新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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留学だより

ロンドン留学記Ⅱ

2019年11月27日

英国Queen Mary University of Londonに留学中の高橋です。渡英から半年以上が経過し、すっかり落ち着いた生活を送っています。
緯度が高いロンドンでは夏場は夜10時頃まで明るいですが、冬場はあっという間に日が暮れてしまいます。サマータイムが終了したこともあり、午後4時頃には辺りは真っ暗です。また、この時期のロンドンは晴れる日がほとんどなく、曇り・雨・霧で日中でも薄暗く、鬱々とした天候が続いています(Fig 1)。
前回の留学記から約5か月、これまでの留学の経過をご報告させていただきます。

>前回の留学記から現在まで
前回の留学記でスリにあったお話をさせていただきましたが、前回の留学記執筆直後に警察から連絡がありました。なんと、盗られた財布が戻ってきたのです。残念ながら紙幣だけはきれいに抜き取られていましたが。財布が戻ってくることはないだろうと半ば諦めていたので、非常に嬉しいサプライズでした。素晴らしい所ですね、ロンドン。
こちらも前回の留学記で書きましたが、念願かなってBirminghamの木村先生のところに家族で遊びに行くことができました。木村先生、おもてなしありがとうございました(Fig 2)。Birminghamは運河沿いの街並みが非常に美しい素敵な街でした。

>私生活について
イギリスを含めたヨーロッパ留学の私生活上のメリットとして、海外旅行が比較的容易にできる点が挙げられると思います。ヨーロッパ圏内であれば1-2時間のフライトで大概の国に行くことができるので、小さな子供がいてもそれほど問題なく旅行できます。料金も格安で、フライトは新潟-東京間の新幹線料金より安い場合が多いです。我が家も夏休みを利用してクロアチアに遊びに行ってきました(Fig 3)。

夏場はロンドン郊外まで足を延ばして、色々な観光名所をみて回りました (Fig 4a & 4b )。最近は天候が悪く、出かける気があまり起きませんが、現在ロンドンでは、クリスマスの準備が着々と進んでおり、各所ですばらしいクリスマスのイベントやイルミネーションを楽しむことができます。先日Hyde park(敷地内にウィリアム王子が住んでいるKensington palaceがあります)で催されているクリスマス期間限定の移動遊園地へ行ってきました(Fig 4c)。悪天候が続き気も滅入ってきますが、時々こういったイベントに出かけると気晴らしになります。

>研究について
今回も観光の写真ばかりで、仕事はどうなっているんだと怒られそうですが、ちゃんと働いています。前回もお話しした通り、現在迷走神経刺激に関する臨床研究にいくつか携わっています。迷走神経刺激には抗炎症効果や鎮痛効果が期待されており、modulationの方法として深呼吸や経皮的な迷走神経刺激などが報告されています。このような迷走神経刺激が炎症性腸疾患やGERDといった疾患に効果があるかどうか、またその際に脳の働きがどうなっているのか、臨床研究を通して学んでいます。契約上の問題や倫理委員会などとの兼ね合いで、まだスタートできていないプロジェクトもありますが、徐々に仕事のペースも上がってきています。(イギリスの事務手続きの遅さ・煩わしさは尋常ではありません。諸々解決するのに何か月もかかります) また、他のfellowからの引継ぎに加えて、現在こちらで新たな臨床研究を立ち上げているところです(Prof. Azizをはじめ、いろいろな先生方に助けていただき、最近UKのgrantを獲得することができました)。慣れない制度・手続きにストレスが溜まりますが、大変やりがいを感じています。(Fig 5. 写真はQueen Mary UniversityのNeuroscienceに関する研究施設です。) 留学も序盤から中盤に差し掛かってきました。皆さんに胸を張って研究成果を報告できるように、引き続き仕事に励みたいと思います。

高橋一也 記

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