新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

HOME > 留学だより > 阿部先生 ドイツ留学記 > ドイツ留学記2

留学だより

ドイツ留学記 2 阿部 寛幸 先生

2018年12月7日

2018年4月よりドイツ ヨハネス・グーテンベルク大学 に留学中
前回の留学記をお送りしてから早6か月、ドイツへ留学してからすでに8か月が経過してしまいました。月日が経過するのは早いものです。
6月1日ようやくアパートへ入居が可能となりました。船便で送りフランクフルトで保管してもらっていた引っ越し荷物をアパートへ搬入し、なんとか鍋で炊いていたご飯が炊飯器で炊けるようになりました。(後に炊飯器は壊れ、結局新しいものを購入することになりましたが)いろいろありましたが落ち着いて生活が送れるようになったのは約3か月ほど経ってからだと思います。
仕事の方は留学記1で少しお話しましたが、siRNAによる肝線維化治療を目指し、ターゲット遺伝子についてin vitroでの予備実験を行いつつ、同僚が指揮する企業プロジェクトのcollaboratorとして仕事をしておりました。企業プロジェクトは製薬会社等が開発する新規薬剤(あるターゲットに対するインヒビターやアゴニストなど)について、動物実験レベルでの効果判定、副作用の確認などが主となります。十分な成果を得るために、薬剤の効能について期待(予測)されるメカニズムから、どの線維化モデルが最適か、また線維化では時間経過とともに遺伝子発現の程度は様々に変化するため、どのタイミングでの投与が望ましいかなどパイロットスタディから綿密に計画がなされておりました。それでも、新規薬剤の開発が難しいように多くの試験薬剤は十分な効能を出すことができないようです。効果が不十分であった場合には、期待と違い何が問題であったか、その原因についても深く追求され、企業へフィードバックされます。同僚のPh.D.の方にとても親切に面倒を見てもらい、そのノウハウを日々勉強させてもらっております。10月には半年に一度回ってくる現在の研究の進捗状況について発表する機会がありました。ほとんどのラボメンバーが参加し、質疑合わせて1時間ほど時間を頂けます。目的、研究プラン、データ、今後の方針について発表し、追加実験や次のプランについて多くのアドバイスを頂きました。スムーズに進んでいるとは言えませんが、少しずつ地道に研究を進めております。
私生活ではラボメンバーとBBQやたこ焼きパーティー(たこ焼き器は日本から持ってきました。)をしたり交流を深めています。また、マインツはアジア系が少ない方ではありますが、日本人のコミュニティーもあり非常に仲良く協力しあって生活しております。私の息子は2歳になりましたが、マインツ市内でも同じくらいの年齢の日本人またはハーフの子供たちがおり、月一回日本語プレイグループという会を開き集まっております。みんな仲良く(?)日本の歌を歌ったり、何かを作ったり日本の文化を学べる機会もあります。妻がいつの間にかその会のまとめ役の一人となっており、私も歌を歌ったり、踊ったり(見本になっているかは不明ですが)しております。
9月からは子供が保育ママ(資格を持った方が自宅で数人の子供たちの世話をする家があります。)へ通い始めました。マインツは年々人口が増えており、特に若者の流入が多いため、保育施設等の供給が追い付かず、生後すぐに申請しても数年は保育園幼稚園へ行けない状況となっております。保育ママも見つけるのが非常に困難なのですが、幸い知り合いのつてで通えることとなりました。その時間を利用し、妻はドイツ語の語学学校へ通い勉強しております。最近では子供がドイツ語を話し始め、子供の学習能力の高さに驚愕しております。私に通訳をしてもらえることを期待している今日この頃です。

ラボメンバーでBBQをした際。みんな出身国が違うため持ち寄りの食べ物をどんなものかいろいろと食べていました。
夏休みに南ドイツ(コンスタンツ・ミュンヘン)とパリへ行った際の写真です。
10月に行われた研究の進捗状況についての報告会です。
日本語プレイグループで子供たちが日本語や日本の文化を学んでいます。
同門会の皆様へ