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乳腺内分泌代謝栄養班

班員

氏名 経歴等
永橋昌幸 平成14年卒
班チーフ
中島真人 平成13年卒
五十嵐麻由子 平成14年卒
萬羽尚子 平成16年卒
長谷川美樹 平成16年卒
利川千絵 平成17年卒
辰田久美子 平成18年卒
土田純子 平成24年卒
諸和樹 平成24年卒
小山諭 昭和63年卒
保健学科教授

外来診療日(2017年4月1日~)

毎週月曜日・水曜日・金曜日(新患受付 9:00~11:30)

月曜日 再来 永橋/中島(第2診察室)
新患 五十嵐/土田
水曜日 再来 永橋/五十嵐(第2診察室)
新患 永橋・中島/土田/小山
金曜日 再来 中島/五十嵐/土田(第2診察室)
  • ※乳腺・内分泌外科新来は、予約制です。乳腺・内分泌外科外来(025-227-2569)へお問い合わせください。

診療内容

乳腺疾患の診療内容

  • 乳癌をはじめ、乳腺の良性腫瘍、乳腺症、乳腺炎など、乳腺に関する疾患全般について診療を行っています。
  • 乳癌は日本女性が最も多くかかる癌であり、20~30人に1人が乳癌になるといわれています。乳癌の好発年齢は40歳代と、比較的若いことが特徴です。乳癌死亡率も年々上昇しており、働き盛りの女性の命を奪っていることが大きな社会問題となっています。
  • 乳腺診療専門施設である当科では、視触診、マンモグラフィー、超音波検査、MRIなどを駆使した正確な診断を行い、個々の症例に応じた手術術式選択に細かな配慮を行っております。また、適切な薬物療法、放射線療法を駆使し、乳癌の集学的治療を行っております。
  • 2011年4月にマンモトーム検査も導入予定です。
1.乳腺疾患の診断

乳癌の診断に欠かせないマンモグラフィー検査で、撮影を担当するのは現在4名全て女性技師で、うち3名が撮影技術を評価する精度管理中央委員会の認定を受けた技師です。マンモグラフィーや超音波診断にあたるスタッフも精度管理中央委員会の指導医レベルの認定を受け、十分な経験を持っております。MRI検査を含む画像診断は、放射線科と連携し、また、細胞診・組織診断を行う病理部とも密なる連携を図って、少ない侵襲で正確な診断を早く行うことを目指しています。

2.乳腺疾患の外科治療

良性腫瘍や小さい悪性腫瘍の一部については、外来手術室にて日帰り手術を行っています。

腫瘍径が大きい良性腫瘍と、悪性腫瘍の大多数は、入院して全身麻酔下に手術を行います。入院期間は、術前1~2日、術後2~7日程度です。手術の後は、翌朝から食事をとることができ、手術前と同じ生活に戻っていただきます。家庭外就労に関しては、患者さんの回復具合等を見ながら、就労再開の相談・指示を行っています。

当施設では年間約100例の乳癌手術を行っています。大学病院である当院の患者さんは他科での治療も行っている合併症をお持ちの方や進行例で紹介される方が一般病院と比較すると多く、全身状態を考慮して手術術式を選ばなくてはならないため、乳房温存術を選択される患者さんが全体の約半数です。しかし、術前MRIで病変の広がりを詳細に評価し、乳房温存術が可能と考えられる患者さんには、積極的に縮小手術をお勧めしています。また、腫瘍の広がりが大きく今までなら乳房温存術の適応とならなかった場合でも、術前化学療法(抗癌剤治療)を行って腫瘍の縮小を試み、温存手術を行うこともあります。乳房温存術が困難であり乳房全摘術が必要な場合でも、患者さんの希望に応じて、形成外科と連携し、手術と同時(1期的)または術後(2期的)に乳房再建術を行っています。

乳房温存術後の乳房内再発率は約1%となっており、一般的な乳房内再発率約10%と比較して低く、良好な成績です。

腋窩(わきの)リンパ節に関しては、センチネル(見張り)リンパ節という癌が最初に転移するであろうリンパ節を見つける試みを1999年から行っております。当施設では、県内で初めて実践したtwo mapping法によるセンチネルリンパ節生検により、ほぼ100%近い正しさで腋窩リンパ節に転移があるかどうか診断できるようになりました。2004年からはその結果をもとに、センチネルリンパ節に転移がなかった場合には、従来行っていたような腋窩リンパ節の切除を省略しています。このことによって術後の回復が早くなり、手術した側の腕にリンパ浮腫(むくみ)が起きる可能性が減ることが予想されます。

当施設における乳癌手術患者さんの5年後、10年後の生存率はそれぞれ、0期で100%、100%、Ⅰ期で99.3%、98.4%、II期で92.6%、83.8%、III期で86.0%、81.7%です。

術後、病理組織検査を班員全員で検討し、放射線療法や追加切除などの局所療法の適応や、適切な薬物療法を決定し、安全で再発の少ない治療を提示するようにしています。

3.乳腺疾患の臨床研究・基礎研究
    • センチネルリンパ節生検を積極的に行い、腋窩郭清省略の可能性などについて検討・研究をおこなっています。
    • 閉経後ホルモン感受性乳癌(病期Ⅱ期・Ⅲ期)の術前薬物療法として、化学療法と内分泌療法の併用療法の有効性を検討する多施設共同研究に参加し、検討を行っています。
    • 乳癌アポトーシスに関する研究、血管増生因子(VEGF)などに関する研究などを、分子生物学的手法を用いて行っています。
    • 主用参加学会としては、日本乳癌学会、日本外科学会、日本癌治療学会、日本臨床外科学会、San Antonio Breast Cancer Symposium(アメリカ)、ヨーロッパ乳癌学会、ヨーロッパ臨床腫瘍学会などがあります。

甲状腺・副甲状腺疾患の診療内容

  • 甲状腺は、頚部の気管の前方にある体表に近い臓器です。副甲状腺は、甲状腺の背側左右上下に位置する小さな内分泌臓器です。肺や心臓、腹部臓器と違い、治療そのものによる生体ダメージは少ないのですが、一方で神経や細かい血管が多く、この部位の解剖を熟知した経験ある専門医の治療が必要となります。
  • 当科で手術を行う甲状腺疾患には、甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌、髄様癌)、良性甲状腺腫瘍、原発性甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などがあります。副甲状腺疾患としては、原発性あるいは続発性副甲状腺機能亢進症などがあります。
1.甲状腺・副甲状腺疾患の診断

甲状腺腫瘍が疑われた場合には、まず超音波検査を行います。超音波検査では、数ミリの小さな病変でも検出することが可能です。甲状腺腫瘍の良悪性の鑑別診断として、超音波ガイド下に細胞診検査を行います。甲状腺乳頭癌は、細胞診で腫瘍の性質がかなりの正確さでわかります。甲状腺濾胞癌は、濾胞線種という良性腫瘍と鑑別することが難しく、術前の画像検査や細胞診出は確定診断の決め手がありません。確定診断は、切除した標本を病理学的に検査して初めて得られます。甲状腺髄様癌は、甲状腺C細胞という細胞から発症する癌で、カルシトニンという蛋白を分泌します。他にCEAという蛋白も分泌するので、この二つが特徴的なマーカーとなります。甲状腺癌の転移の検索には、CT検査やシンチグラフィーを行います。

副甲状腺機能亢進症は、血中カルシウム値の上昇とそれに伴う様々な症状をきっかけに発見されることが多いです。機能亢進した副甲状腺の局在診断として、超音波検査、CT検査やシンチグラフィーを行います。

2.甲状腺・副甲状腺疾患の外科治療

甲状腺腫瘍の場合は、その局在、大きさ、良悪性、リンパ節腫大の有無を評価し、適切な切除範囲を検討して決定します。

甲状腺機能亢進症の場合は、内科的な薬物療法が困難な場合や、腫大が大きく頚部の圧迫症状が強い場合、短期間に治癒させたい場合などに手術適当となります。腫大甲状腺を全摘出するか、亜全摘(ほとんど全てを摘出)するかを、個々の症例を検討し決定します。

副甲状腺機能亢進症に対しては、アイソトープガイド下の低侵襲手術を行い、症例数も増加してきております。

3.甲状腺・副甲状腺疾患の研究内容
    • 甲状腺癌の予後因子に関する研究、副甲状腺機能亢進症に対する低侵襲手術(Minimally invasive radio-guided parathyroidectomy)についての研究を行っています。
    • 主用参加学会として、日本内分泌外科学会、甲状腺外科学会、日本外科学会、日本臨床外科学会などがあります。

代謝栄養の診療・研究内容

当研究班は、GIE班として研究・歴史がスタートしました。GIEは潰瘍を意味するドイツ語 Geschwuerの頭文字 "G"、輸液を意味する英語 Infusionの頭文字 "I"、内分泌を意味する英語 Endocrineの頭文字 "E"を組み合わせたものです。

"G (Geschwuer)"の時代
かつて外科疾患の主要な位置を占めた胃潰瘍の研究・胃切除後の代謝・栄養についての研究がメインテーマでした。そしてこの頃の医学用語はドイツ語を用いる時代だったのです。
"I (Infusion)"の時代
消化器手術をするとしばらくの期間食事が出来なくなります。外科手術を受ける患者さんは術前から栄養状態が悪い方が多く、そのことが術後の合併症(特に感染や縫合不全)に影響します。特に術前から栄養状態の悪い事が多い食道癌をターゲットに、手術前後の代謝・栄養および輸液管理についての研究がメインテーマとなりました。そしてこの頃は、医学用語は英語を用いる時代へと移り変わっていきました。
"E (Endocrine)"の時代
代謝変動は内分泌ホルモンと密接な関係があります。内分泌疾患も我々の対象疾患となっていきました。当科における内分泌疾患とは、主に乳腺・甲状腺・副甲状腺疾患であり、現在の当研究班の診療・研究の中心となっているものです。

現在は、院内NST(Nutrition support team)活動を積極的に行っております。

術後代謝栄養管理に関する研究や消化管の水チャネル(Aqaporin)に関する研究を行っています。主用学会として、日本外科代謝栄養学会、日本静脈経腸栄養学会、アメリカ静脈経腸栄養学会、ヨーロッパ静脈経腸栄養学会、日本臨床外科学会などがあります。

研修体制

医学部卒業後の臨床研修後、第一外科では、大学病院もしくは関連施設で外科1年目の研修が始まります。入局2年目に、臓器別・研究分野別の研究グループへの配属が決まります。

グループ配属後、日本外科学会外科専門医を取得するまでの2~3年間は、大学病院もしくは市中施設で外科臨床研修を行います。日本乳癌学会認定医・専門医、日本甲状腺外科学会専門医、日本内分泌外科学会専門医の取得には、この日本外科学会外科専門医(もしくは他の指定の分野での専門医)取得が必須です。

外科臨床研修と並行して、グループ内での臨床症例検討、臨床研究、学会発表、基礎研究に参加し、乳腺内分泌外科医としての修練を行います。この間に乳腺・甲状腺・副甲状腺疾患の診断手技(診察、マンモグラフィー・エコー・MRIなどの画像読影、細胞診、針生検、切除生検、マンモトーム生検など)、治療手技(手術、薬物療法の適応決定と治療、放射線治療の適応など)を経験し、習得します。

外科専門医取得後は、乳腺内分泌外科医として関連施設へ出向します。出向先は、公立基幹病院、地域の基幹病院、がん専門病院など様々ですが、需要と希望により決まります。出向後も希望により大学での研究や大学院への進学などが可能です。

当研究班の研修体制の特色をまとめると、以下の通りです。

  1. 専門分野に偏ることなく一般・消化器外科全般を研修でき、日本外科学会外科専門医の取得が可能。
  2. 日本乳癌学会認定医・専門医、日本甲状腺外科学会専門医、日本内分泌外科学会専門医の取得要件を十分に満たすことが可能。
  3. 臨床カンファレンス等にてフィルム読影も十分に経験でき、検診マンモグラフィ読影資格を得る実力を習得可能。
  4. 外科専門医取得後、希望時に学位取得に向けた研究・大学院進学が可能。
  5. 乳腺専門医を必要とする関連施設が増えつつあり、外科専門医取得後、ひきつづき乳腺専門医取得へ向けた研修が可能。

医療の高度化と専門分化によって、乳腺外科分野での需要が特に高まっています。当教室内および関連施設でも乳腺外科医の人材が不足しており、常勤および非常勤での派遣要請(需要)が供給を上回っています。

やる気のある先生方の入局を心よりお待ちしております。