新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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留学だより

Yonsei大学訪問記

2018年7月3~5日

2018年7月3日から5日にかけて、韓国 Yonsei UniversityのKwangHyub Han教授のお招きでの寺井教授の講演と、Han先生のラボでのリサーチセミナーの目的で、新潟からの直行便を利用し、Yonsei Universityにお邪魔してきました。
3日はIncheon空港にラボメンバーのBeom Kyung Kim先生にお出迎え頂き、Han先生、Beom Kyung Kim先生、Ja Kyung Kim先生らと夕食をともにしながら、寺井教授から、現在の新潟大学における状況など、ざっくばらんにお話ししました。

4日は午前中は景福宮を見学し、午後から、Seung Up Kim先生のご案内の元、Yonsei Universityの講堂で寺井教授の講演がなされました。多くの病院スタッフや教授の先生方がこられ、たくさんの質問をされていました。肝臓に対する細胞、再生療法については、10年以上に渡って寺井先生とコラボされてきたラボですので、Hyun Ok Kim先生など旧知の先生が多く来られていました。

また、ラボの先生方とリサーチミーティングを行い、上村がハイドロダイナミック法を応用した遺伝子治療に向けた研究の現況と、臓器間ネットワーク研究の進捗等を発表させていただきました。同ラボでもRo先生らがハイドロダイナミック法で効率のよい肝癌モデルマウスを作製しておられ、今後コラボレーションさせて頂けそうです。臓器間ネットワークに関連する肝再生研究では、大変多くの移植をされておられることから、ドナーやレシピエントの血清から、私たちが着目している因子の測定ができるのではないかと、Ahn先生からサジェストいただきました。

その後、大学病院内のツアーもしていただき、病床数2,000の大病院、多くの医師、スタッフが勤務する各部署を拝見しました。エコーや肝硬度測定は技師が行い、全てのデータ入力、管理もしており、スケールが違います。医師がすべてを行っている当院のシステムではなかなか真似ができません。

Han先生のお部屋にもお邪魔し、I love Internal Medicineのロゴの入ったマグカップを頂戴しました。消化器、肝臓病学を専門としていても、その源流にある内科学の習得なくしては偏った医師になるという事をおっしゃっておられました。専門医制度が大きく変わりつつ日本の内科医師にとって重要なメッセージにもなると感じました。 また、メンバーがディスカッションするエリアには 3C (Creation, Communication, and Collaboration)と書かれており、当科の市田名誉教授のモットーであった(模倣、蓄積、想像)と通ずるものを感じ、原点を見つめながら進んでいく必要を感じました。ぜひ、今後もいろいろとコラボレーションさせていただけたらと思いました。また、Han先生をはじめ、皆さんご家族のお話をされ、家族を大事にしながら仕事をする姿勢も名誉教授のモットーに通ずるものを感じました。
興味深かったのは、ラボでは多くのコミュニケーションは英語でなされ、日本よりも普段から英語を使用されていることが多いのではないかと感じます。細かな機微を伝えることは日本語がいいと感じる時が多いですが、科学的な事を伝える際や、目上の人であってもきちんとdirectに伝えることのできる言語である、国際語の英語はやはり身に着けておくべきと感じました。夕食をラボメンバーのみなさん、Han先生とご一緒させていただき、今後のkeep in touchをお約束し、ラボ訪問を終えました。

韓国は初めてお邪魔しましたが、道路標識や生活(食生活などはもちろんアジアですが)はアメリカの様式が多分に組み込まれ、合理性が高い印象を持ちました。英語が通じること、時差がないこともあって、全く疲れを感じませんでした。
このような機会を頂き、寺井教授に深謝いたします。

上村顕也 記

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