新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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留学だより

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 仁科研 留学記
森 ゆか理 先生

2018年8月

2018年4月より、東京医科歯科大学難治疾患研究所の発生再生生物学という研究室で勉強させていただいております。仁科 博史教授は、寺井教授が山口大学にいらっしゃった頃から長いお付き合いがあり、寺井先生の御厚意でこの度お世話になることになりました。

東京医科歯科大学はJR御茶ノ水駅の目の前にあり、都心のほぼ真ん中に位置しています。大学の研究室は主にM&D タワーという24F建てのビルに集約されており、3階に図書館、4階から医学系教室、19階から難治疾患研究所に所属する基礎系の教室が入っています。仁科研はビルの21階にあり、タワーの窓からは東京ドームや皇居、スカイツリーなどをのぞくことができ、夜疲れたときには夜景を見ながら癒されています。
医科歯科は医療系の大学ではありますが、難治疾患研究所の研究室にはPhD研究者出身で教授に就任された先生方も多くいらっしゃいます。またトップがMD研究者出身の先生でも、研究室のメンバーの大半は、理工学部系や基礎よりの薬学系出身者が多かったりと、研究室によってさまざまな特色をもっているようです。一方で、大学では臨床から基礎にわたり、幅広い分野の先生方から講義を聴く機会も多く、お互いに刺激を与えあうことのできる、とても良い環境になっています。
私の所属している教室の雰囲気ですが、医歯学系と理工系の大学院生がそれぞれ半分ずつ在籍しており、理工学部や薬学部、獣医学部と出身学部も本当にさまざまなので、色々な話ができ、楽しく毎日を過ごせています。スタッフは仁科博史教授をはじめ、院生からそのまま助教としていらっしゃる女性の先生と、学外から新しく就任された講師の方がいらっしゃいます。仁科研のみなさんはとても若くて優秀な方ばかりですが、それでもアカデミアの中でキャリアを積んでいくのはとても苦労されているようです。仁科先生は研究の指導を通して、研究室のメンバーのそれぞれが目指すキャリアの方向性と、どこを目標としていくのかを、学生のうちから常に意識させるようにしていらっしゃいます。特に基礎系研究者のキャリアとして、40代頃までには自分のラボを持つというビジョンをもって頑張っている方が多いので (それでも将来的に研究室を持てるのは一部という本当に厳しい世界ですが)、医療系分野しか知らなかった自分にとって、彼らの価値観や考え方などはとても刺激になります。
研究室では毎週セミナーがあり、研究の進行発表や論文の抄読会が行われているのですが、他のメンバーのプレゼンを聴いていると、毎回自分のアウトプットの能力不足を痛感されられます。自分が一番言いたいことを婉曲した表現ではなく、具体的に簡潔に述べるように、とよく注意されていますが、的確に短時間で実践できるようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。
3月まで臨床医として勤務していた私にとっては全く新しい環境であり、研修医に戻ってしまった気分で4月からあっという間の月日が経ってしまいましたが、せっかく与えていただいた貴重な機会なので、少しでも自分の成長につなげられるように頑張ろうと思います。

同門会の皆様へ