新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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Sun Ship通信

内視鏡的胆管結石除去術

新潟県立新発田病院
夏井 正明 (H1年卒)

はじめに
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)は膵・胆道疾患の診断法として開発されましたが、磁気共鳴胆管膵管撮像や超音波内視鏡などの非侵襲的な画像診断法の普及とERCP関連手技に関わる処置具の進歩とともに近年では膵・胆道疾患に対する治療法としての役割が主なものとなりました。その中でも内視鏡的胆管結石除去術は日常診療で最も行う頻度の高い手技です。ここでは若手の先生方がこの手技を行う際に役立つコツおよび早期合併症の予防策と対処法について解説します。
A.内視鏡的乳頭切開術(EST)
ESTは1974年に二つの論文で初めて報告され、40年以上経過した今日でも膵・胆道疾患に対する内視鏡的治療のgold standardです。実はこの二つの論文うちの一つは本邦からの報告1)であり、わが国のERCPのレベルが当時から高かったことが伺え、世界に誇れる素晴らしい業績です。凝固異常がなく、主乳頭が正面視できればほぼ全例が適応となります。
1.パピロトミーナイフ
パピロトミーナイフはカッティングワイヤー(刃)の種類によりpull型(図1a)、push

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