【履修証明プログラム】履修生募集要項
発災~復興まで支援する災害医療人材の養成
1.事業概要
本事業は,新潟大学医学部災害医療教育センターを中心に,新潟医療人育成センターと連携して実施する。全国で養成の必要性が叫ばれている高度災害医療人材,すなわち「超急性期から亜急性期,慢性期,復興期まで災害医療の全時相を熟知」し,医療職種はもちろん,他職種・行政機関とも組織横断的に連携して「避けられる災害死」「災害関連健康被害」を最小限に食い止めるマネジメント力を有する次世代高度災害医療人材養成プログラムを実施する。
教育プログラムコースとして,災害医療コーディネーターコース(CCコース)と,次世代高度災害医療人プログラムアドバンスドコース(ACコース)を設定し,医療職と行政の「役割と連携」について,もしくは,災害全時相について幅広く履修する。
また,国立病院機構災害医療センター,日本赤十字社医療センターなど関係機関とも連携し,平時の備えから実践まで全国地域のリーダーとなる次世代高度災害医療人材を養成,併せて教育カリキュラムの普及を目指す。
2.履修証明プログラムについて
履修証明プログラムは,社会人等の学生以外を対象(当該大学の学生等の履修を排除するものではありません)として,人材養成目的に応じて必要な講習(授業科目ではない科目)を体系的に編成(総時間数60時間以上)した教育プログラムです。
本学プログラムの履修修了者には,本学から学校教育法に基づくプログラムであること及びその名称等を示した履修証明書(certificate)を交付します。
今後も本学では,社会人等に対する多様なニーズに応じた,体系的な教育,学習機会の提供を行うことにより,職業キャリア形成の支援に寄与していくことに取り組んでいきます。
<参考ホームページ>
文部科学省:大学等の履修証明制度について
3.プログラムコース・授業科目等の概要
(1)プログラムコースの概要
①災害医療コーディネーターコース(CCコース)
近年,災害時における医療者と行政協働による災害医療構築の重要性が認識され,新潟県が全国に先駆けて採用した「災害医療コーディネーター」制度は,現在多くの自治体で採用されている。
平時には災害医療に備える体制を指導・構築できる人材かつ,実災害においては各職域で指導的立場となり,かつ災害医療コーディネートの中心的役割を果たす人材を養成する。
本コースでは,中越沖地震など実災害における本学の災害医療コーディネートの経験を活かし,災害全時相における災害医療の課題を理解すると同時に,医療職と行政の「役割と連携」を履修する。
②次世代高度災害医療人プログラムアドバンスドコース(ACコース)
被災地医療の課題はDMATに代表される超急性期から急性期,慢性期,復興期へと時相と共に変化していく。避難所生活における二次被害(血栓・感染・心のケア)の予防,コミュニティーの破壊による老人の孤独死,自殺など多岐に及んでいる。
本コースでは,災害時に必要とされる医療技術の習得と共に,発災から復興期までの全時相における災害医療の特殊性と課題,解決策を理解し,実際の災害において医療職・行政を組織横断的に活用できる知識と技術の習得を目標としている。
平時においては災害医療教育,啓もう活動,行政との連携を実践でき,我が国の災害医療教育の指導的役割を担える高度災害医療人材を養成する。
従来の時相や対象が断片的になりがちな災害医療対応カリキュラムを見直し,「発災から復興までの全時相」及び「外傷から予防・保健衛生,心のケア,新たな地域医療の確立」まで,災害全時相を幅広く履修する。
また,災害全時相に特有な医療の問題点を予測し,行政と連携してより実効力のある解決方法を提案できる能力を身に付けるため,災害医療コーディネーターコースと共通の履修科目を設定する。
(2)授業科目等の概要
教育プログラムは主に座学(e-learning聴講含む),実技・講習会,セミナー等で構成されています。
○座学(e-learning聴講含む)
<総論>
科目概要 | 時間数 | CC | AC |
---|---|---|---|
災害医療概論 |
【CCコース】 50時間 【ACコース】 50時間 |
○ | ○ |
災害時の医療に関係する主な機関・組織・職種 | ○ | ○ | |
災害医療関係法規・制度 | ○ | ○ | |
災害医療に係る検討会 | ○ | ○ | |
災害時の医療体制 | ○ | ○ | |
災害時の調整 | ○ | ○ | |
安全管理 | ○ | ○ | |
災害時の情報管理 | ○ | ○ | |
広域災害救急医療情報システム(EMIS) | ○ | ○ | |
災害時の医療活動の概要 | ○ | ○ | |
医療搬送の概要 | ○ | ○ | |
医療機関の災害対策と災害対応 | ○ | ○ | |
災害医療とロジスティクス | ○ | ○ | |
災害医療に関係する資材と管理 | ○ | ○ | |
災害時の精神医療と心理ケア | ○ | ○ | |
災害による死傷者への対応 | ○ | ○ | |
災害医療と公衆衛生・プライマリヘルスケア | ○ | ○ | |
災害医療とリハビリテーション | ○ | ○ | |
特殊災害時の医療 | ○ | ○ | |
被ばく医療 | ○ | ○ | |
事態対処医療 | ○ | ○ | |
災害医療教育・研修・訓練 | ○ | ○ | |
災害時の歯科診療 | ○ | ○ | |
災害医療にかかる薬剤管理 | ○ | ○ | |
災害時の看護 | ○ | ○ | |
災害医療とメディア | ○ | ○ | |
災害医療と費用支弁 | ○ | ○ | |
災害医療対策 | ○ | ○ |
- 内容は変更する場合があります。
<各論>
超急性期・急性期以降
科目概要 | 時間数 | CC | AC |
---|---|---|---|
初期災害医療体制の構築 |
【CCコース】 20時間以上 【ACコース】 27時間以上 |
○ | ○ |
主な組織の役割とその連携 | ○ | ○ | |
医療機関の支援と受援 | ○ | ○ | |
病院避難と籠城決心 | ○ | ||
トリアージ | ○ | ||
主な傷病とその対応 | ○ | ||
医療搬送 | ○ | ○ | |
避難所設置と運営 | ○ | ○ | |
地域における対応(自助,共助,互助,公助) | ○ | ||
災害時要援護者の対応 | ○ | ○ | |
生活不活発病とその対策 | ○ |
亜急性期以降
科目概要 | 時間数 | CC | AC |
---|---|---|---|
主な組織の役割と連携 |
【CCコース】 16時間以上 【ACコース】 16時間以上 |
○ | ○ |
診療活動(医療救護所診療,巡回診療) | ○ | ||
主な傷病とその対応 | ○ | ||
健康管理 | ○ | ○ | |
衛生管理 | ○ | ○ | |
栄養管理 | ○ | ○ | |
プライバシーへの配慮 | ○ | ||
被災地域の医療体制の再構築 | ○ | ○ | |
仮設住宅 | ○ | ||
災害関連死とその対策 | ○ | ○ |
慢性期・復旧復興期以降
科目概要 | 時間数 | CC | AC |
---|---|---|---|
主な組織の役割とその連携 |
【CCコース】 6時間以上 【ACコース】 8時間以上 |
○ | ○ |
主な傷病とその対応 | ○ | ||
健康被害とその対策 | ○ | ○ | |
業務継続計画(BCP) | ○ | ||
災害医療活動の検証 | ○ |
その他
科目概要 | 時間数 | CC | AC |
---|---|---|---|
国際人道支援 |
【CC・ACコース】 7時間以上 |
||
事例紹介・その他 | ○ | ○ |
- 内容は変更する場合があります。
○実技・講習会
科目概要 | 時間数 | CC | AC |
---|---|---|---|
MCLS標準コース | |||
MCLS-CBRNEコース | |||
MCLSインストラクターコース | |||
MCLS-CBRNEインストラクターコース | |||
JPTECプロバイダーコース | |||
ETSコース | |||
DMAT隊員養成研修(1.5日,2.5日) |
- 新潟大学以外の各種主催団体が実施するコースを含みます。
(コースへの参加費,交通費,保険料等参加に必要な経費は履修生が負担することとします。) - 本項に記載のない講習会等は,必要に応じて履修時間として認定することがあります。
- 本プログラムに関する資格で,令和6年10月1日現在で有効な取得済み資格については,履修時間に考慮することがあります。
○その他
科目概要 | 時間数 | CC | AC |
---|---|---|---|
DMORT養成研修会 | |||
災害医療コーディネーター研修会 | |||
全国災害医療コーディネーター会議 | |||
災害医療に関する各種セミナー |
- 本項に記載のない研修会等は,必要に応じて履修時間として認定することがあります。
募集要項
1.募集人員(令和6年10月生)
- ①災害医療コーディネーターコース(CC)・・・・・・・・・・・・5名程度
- ②次世代高度災害医療人プログラムアドバンスドコース(AC)・・・2名程度
2.対象者・履修資格
- ①災害医療コーディネーターコース(CC)
医師(初期臨床研修医は除く),看護師,助産師,薬剤師,保健師,救急救命士 等医療職
行政職(自治体,消防,警察,海上保安庁,自衛隊他)
※なお,履修科目との整合性から,上記に該当しない医療職及び行政職については,必ずご相談ください。
- ②次世代高度災害医療人プログラムアドバンスドコース(AC)
医師(初期臨床研修医は除く),看護師,助産師,薬剤師,保健師,救急救命士 等医療職
※なお,履修科目との整合性から,上記に該当しない医療職については,必ずご相談ください。
3.履修期間・修了要件
(1)履修期間
①,②のコースともに令和6年10月1日より原則2年間。(更新は6か月毎)
※必要時間の履修ができなかった場合は延長を可能とする。
(2)修了要件
合計120時間以上の履修が必要で,科目毎に小テスト,本テストを実施します(合格点等を設定)。また,科目に応じてレポートによる評価を実施します。
4.履修申請について
(1)申請書類等
- ①履修希望届
- ②履修希望理由書及び活動実績
- ③卒業証明書・修了証等(「2.対象者・履修資格」に記載のある国家資格取得者は不要)
(2)申請期間
令和6年7月11日(木)から令和6年8月7日(水)17時まで(必着)
※申請期間を過ぎた申請書は受理できませんので,郵便等の発送時には十分に考慮してください。
(3)申請書類等の提出方法・提出先
申請書類等を封筒に入れ,必ず書留郵便にて上記「(2)申請期間」内に必着するように,送付してください。
<提出先>
〒951-8510
新潟県新潟市中央区旭町通1番町757番地
新潟大学医学部災害医療教育センター
(TEL:025-227-2033)
(4)注意事項
- ①申請書類の提出は,書留による郵送に限ります。
- ②申請書類に不備がある場合には,受理しないことがあります。
- ③申請書類提出後は,申請書類の返却及び「連絡先」以外の記載事項の変更は認めません。
- ④申請書類に虚偽の記載内容があった場合には,履修開始後でも履修許可を取り消すことがあります。
- ⑤障がい等を有する本プログラム履修希望者で,履修上特別の配慮を必要とする場合は,申請期間前に新潟大学医学部災害医療教育センターに申し出てください。
5.履修生選考・選考結果について
提出された申請書類等を審査して決定いたします。
職種,経験年数,学会や社会における活動及び災害医療活動実績等により,履修生の選考を行います。
令和6年9月下旬に選考結果を通知いたします。これらにかかる電話等による問い合わせには,一切応じませんので,予めご了承願います。
6.履修手続について
(1)手続日時
履修手続書類等送付時にお知らせします。
(2)履修証明プログラム受講料
令和6年10月生においては,履修証明プログラム受講料は徴収しません。
ただし,プログラムの教育科目中には,個別に関係団体及び機関が実施する教育科目があり,これらにかかる受講費,交通費,保険料等は,履修生が負担することとします。
例)都道府県が実施するDMAT隊員研修,MCLSコース等
※本履修証明プログラムは本学において平成27年度より新規に開講したプログラムであり,その内容は試行的に実施する側面があります。そのため受講料を当分の間,徴収しないこととしております。
今後は本履修証明プログラムの評価等を行い,受講料を徴収すること検討しておりますので,予めご了承願います。
7.個人情報保護について
申請に当たってお知らせいただいた氏名,住所その他の個人情報については,履修生選考,選考結果,履修手続及び履修生の管理業務等,これらに付随する業務を行うためのみに,本学において使用します。
また,取得した個人情報は適切に管理し,使用目的以外には使用しません。
8.その他
(1)履修生の身分について
大学に学生として在籍し,所要の単位を修得して学位を取得するための学位課程とは異なるものであり,新潟大学学生としての身分は付与されませんので,予めご留意願います。
(2)スクーリング時の駐車場について
本プログラムでは,座学のほかプログラムの中で実技実習を実施する科目等があります。新潟医療人育成センターもしくは他の会場等で実施の場合についても,駐車場はありませんので,予めご了承願います。
(3)履修生における注意事項(秘密保持,コンテンツ等無断転用等)
- ①履修生として知り得た秘密を漏らすことは禁止します。履修終了後も同様とします。
- ②e-learningコンテンツを複製,二次利用,公開,無断送信等これらに類する行為を禁止します。
また,画面のキャプチャ,コンテンツ音声録音などの保存についても認められません。 - ③講義中の録音,実習風景の撮影(SNS等への使用等)は禁止します。
- ④プログラム履修に伴い発行されるID,パスワード等の情報管理は適切に行い,履修生本人以外には知られることないよう十分に注意してください。
(4)パソコンについて
本プログラムではe-learningシステムを使用して,主に座学におけるカリキュラムを遠隔地においても履修可能となるよう,コンテンツ等の充実に努めております。
このe-learningを聴講する際に必要なID等は発行しますが,履修に必要なパソコンの貸し出しは行っておりませんので,予め各自で準備願います。
その際,使用するパソコンのセキュリティ対策は十分に実施し(ウイルスソフトのインストールや定期的なオペレーティングシステム(OS)のアップデート等),サポートが終了しているOSの使用は認めません。
なお,ID等は履修生の責任において適切に管理願います。
<e-learningシステム推奨動作環境>
※令和6年4月現在
○パソコン
Windows | Mac | Chromebook | |
---|---|---|---|
OS |
Windows
|
Mac
|
Chromebook
|
ブラウザ |
Windows
|
Mac
|
Chromebook
|
モニタ | 解像度1024 × 768、16 ビット以上を表示可能なカラーモニタ |
- *1 タブレット用のUI(キーボードを取り外したときのUI)でのご利用は推奨動作環境対象外です。キーボードを取り付けてご利用ください。
- *2 Microsoftでサポート対象外になったバージョンは、動作環境対象外です。
- *3 Enterprise版及びEducation版においては、管理者側の設定によって,使用できるWindowsの機能に制限がかかります。そのため,そのWindows上の制限により動作しない可能性があります。
○スマートフォン/タブレット
Android | iPhone・iPad | |
---|---|---|
OS | Android OS 10.0 以上 | iOS 15 以上、iPadOS15以上 ※2024年7月以降、iOS/iPadOS 16以上に変更予定 |
ブラウザ | Chrome 最新版 | Safari 最新版 |
最新の動作環境はLOGOSWARE Platonのホームページでご確認ください。