ハーバード大学留学記(2)
2019年11月20日
前回の留学記から約4か月が経過しました。ボストンは厳しい冬に突入し、11月中旬にも関わらず、最高気温が氷点下となる日も出てきました。 留学開始から約8か月が経過しましたが、大きく体調を崩すこともなく、なんとか元気に過ごしております。
研究は夏の終わりごろから、なんとか自分一人で実験の計画をし、実行できるようになってきました。Mitragotri教授および同僚の優秀なポスドクに助けてもらいながら、組織接着性を持つ素材について、検証を重ねています。
私が研究を行っている生体材料分野では素材自体の性質を入念にCharacterizeする必要があります。フーリエ変換赤外分光光度計、液体クロマトグラフィー、走査型電子顕微鏡、引張試験機など使い慣れない(ほとんどの機械は見たことも聞いたこともないし、原理を理解するのも大苦戦でした)機器と悪戦苦闘しながら分析を進めました。これらの検証により、物質がどのような組成、薬剤濃度、粘度、組織接着性を持っているのかを明らかにし、その挙動を確認することができます。この数か月は実験がうまくいかないことも多々あり、辛い日々を送ることも少なくありませんでした。 最近ではいよいよラットを用いたin vivoの実験を開始しました。今のところなかなか思うような結果は出ていませんが、根気強く、なおかつ発想の転換なども検討しながら、成果を出せるように研究を進めていきたいと考えています。 11月11日には、AASLD@ボストンに参加された寺井教授、医局の先生方とお会いすることができました。お忙しい中時間を割いていただき、私のラボや周辺のハーバードメディカルスクールなどを見学していただきました。夜は食事もご一緒させていただき、また研究をがんばるための大きなエネルギーを与えていただきました。その節はありがとうございました。
私生活では10月31日のハロウィンに参加してきました。超高級住宅街ビーコンヒルでのハロウィンへ出向き、玄関先で待っている住人に定番の”Trick or Treat?”と声をかけてお菓子をもらいます。お菓子に目がくらんだ娘は次々と声をかけ、最終的に60個以上のお菓子をゲットしていました。高級住宅街だけあり、ちらりと見える内装はどのお宅もとても豪華で、住人も品がよく、本場のハロウィンに大満足でした。 月日が経つのは本当に早く、同僚のポスドクが次々と論文を発表しており焦りますが、まずは学会発表を目標に、一歩ずつ引き続き頑張っていきたいと思います。
中島 尚 記

