれぞれいくつかのメニューがあり、ひとつずつ選べます。メインはターキーを食べている人がほとんどでしたが私が普通にチキンを食べていると「ターキー食べないのか?」といわれ、「ターキーはあまり食べたことがない」と答えると、「あげるから食べてみな」とターキーをもらえ、ターキーも味わうことができました。昼間から飲むワインは非常にききました。こちらに来てからビール以上のアルコール度数の飲料を飲むことはほとんどなかったので、非常に早く酔いが回りました。二次会、三次会と永遠と日付が変わるまで一部の人は行ったと聞きましたが、私は大方の帰るグループと一緒に体も限界だったので帰りました。料理も食べてワインもだいぶ飲んで30ポンド(3600円位)ととても安い感じがしました。日本もランチしながら忘年会できればかなり安くなるんでしょうが、医者として働いている環境下では残念ながらこの企画は無理のようだと感じました。

こちらのクリスマスは日本でいうクリスマスの他に暮れと正月も合わせた感じでした。研究室は23日金曜日までで正月あけ4日から再開でしたが、日本の感覚だと23日までくるのが当たり前という感じですが、こちらの人は20日位から自主的に休みをスタートさせていました。そのため23日には研究室にはすっかり閑古鳥が鳴いていました。24日からは実験室は、休み期間中も働くための許可証を出して置かないと入れないことになっていました。細胞培養のため何回か行きたかったので、紙を提出して数回休み期間中も通いましたが、気持ちいいまでにみんな休んでいました。正月明け4日から留学期間も短いので早速スタートダッシュをかけようと乗り込みましたが、まだ来ていない人も結構いて、週明けスタートという人も結構いました。つくづく日本人は生真面目で勤勉な人種だなと改めて感じるクリスマス期間でした。我が家のクリスマスは質素に家庭で妻の料理、ケーキを家族みんなでゆっくり食べ楽しみました。クリスマスは料理店も便乗値上げか高い気がしますし、小さい子がいると落ち着いて食べにくいというのもあるので家庭が一番くつろげよかったかなと思っています。子供たちのプレゼントは長男はエアホッケー、次男はボールを転がすと音がでるおもちゃでした。サンタからのプレゼントは長男は本二冊(なんでもベスト10がのっている本とウォーリーを探せならぬミーアキャットを探せ)次男には音楽付きの絵本でした。なかなかの出費ですが、子供たちを遠くこの地まで連れてきてしまった罪滅しです。クリスマス前の食料品の買い物はちょうど日本での暮れの買い物に似ています。みんな一斉に買い物をするため非常に混雑します。近くのショッピングセンターも車がなかなか入れない程に混雑しました。しかしクリスマスの当日は、嘘のように街は静かになります。お店もほとんど休みでバスもあんまり走りません。家から街を見渡すと、個人で電球で装飾した家を多く見ることができました。クリスマスが終わると、我が家はグラスゴーに旅行を計画していました。次回はこれを書きたいと思います。

ここでインフルエンザ予防接種のことに付いて触れたいと思います。日本ではインフルエンザの予防接種は比較的受ける人が多いかと思います。しかしこちらでは受ける人が圧倒的に少ないようです。受けることは意味があるのか?というところは正直ありますが、私は個人的には、少しでも防げたり、症状が軽くなったりする可能性があるのであれば受けておこう、子供には受けさせたいと思っています。それは、いままで救急外来でインフルエンザ脳症でなくなった子供を二人も偶然にも見てしまったからです。それはともかく、こちらで受けるのはどうすればいいのか?という疑問が発生しました。そう思っていたところ長男にGP(開業医)からあなたの子供はfreeでワクチンが受けられますとの手紙がきました。子供は、学校でインフルエンザにかかり蔓延すると、家庭にも広がり大変なことになるのでこれを防ぐために学校に通っている子供にはうつのか!さすがイギリスと思っていました。しかしGPに行って見ると、インフルエンザの予防接種が受けられるのは喘息、心臓病などの持病がある人や65歳以上の人などで、「なんで持病のないあなたの子に手紙が行ったのかわからない」と言われました。「わからないのはこっちだ。こっちは手紙でこうかいてあるから来んだ」と文句を言ってやりました。注射のために早く帰って来たというのに!文句ばかり言っても仕方がないので「では、どこでうられるのか」と聞いたところ「ブーツだ」と言われました。ブーツってなんだ?と聞きましたが近くのあそこのショッピングセンターに行けばわかるとなんとも頼りのない返事でした。せっかく早く帰って来たのでそれではそのブーツで受けさせようとショッピングセンターへ行ってみると「ブーツ」は薬局でした。しかし、残念ながらそこの薬局では扱っていなくて、別の系列店に行けば打てることを教えてもらえました。後日その薬局で夫婦は打てましたが、16才以下はできないと断られました。薬局で予防接種が受けられる!日本にはない画期的なことでした。後日GPに行き、子供はGPで打ってもらえるのかと聞きましたがその時の返事は、「13ポンドかかりますが処方箋を書いてそれを薬局に持っていき、薬を持ってきてもしくは郵送して貰えれば打つことが出来ます。処方箋を書くのに二日かかりますので二日後にとりに来てください」との返事でした。二日後にとりに行こうとするとGPから電話が掛かってきて、インフルエンザの注射は当院では打てない、private GP(無料ではないがお金を出すときちっと見てくれる病院)に行ってくれとのことでした。一体、どこまで人を振り回すんだと怒り浸透でしたがというより対応のひどさに呆れてしまいました。怒っても仕方がないので、ホームページでprivate GPを探し電話をかけ、やっとのことで子供たちが受けられる場所を見つけました。さすがprivate GPだけあって受付はホテルのように綺麗で、受付も若く、対応も非常に優しいものでした。夜の7時からの予約でしたが7時前に優しそうな女の先生が直接待合室まで呼びに来てくれ、子供目線で子供たちに「Pleased to meet you」 と丁寧に微笑んで挨拶をしてくれました。診察室もとても綺麗で説明も非常に丁寧で、日本人にもわかりやすい英語で話してくれました。近所のGPでは医者に会うこともできず、いつも笑顔の全くない看護婦、受付のそっけない対応、なんという違いなんだと夫婦でびっくりしてしまいました。医療の対応も金次第?そんな現実がある国の様子をまざまざと見せつけられた気がしました。莫大な医療費で問題を抱える日本の医療が本当にいいのか難しいところですが、日本の医療の方が平和な気がしました。一個人の医者としてこんな患者の経験ができたことはいい経験だったのではないかと思います。

エジンバラ駅のミニ遊園地エジンバラ駅のミニ遊園地 子供はいろいろ楽しみました子供はいろいろ楽しみました
ジャンプ!ジャンプ! 屋台も沢山出ていました屋台も沢山出ていました
アイススケート、ライトアップが綺麗でしたアイススケート、ライトアップが綺麗でした

2012年2月24日

その11;~グラスゴー旅行、年末年始、ドリーとの対面~

クリスマスが終わり日本ではお正月ムードに一気に変わってしまうところ、こちらではまだまだクリスマスツリーが飾ってあるところが多く、日本との違いを感じました。日本から来ているほかの方たちは、ロンドンで正月等々羨ましい話が多い中、我が家では近場で安くのんびり過ごせないかということで今年はグラスゴーに二泊することにしました。グラスゴーはエジンバラから電車で一時間ほどのスコットランド最大の都市で、かつて現横浜マリノス中村俊輔が所属していたセルティックがあるところです。また、医学ではグラスゴーコーマスケールのできた街です。グラスゴーヒルトンホテルが家族四人の広いfamily roomが二泊で朝食込、合計2万円強という掘り出し物を見つけることが出来たためにここに行きました。クリスマス後に値段がぐっと下がったところに泊まりに行ったわけです。お目当ては、ホテル内にあるプールでした。「同僚にクリスマス休暇どこか行くのか?」と聞かれて、「グラスゴー」と答えると「あそこは何もないよ。」と言われましたが、なにもなくてもいい、ただのんびりゆっくりできてイギリスの年末を味わえればいいと思いました。

12月27日午前中培養の維持のために実験室に行きその後、午後のんびり家を出て、エジンバラから電車で一時間ばかりでグラスゴーにつきました。グラスゴー駅から10分ほど歩き、目的地のグラスゴーヒルトンホテルにつきました。さすがヒルトンホテルだけあってとても綺麗で、騒がしい子供を連れてくるのが申し訳ないくらいのホテルでした。子供は早速地下にあるプールへ行きたくてしょうがなく、ホテルにつく早々プールへと向かいました。なにせ我が家は高級ホテルのプールを利用するのは初めてだったので、お金を取られるのか多少心配しながらプールへ行きましたが、無料で、バスタオルも無料で貸し出してくれました。久しぶりに子供とプールに入りました。15メートルと小さいプールでしたが利用者もほとんどいなくてほとんど貸切状態で快適でした。このプールにその後二泊三日の滞在中4回行くこととなりました。日本で子供はプール教室に通っていてバタフライまで泳げるようになっていたため、多少は上手だろうと思っていましたが、二人でクロールや平泳ぎを競争しましたが、負け越しでした。さらに子供なので水遊びかとおもいきや、ただひたすらもくもくと泳ぎ一回あたり500メートル近く、多いときは700メートル以上連続して泳ぎ、いつのまにこんなに成長したんだ、子供はやっぱり体力あるなとびっくりさせられました。プールだけでほぼ目的は達成させられたのですが、せっかくなので二回あった夕食は美味しいものをと思っていました。一回目の夕食はホテルバイキングを食べました。バイキングのレストランは完全にクリスマスムードが抜けておらず、食卓にはクリスマスグッズが置いてあり、クラッカーを鳴らしたり、またクリスマスプレゼントの余り(?)のチョコレートをもらったりして子供は喜んでいました。バイキング食べ放題で初めてスコットランド名物のハギス(茹でた羊の内臓(心臓、肝臓、肺)のミンチ、オート麦、たまねぎ、ハーブを刻み、牛脂とともに羊の胃袋に詰めて茹るか蒸したプディング(詰め物料理)の一種)もいただきましたが、もう二度と食べることはないかもしれません。二日目はムール貝が美味しいと評判の店を予約していきました。バケツのような容器に入ったムール貝が美味しく味付けしてありました。年末の我が家のした贅沢でした。二日目の昼、街の中心街にショッピング(厳密には何も買わなかったのでただ見ただけ)に行きました。ブキャナンストリートという歩行者天国になっているショッピング通りを探索していくつかのショップを見て回りました。そこには、イギリス各地にチェーン店としてある回転寿司屋がありました。昼食にモノはためしと入ってみました。店員はもちろん現地の人です。店も明るく意外にも?店は混雑し席に着くまで10分程かかりました。日本と同じように寿司が回りますが、そればかりでなく、天ぷら、チキンカツカレー等、これ回転ずし屋?と言うようなメニューものっていました。肝心の寿司はと言うとマグロとサーモンくらいしか生のモノは無く、値段も日本なら100円皿並みという代物が300円程度とハッキリ言って高いと言う感想でした。日本では大抵お茶が無料で入れられますが、ここでは水(still water) や炭酸水 (sparkling water) が日本のお湯のように入れられ、無料でした。何でこんなに高いのに混んでいるんだろう?という感じでした。早めにぱっと食べられるところが受けているのでしょうか。プールとちょっとした外食で終わってしまったグラスゴー旅行ですが、妻を家事から解放させるという意味合いでは非常に有意義であったと思います。大みそか、いつもの日本でのテレビの特番や紅白歌合戦がないと大晦日という感じがしません。JSTVというテレビ会社と契約すれば日本のテレビが見られるそうですが、契約していませんし、現地のテレビもこちらにはまだありません。(最近子供も英語に慣れてきたのでテレビを入手しようかと思っています。)やはり大晦日はテレビが不可欠なようです。子供がどうしても嵐の歌だけ聞きたいというので、パソコンのスカイプで会津の妻の実家にかけ、少しだけreal timeで紅白を味わえました。日本の年末年始が恋しくなった瞬間でした。子供たちが寝付き深夜0時、新しい年を迎えた瞬間エジンバラでは、エジンバラ城と駅近くの公園の二箇所から一斉に花火が上がり圧巻でした。夫婦で窓越しに見とれてしまいました。エジンバラの大晦日はホグマニーと言われ大晦日を大々的に祝うことで有名で、松明をもって歩いたり、コンサートがあったりと賑わいます。駅周辺にはチケットがないと入れない時間帯があるほどです。花火もその一環として打ち上げられました。花火は10分ほどで終わったでしょうか。しかし、今度は散発的にいろいろなところからしばらく小さな打ち上げ花火が断続的に上がります。おそらく、若者の叫び声も聞こえたので個人的に若い人が上げているんだと思います。静けさをとりもどしたのは新年開けて30分以上たったあとだったでしょうか。

新年開けて1月1日、エジンバラに来てはじめてのお正月を迎えました。 我が家から見る初日の出、新潟では初日の出はほとんど見ることがなかったのでことさら美しく感じました。新年三が日が開けて最初の週末、エジンバラ博物館(無料;イギリスは博物館や美術館は無料のものが多い。)に行きました。子供たちを遊ばせるためですが、私の目的は剥製となった『ドリー』をみるためでした。ドリーは世界で初めて生まれたクローン羊です。一時、ニュースで騒がせたドリーとこんなところで対面するとはあの当時考えもしませんでした。

イギリスのデパートの案内図。0(ground floor)が日本の一階イギリスのデパートの案内図。0(ground floor)が日本の一階 ドリーとの対面ドリーとの対面
イギリスの回転寿司屋イギリスの回転寿司屋 回転寿司屋のメニューにある写真。日本は舐められてる?回転寿司屋のメニューにある写真。日本は舐められてる?
黙々と一人泳ぐ息子黙々と一人泳ぐ息子

2012年3月19日

その12;~エジンバラの冬、ロタウイルス?襲来、大震災から一年~

新しい年を迎え、エジンバラでの本格的な冬を迎えるはずでした。昨年、一昨年と雪がエジンバラにしては多く降ったという話を聞いていたので、一体どんな冬なのだろうと思っていました。新潟(新潟市)の冬といえば毎日暗いどんよりした雲が立ちこめ、時々強風が吹き、数回は雪かきしなければいけない雪に見舞われます。エジンバラは暖流のおかげで緯度のわりには暖かい土地とはいえ、緯度そのものは北海道より北なので相当の覚悟をしていました。新潟から長靴を持ってきましたし、ズボンの下に履くユニクロのヒートテックも用意してきました。ところがどうでしょう。今年は年が開けてから全く雪がなく、雪はおろか、連日気温は5度以上、10度以上まで上がるときもしばしば有りました。冬は日照時間が非常に短く朝8時過ぎに日が昇り、午後3時過ぎには暗くなりはじめます。それを除けば、新潟からきた私にとっては「非常に暮らしやすい冬だ」というのが第一印象でした。時々新潟に似た強風や、そしてしばしばどんよりした曇り空はありますが晴れる日も週に2-3回程度しっかりありました。車のタイヤもほとんどこちらの人はスタッドレスタイヤに変える人はいません(タクシーなどの一部の車は変えていましたし、変えることは可能なようです。)が私も変えることなく問題なく今年の冬は乗り切れそうです。そして、今年は本当に家の中でも寒いと感じたことはありませんでした。それはセントラルヒーティングがあったからで、噂には聞いていましたがやはり暖かかったです。「冬も半袖で過ごせる」と聞きますが、うちは設定温度を21度にしていたため半袖では肌寒く感じますが、長袖を着れば非常に快適に過ごせる温度でした。夜もスイッチを切らずに居ても時々温度が下がると付く程度で、電気ガス料金もトータルで新潟の時の半分位ですみ、物価高のイギリスですが、光熱費では助かったと感じました。新潟では祖母からいただいた羽生布団で暖かく寝ることができましたが、こちらにはそれを持参したものの全く使うことなく持ち帰ることになるかもしれません。暖房のおかげで毛布と薄い布団だけで十分でした。それもしばしばかけていないで寝ていることが有りました。

二月に入り、我が家は恐怖の体験をしました。ある日夜中寝ていると1才半の次男が起きて私の布団のなかに入ってきました。可愛いなと思って抱き寄せ寝ていると突然嘔吐の音と共に私のパジャマの上に生暖かい物が乗っかってきました。明かりを付けると私のパジャマの胸のあたりは嘔吐物でいっぱいでした。次男を見ると血の気の引いた真っ青な顔をしていました。嘔吐物の処理をしたあと次男を見ると依然顔色が悪く、その後も数回少量ずつ吐いていました。感染性腸炎特にウイルス性腸炎が一番説明つきやすいんだろうけどまだ下痢もしていないし他の疾患だったらどうしよう?と考えました。少なくともお腹を押しても痛がる素振りもない、熱もない、少量ずつ水分を取らせようとすると何とか水分は接種できることから、現時点で病院に行ってもきっと返されるだろうという判断で家で見ていました。その後、その夜は水分を少しずつとらせては様子を見ましたが、心配で余り寝れない夜を過ごしました。次の日から案の定下痢が始まりました。下痢は「米のとぎ汁様」と習いましたが確かにそんなような便でいつもよりは白っぽいと思いました。ここで感染性ウイルスはほぼ間違えなさそうで、特にロタウイルス?なのではと思いました。次の日から4-5日は下痢が頻回でオムツ替えが大変でした。また脱水もだいぶあったのか朝起きた時のおむつの尿の量もいつもよりはるかに少なくなりました。おむつで尿の出を見ながら水分をしっかり与えることで3日目位からは明らかによくなってくるのが分かりホットした束の間、今度は夜長男がベットで嘔吐をしました。体も大きくなって来ているので嘔吐の量も多く、シーツは捨てざるを得ない状況でした。嘔吐のついたパジャマを洗ったり、最近こんなことを何回しているんだという感じでした。長男は幸い軽くすみ、私たち夫婦は全く問題なく済みましたが、かなり大変な週でした。やっぱり、感染性腸炎は怖いです。改めて実感した日々でした。

3月になると気温は10度を超える日がほとんどで、あちこちに春を感じさせる緑が増えてきます。日照時間も一気に伸び夜6時すぎまで明るくなります。また、桜の種類はわかりませんが中旬には桜が咲き始めるところがあります。我が家は2月位から日本語補習校の数家族の方と一緒に、日本人が多く住んでいる近くにあるメドーパークというところに毎週日曜日午後遊びに行っています。子供たちがサッカーをやるのが目的ですが、親もサッカーに加わります。久しぶりの運動、サッカーで、足元はもたつきますが私も楽しくやれています。こちらに来て、サッカーの楽しさも分かってきたような気がします。プレミアリーグも大好きなチームを作ること、ボルトンの宮市選手の活躍によってだいぶわかってきましたし、こどもはサッカーカードを沢山集めて楽しんでいます。

こちらへきて3月が終わると8ヶ月になります。子供の英語は学校でOxford reading treeのステージ3-4程度からのスタートでしたが、最近では非常に難しくなり、ステージ11になりました。現地の子の下の方のレベルに本は追いついてきたようです。毎日付いて勉強していますがステージ11となると私も知らない単語や日本人には理解しがたい文章も沢山出てきて、教えるためには予習が必要という状態になってきました。子供もだいぶ英語を理解するようになってきました。そして、簡単な文章ですが英語で出てくるようになってきました。6ヶ月で少しずつ英語が出てくるようだといいペースだそうですが、なんとかうちの子はそのレールには乗っているようです。細かいことは気にしない、外国の人相手でもおくさず遊びに入って行ってしまう。そんな性格も大きいような気がします。学校も楽しいようです。それもそのはず、パソコンでゲームやったり、クラスが表彰されると一週間Wiiが出来たりもするそうです。日本の学校に比べると明らかにゲーム、遊びが多いようです。学校の先生にそろそろ子供も電子辞書が使えるようになってきたので、学校に電子辞書をもっていってもいいか聞いたところ、「問題なし。とてもいいと思いますよ」とのことです。日本の学校では貴重品云々、普通の本の辞書はいいけど電子辞書はダメ等言われそうですが、こういうところは非常にいいかなと思います。

3月11日こちらでも有志が立案していくつか追悼行事が行われました。私も補習校の先生が主催の会に参加させていただきました、灯籠、バグパイプの演奏が有りました。次の日バスにのって新聞を見ると大きく震災の記事が出ていました。エジンバラでも多くの日本人、現地の方が祈り続けて、復興を願い続けています。個人的には福島県に二年いましたし妻の実家のある県でもありますので特に福島県の復興を祈っています。

寒い日は霜がすごいです。自宅から。 エジンバラの夕焼け;自宅から
新聞に大震災から一年の記事が有りました。 英語学習
最近毎週日曜日に遊びに行く公園

2012年4月14日

その13;~初ロンドン~

3月21日、兄家族が旅行がてらロンドンまで来てくれました。それに併せて私たち家族も3月22日木曜日に長男の学校が終わるとロンドンに向け出発しました。金曜日は午前中だけ長男の学校が有りましたが、金曜日出発ではロンドンがほとんど見られない、兄夫婦がくることは特別なイベントだからということで金曜日は私の研究、長男の学校を休みにすることにしました。本来なら飛行機でひとっ飛びで行きたいところですが、こちらの格安航空よりさらに格安な鉄道で行くこととしました。エジンバラ―ロンドン間を4時間半で結んでくれます。ロンドンにはいくつか駅がありますが、エジンバラからの電車は、かのハリーポッターの最初の映画で初めて魔法学校に行った際にも撮影で使われたキングスクロス駅に付きます。

私たちが出たのは夕方3時半過ぎでした。そして夕方4時半エジンバラ出発、夜9時ロンドン到着というものでした。キングスクロス駅を降りるとタクシーでピカデリーサーカス付近のホテルまでと考えていましたが、地下鉄の駅が近くにあったため、地下鉄で最寄りの駅まで行くこととしました。地下鉄のチケットは普通に買うと最も安くて4ポンドだけれどもオイスターカード(JR東日本のスイカみたいなもの)を買うと格安になると聞いていたのでオイスターカードを買いました。カード料金で5ポンド取られましたが、カードを返せば帰ってくるとのことでした。そして20ポンド今回の旅行用にチャージしました。小学生以下の子供が無料でした。しかしさて子供と一緒に自動改札を入るのはどうしたらいいのだろう?と思いました。試しに長男と一緒に改札をはいろうとしたところ、長男は入れたものの私は案の定、改札のバリアに阻まれました。切符売り場に聞きに行ったところ、あそこにいる人に聞いてくれと改札の近くに立っている黒人の人を指しました。あの人は駅員さん?という制服とかとはかけ離れた格好をしていましたが、改札で通行人の世話をしているようでした。その人に「子供は入れたんだけど、自分は入れなかったんだけどどうすればいい?」と聞いたところ、こういう奴が時々いるんだよなという顔をされ「改札の一番端にある車椅子、ベビーカー等の通れる広いところからこれから入ってくれよ」と言われました。初地下鉄(地下鉄はロンドンではtubeという)は、少し恥ずかしい思いをしました。毎回トラブルのない旅行はないなと思いつつロンドン旅行が始まるのでした。

次の日朝、ピカデリーサーカスの近くロンドン三越(ロンドンには三越があります。)前に8時半にロンドン市内半日観光のバスツアーに乗るため行きました。そこで、兄家族と会う予定としていました。初めて見るロンドン、「エジンバラとは全然違い都会だな。」というのが最初の印象でした。新潟から東京に出てきた。それくらいの違いがあるように思いました。予定の時間、ロンドン三越前で兄とその家族と対面しました。イギリスに渡って8ヶ月やはり家族に会えることは、ほっとして非常に嬉しいものです。一緒にバスに乗り込み、ロンドンの名所を日本語のガイドで聞いて回りました。テムズ川、セントポール大聖堂、タワーブリッジ、ロンドン塔、グリニッジ天文台、ウエストミンスター寺院、ビックベン、バッキンガム宮殿と半日で色々なところが見れてよかったです。かの有名なバッキンガム宮殿の衛兵の交代式も見ることができました。行った時期がギリギリ冬期間に当たり洋服がガイドによく出てくる赤ではなく灰色でした。何となくそのさま、音楽の音色は、京都の時代祭りに出てくる明治維新の際の官軍の演奏行列のようでした。日本がまねしたのでしょうけれども。バスツアーが終わるとみんなでパブに行き昼食をとり、再び三越前に戻ってきました。三越には日本の店員さんもいて、バスツアーが終わった客にセールスしていました。三越の横にはジャパンセンター(通称ジャパセン)という日本の物を扱う店があります。大きくはありませんが日本のスーパーがそのままこちらに来たような感じです。品数も豊富、エジンバラにはないクリームパン、あんぱん、そして薄切りの肉、数々の調味料、4種類と豊富な納豆(エジンバラでは一種類)、惣菜も豊富でした。本も雑誌も豊富でした。ロンドンにいたら全く困らないなというのが率直な印象でした。ここから通信販売で購入することも出来ますが、すべてが買える訳ではないようですし、これだけの物が揃って常に買える状況にあると安心感があるだろうなと思いました。やはりロンドンは都会だと新ためて思いました。

午後は兄家族と一時別れ、妻は日本人がカットしてくれる美容院に行きました。日本同様に時間をかけてじっくりやってもらえたようです。3時間半以上かかって値段もかなり高かったようですが、6ヶ月ぶりの美容院でしたし、満足行ったようでよかったです。その間、私は二人の子供を連れてユニクロ見たり、大きなおもちゃ屋行ったりしていました。夜は、再び兄家族と合流しインド料理屋に行きました。こちらでは本格カレーも結構有名のようです。メニューには写真がなく内容がわかりにくい、辛さの程度がわからない等問題がありましたが、店員に聞いてとても美味しい物を食べることができました。翌日、午前中皇室も訪れる紅茶屋Fortnum & Masonに行き午後、兄家族とエミレーツスタジアムにアーセナル対アストンビラのフットボールの試合を見にいきました。アーセナルが3対0で勝ちました。いままでサッカーを見に行った試合の中で一番きれいにシュートが決まった試合に思いました。プレミアリーグ2試合目、だんだんフットボールを見に行くのが楽しくなってきました。エジンバラにもスコットランドプレミアリーグに所属するチームがあるので来シーズンは見に行ってみたいと思っています。この日夕食を皆で一緒に食べたあと兄夫婦と別れました。長男は兄夫婦の子供たちとも大分打ち解けて遊んでいたので「明日は何時に会えるの」と残念がっていました。

翌日大英博物館にいって帰りました。大英博物館に旅行バックをもって行ったところ、大きすぎるのでだめと言われ、近くのホテルに5ポンドであずかって貰いようやく入れました。数々の有名な品があるんでしょうが、多すぎてガイドブックにのっているものを見て回るのが精一杯でした。今度のオリンピックのメダルも飾ってありました。それが一番印象的でした。帰りもまた電車でした。次男が寝てくれたことでみんなゆっくりすることが出来、余り4時間半が長いとは思いませんでした。都会を感じた3泊4日のロンドン旅行でした。今年はロンドンオリンピックです。サッカー日本代表も無事これることになりましたのでぜひ見に行ってみたいと思う今日このごろです。

Tube (地下鉄)にも何回も乗りました。 衛兵の交代式;冬服でした。なぜか犬もいます。
キングスクロス駅;ハリーポッターの映画で壁に入るところの再現 ロンドンにもユニクロがあります。中は日本よりおしゃれな感じがしました。
自分のネーム入りユニホームを購入して喜ぶ長男

2012年5月9日

その14;~イースター休暇、ニューキャッスルへの旅~

4月に入りエジンバラに来てから8ヵ月が立ちました。留学の3分の1の期間が終わったことになります。早いものです。実際、立ち上げ、移転、クリスマスなどで実験をまともにやれたのは6ヶ月弱程なので、それを思うと実験自体はいいペースなのではと思えました。二回目の留学なので何をどのペースでやっていけば良いかということが自分なりにペース配分できるようになってきている気がします。実験室の環境にも慣れてきましたし、新たな武器もいくつか身につけることができ効率も格段に上がりました。自分の実験に必要な細胞も含め3種類の細胞を作成することが出来、これからの8ヶ月が非常に忙しくなることが予想されます。留学生活においては勝負の時という感じがします。

4月1日から16日まで子供はイースター休暇で学校がおやすみでした。いつも子供を送りに8時50分前に出ますがその期間は早く出ることが出来るので実験が効率よく進み非常に有意義な期間でした。この期間家族で一回どこか行こうと決めていました。ちょうど4月9日アーセナルからボルトンにレンタル中の宮市選手がニューキャッスルで試合をするとうので見に行くこととしました。ニューキャッスルは電車でエジンバラから1時間30分ほどでイングランドのプレミアリーグを見るには最も近いチームになります。更に現在4-5位に付けるなかなかの強豪で楽しみも膨らみました。マンチェッスターユナイテッドやアーセナルの時とは違いチケットはネットで容易に買うことができました。 出かけたのは試合の前日8日でした。一泊ホテルに泊まってのんびりしようと思ったのです。8日はちょうどイースター当日でした。聞いてはいたもののクリスマスのとき同様まったくお店がやっていない状態でした。ニューキャッスル駅に着くと人がやはり少なく、閑散としていました。手短に観光をしようということで、駅の近くにあるハドリアヌスの城壁(ウィキペディアより;ハドリアヌスの長城はイングランド北部、スコットランドとの境界線近くにある。ローマ帝国は1世紀半ばにブリタニアまで領土を拡大させたが、ケルト人の侵入に悩まされていた。そこで皇帝ハドリアヌスが長城の建設を命じ、122年に工事が開始される。完成には10年の歳月がかかった。作業者は、ローマ帝国の支配地から動員された。領土拡張を続けていたローマ帝国が、拡張政策を続けることを断念した政策転換点としても象徴的な建造物の一つである。完成当時は、ニューカッスル・アポン・タインからカーライルまでの118kmにも及んだ。壁の高さは4から5m、厚さ約3m。後の方で建設された部分は約2.5mに狭くなっている。完成当初は土塁で、その後に石垣で補強されたと考えられている。約1.5kmの間隔で監視所も設置されていた。また、6km間隔で要塞も建築され、要塞には500人から1000人のローマ兵が配備されたと推定されている。世界遺産(文化遺産))が市内で残存しているところを見に行きました。駅から歩いて5分ほど中華街の裏にそれは有りました。写真で見るよりも大きく感じられ、思ったよりも迫力が有りました。そこをとおりながら行くと中華街に入ります。長さ200メートル程でしょうか?しかし立派な中華街がありました。中国人が多く入っている店、観光客っぽい人が入っている店、誰も入っていない店色々有りましたが、私たちは中国人がいっぱい入ている店はきっと味が本当に評判なんだろうなと思いながらも、観光客が沢山入っている綺麗な感じのする中華料理屋に入りました。一人10ポンドのランチ(ランチが1300円)確かに少し高い気がしましたが今日は昼たくさん食べると決めていたのでここに決めました。スープ、メイン、デザートを頼むシステムでしたが、スープも飲みきれないほど、メインも食べきれないほど沢山出てきて味も悪くなく10ポンドの価値は有りました。こちらに来て初めて料理の前におしぼりが出ましたし。日本ではおしぼりは当たり前のように出てきますがこちらではほとんどありません。イギリスのレストランの当たりハズレが大きい、特に後者に大きいだけに中華は安定しているなと改めて実感しました。

食べたあと2時を回っていたので駅に一回戻り駅のスーパーで夜ご飯を購入したあとバスでホテルへ向かうことにしました。ホテルは大型ショッピングセンターの近くにありました。当初の予定では大型ショッピングセンターで買い物という予定が有りましたが、大型ショッピングセンターは見事にイースターで休みでしたので諦めました。駅からショッピングセンター行きのバスに乗ろうと雨の中待っていました。ショッピングセンターが休みでしたがバスは15分間隔できているようでした。バスが遠くに見え、いざ乗ろうバス停の脇に妻が立ったところバスにスルーされました。イギリスのバスは乗るならば乗るよという合図(手を横にあげている人が多いでしょうか。)をしないと行ってしまうことがよくあります。余談ですがバスのアナウンスもいっさいありません。次のバス停がどこで、今どのへんなのかも初めての人は全くわかりません。エジンバラのいつも使っているバスではお釣りもありません。日本のバスがいかに親切であるかを実感します。バスに行かれてしまったのでもう15分、雨の中子供をだっこし待つはめになりました。15分後ようやくバスが来て乗りこみました。「ショッピングセンターまで」というと「やって居ないのだけれどもいいのか」としつこく聞かれました。「知っているよ」といっているのにもかかわらず。休みのショッピングセンター行きのバスに乗る外人が相当稀有に写ったようです。確かに駅から少し離れたところにある、ショッピングセンターがメインの辺鄙なところでした。ショッピングセンターがやっていればかなり賑やかなのでしょうが、その日は人っ子一人いない寂しい街と化していました。冷たく吹きすさぶ風が一層冷たく感じられました。新潟の風に似ている感じで少しなつかしくも思いました。こんなところにも一つマリオットホテルがあるのです。4人で朝食込14000円かなり安いと思います。こんな駅から離れたところにしたのは二つ理由がありました。ひとつはプール付きで子供とプールに入れるからです。そしてもうひとつは、このホテルがJSTVという日本のテレビが見れる衛星放送と契約しているからです。日本のテレビ、ドラマ、ニュースなどを見るのを楽しみにしていました。夜を既に買出ししておいたのも、食べに行くのではなくテレビをみて部屋で過ごそうという思いからなのでした。プールにはいり、久しぶりに日本のスポーツニュースをみて満足して寝ました。次の日は朝6時からNHK「お母さんといっしょ」「梅ちゃん先生」などを見ました。そしてもう一回プールに入ったあと昨日はやっていなかったショッピングセンターを軽く見てサッカーの試合を見に行きました。

ニューキャスルのセントジェームズパークはロンドンオリンピックの日本戦の会場にもなる競技場です。(予選2試合目)今回は大人51ポンドほどの一階のいい席を選びました。チケットにプラチナと書いてあったのでなにかいいことがないかと期待していましたが、入る時からしてびっくりでした。プラチナチケット保持者専用の通路からはいれ、そこにはプラチナチケット保持者だけが入れるゆったりとしたラウンジがあり、通常は5ポンドほどするプログラムも無料で受け取れ、席へいく通路がわからないと、背広をびしっときた紳士が席まで案内してくれました。小さい子供がいたので専用のラウンジがあるのはとても嬉しいことでした。寒い日でもここで暖をとり試合の時は見に行くということも冬でも可能かと思いました。また、当日は雨が降っていましたが、もちろん選手はピッチで濡れていましたが、観客は全く濡れることがなく快適に観戦できました。肝心の試合は宮市選手は途中出場でしたが、足が素晴らしく早い選手だということは十分わかりました。試合自体は4位のニューキャッスルが勝つだろうと思っていましたがそのとおり2点いいシュートがはいり満足行くものでした。ピッチが今までで一番近く、迫力を存分に楽しむことができました。

試合が終わったあと、鉄板焼を食べて帰りました。料金も無難で、食材は決して良くないお店でした。日本のきちっとした鉄板焼き屋からすると少し邪道と言われそうなパフォーマンスでしたが、チャーハンの具の卵を焼いて塊を客席に飛ばして食べさせようとしたり、子供の名前をチャーハンで鉄板に作ってくれ記念撮影させてくれたり、ファイアーを連発してくれたり、偽物のおもちゃのケチャップを間違えて子供にかけようとしてびっくりさせたりと面白く、そういった意味では子供たちが満足出来よかったと思いました。一泊二日のニューキャッスル旅行でしたが、盛りだくさんで非常に楽しい二日間になりました。英気を養ってまた実験に集中できそうです。


サッカーを見つめる次男;覚えていないのが残念。 ニューキャッスル・ハドリアヌスの城壁跡。
宮市選手登場 鉄板焼屋;ファイアー連発。
実験室の私のスペース

2012年6月12日

その15;~ 5月なのに寒いエジンバラ、Princess Anne来館される~

5月といえば日本にいたときは暖かくなる日が多くなり、一度しまった冬物の洋服を片付けてその後次の冬まで開くことはほとんどありませんでした。今年初めて味わうエジンバラの5月は日本のそれとは違い、暖かくなったと思えば、寒くなり、寒くなったと思えば暖かくなりを繰り返しなかなか暖かくなりませんでした。最高気温10度、最低気温が5度を切る日も多くなかなか気温が上がりません。エジンバラの冬寒さも、冬の日の短さも気になりませんでしたが、5月の繰り返す寒の戻りにはこたえました。こちらでは、ソメイヨシノではありませんが桜の木が市内に多く見られます。桜も暖かくなって咲いたかと思うとまた冬の様な気候で、びっくりしていたのではないかと思います。日本人家族数家族で花見をしたときも、予想外に寒くなりみんなブルブル震えながら花見をする羽目にもなりました。

我が家の5月の一番のイベントと言えば、親が来たことでしょうか。親は一週間ほどの滞在でした。しかし残念なことに親の滞在中は寒気が到来してとても寒い日が続きました。私の叔父夫婦も一緒に連れてきてくれました。叔父夫婦と親は毎年のように一緒に海外に行っていて、今年は私がエジンバラに来たということでイギリスが目的地になったようです。父親も60代後半なので長旅は心配になりますが、叔父はびっくりしたことに81才で来る前はとても心配していました。しかし、あってみると心配はとりこし苦労だとわかりました。非常に元気でびっくりするほど元気でした。私が当初、親の旅行のプランにのっていた、カールトンヒル(つまりちょっとした丘に登る)へ行くというプランはやめにしたらと言おうと思っていたところ、初日私たちに会う前にもうすでに散歩がてら行ってしまっていました。

親が来て、色々日本の土産を持ってきてくれました。叔父は日本の美味しい醤油せんべいを持ってきてくれました。美味しい醤油せんべいはこちらでは本当に貴重品です。甘い食べ物は山というほどありますが、そのあと必ず口直しにせんべいが食べたくなります。親と叔父夫婦が来てくれたおかげで、エジンバラ中心の観光を久々にしました。皇室の宮殿であるホリルード宮殿、皇室の船として活躍したブリタニア号などを見て回りました。ホリルード宮殿は現在も夏エリザベス女王が滞在される現役の宮殿であり見ごたえが有りました。更に親が来たことで、エジンバラ中心部でいくつか行ってみたいと思っていたレストランにも行くことができました。中心部は何かないとなかなか人ごみの中にでにくく、車で行ける郊外の方が普段は行きやすくそちらを選んでしまいます。ムール貝とステーキの店、中華、スペイン料理、イタリアン色々行きました。いずれもそれなりには美味しいのですが、一番美味しく感じたのはムール貝でしょうか。クリーム風、チリ風味いくつかの味付けのムール貝をみんなで分け味わいました。しかし最も美味しいとは言え、我が家の新潟での最もよく行く新潟市役所前の“とんかつとんき”にはまったくかないません。早くとんかつとんきの定食を食べたいものです。親と叔父夫婦は元気なことに12時間近くもあるバスツアー(ネス湖方面など)に二回も出かけるなど、元気にすごし、しかもロンドンにも滞在し帰りました。自分はなかなかそこまで長生きできそうもないなという気がしますので若いうちに色々行けるところは行きたいと思う今日このごろです。

5月後半、二つの大きなイベントがSCRM(スコットランド再生医学センター)に有りました。ひとつは、センター開設を記念して著名な先生を招いて講演会が有りました。iPS細胞を開発した、京大の山中先生も講演に来ていました。恥ずかしながらこの講演会で初めてSCRMの研究所内でよく見かけるSir Ian Wilmutが以前博物館に行ったとき紹介した、クローン羊ドリーの産みの親であることを知りました。いつも私のデスクのそばで話をしているのをよく見かけます。身近に世界的に名の知れている先生がこんな身近にいたんですね。

もう一つはSCRMの開設にあたり、エリザベス女王の娘のPrincess Anneが来館されたことです。その日はIDカードを忘れると入れないというお達しが出ている程でした。当日は実験をしていても少し何となくそわそわしました。1時の来館時間をすぎてどこにいるのかわからなかったのですが、ボスはいつもにない正装をして、同僚の一人も実験の説明をするために正装をして私たちのデスクの前にたっていたのでもう間もなくこられるということがわかりました。それからいくばくかしてPrincess Anneが私たちの前にこられました。写真でよく見た特徴的な髪はそのままに、やはり皇室は気品が違うと思いました。私のデスクのほんの1メートル先でボスと同僚のPrincess Anneへの研究説明が行われました。なかなかRoyal familyを見ることができない中、こんな間近で見ることが出来、非常に英国皇室に愛着を覚えるきっかけにもなりました。エリザベス女王も今年在位60年でそのお祝いに日本の天皇陛下もイギリスに滞在されました。9月には秋篠宮眞子さまがエジンバラに留学されるとのこと。日本とイギリスの皇室の雰囲気はとても近いものを感じます。

更にビックニュースとしてマンチェスターユナイテッドに香川選手が入団することです。早速来季もマンUの会員になろうと思っている今日このごろです。

6月も終わりに近づき実験も7割ほど終了してきました。基本的なコンセプトとしては仮説通りであったと思います。しかし、残りの3割がいつも苦戦するところです。いいものになるのかならないかはこの3割にかかっているような気がします。残り2割は煩雑ですが時間をかけて頑張れば何らかの結果が得られそうです。最後の1割はどうしても埋められないと思っていましたが、最近、トンネルの向こうにかすかに見える光のようにゴールが見えて来た気がします。私の研究に興味を持ってくれ、手を差し伸べてくれる研究者が海外に見つかりました。思わぬ展開ですがこれも研究の醍醐味なのかもしれません。そこにたどり着くまでにも、非常に親切にアドバイスをいただける先生もいらっしゃいました。お世話になった先生方には感謝の一言に付きます。

いつも通うバス停から;八重桜が綺麗でした。 今年初めてのリス。
Japanese Princess to study in the capital. 新聞より。 ホリルード宮殿の庭を散歩。寒かったです。
夜11時まえ。薄暗い感じです。
同門会の皆様へ