新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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Sun Ship通信

食道静脈瘤の治療

新潟市民病院 消化器内科・血管撮影室
和栗 暢生

はじめに

  食道静脈瘤(EV)は肝硬変を代表とする門脈圧亢進症の主たる表現型で,その破裂出血はいまだに致死的となる病態である.  内視鏡的静脈瘤結紮術(Endoscopic variceal ligation: EVL)の登場により,破裂出血のコントロールは著しく容易となった.EVLはその簡便性により,待機例や予防治療例まで全国的に急速に普及した.待機例や予防治療例においては,そのEV再発抑制効果から,内視鏡的静脈瘤硬化療法(Endoscopic injection screlotherapy: EIS)が第一選択治療として推奨されている1).しかし,EISには手技の煩雑性や効果の不均一性があるのも事実である.当科では3次救急病院として,全ての内視鏡医が救急初期対応から待機・予防治療まで均てん化して行えるEVLを,EV治療の主軸に置いている.EVLを中心に,特殊な症例には,EISやアルゴンプラズマ凝固(Argon plasma coagulation: APC)地固め療法の追加を2, 3),また門脈血行動態全体を考慮したinterventional radiology (IVR)の追加を行っている.本稿では,当科におけるEV治療の実際を解説する.

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