2026/08/31
こころのSOSに気づくために――自殺予防週間に考えたい、声のかけ方と相談先
毎年9月10日から16日は「自殺予防週間」です。2026年度も、厚生労働省の年間行事予定にこの期間が自殺予防週間として位置づけられています。自殺を防ぐためには、悩みを抱えている本人だけでなく、その周囲にいる人が変化に気づき、必要な支援につなげていくことも大切です。[1]
こころの不調は、必ずしも「つらい」「助けてほしい」と言葉で表現されるとは限りません。以前より元気がない、眠れていないように見える、人との交流を避けるようになった、仕事や学校を休むことが増えた、といった変化がみられることがあります。また、「消えてしまいたい」「生きていても仕方がない」などの言葉が聞かれた場合には、そのままにせず注意して受け止めることが重要です。
周囲の人ができることの一つが、まず声をかけることです。厚生労働省では、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聴き、必要な支援につなげ、見守る人を「ゲートキーパー」としています。特別な資格は必要ありません。「最近、少し元気がないように見えるけれど大丈夫?」「眠れている?」など、相手を責めずに気にかけていることを伝えるだけでも、話し始めるきっかけになります。[2]
話をしてくれたときには、すぐに解決策を示そうとするよりも、まず本人の話を聴くことが大切です。「そんなことで悩まなくても大丈夫」「もっと頑張ればよい」と励ますことが、かえって本人を孤立させる場合もあります。相手の感じているつらさを否定せず、「それはつらかったね」「話してくれてありがとう」と受け止めることが支援の第一歩になります。
一方で、家族や友人だけで抱え込む必要はありません。つらさが強い場合や、「死にたい」「消えたい」といった気持ちがある場合には、医療機関や公的な相談窓口など、専門的な支援につなげることが重要です。厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話、SNSなど複数の相談方法が案内されています。[3]
たとえば「#いのちSOS」は0120-061-338で、24時間365日相談を受け付けています。「よりそいホットライン」は0120-279-338で24時間対応しています。また、「こころの健康相談統一ダイヤル」0570-064-556では、電話をかけた地域の都道府県や政令指定都市が実施する公的な相談機関につながります。受付時間などは窓口によって異なります。[4]
身近な人の様子が心配なとき、「力になりたいけれど、自分に何ができるのだろう」と戸惑うこともあるでしょう。しかし、その小さな気遣いや思いやりの気持ちは、当事者にとって大きな支えとなることがあります。 こころの不調に気づいたときは、「変化に気づく」「耳を傾ける」「支援先につなげる」「見守る」のうち、どれか一つでも実践することが、その人を支える大切な一歩になります。 あなたの思いやりが、一人の人生を明るく照らす――。そんな魔法のような瞬間が、精神科診療の日々にはあります。
この機会に、あなたも身近な人のゲートキーパーになってみませんか。
参考情報
- [1] 厚生労働省「令和8年度(2026年度)年間行事予定」(2026)
- [2] 厚生労働省「ゲートキーパーになろう!大人向け」
- [3] 厚生労働省「まもろうよ こころ」
- [4] 厚生労働省「電話相談窓口|まもろうよ こころ」
※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としたもので、個別の診断・治療を代替するものではありません。