新潟大学医学部麻酔科学教室
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脳脊髄機能モニタリング

 当教室では、手術中に中枢神経機能に危険が及ぶ可能性がある場合、全身麻酔下の患者で電気生理学的手法、すなわち誘発電位測定を用いた脳脊髄機能モニタリングを行っています。脊椎・脊髄外科、脊髄栄養動脈にかかわる大動脈手術、高位脱臼整復などにより脚延長・神経伸展の可能性がある股関節手術、脳虚血のリスクのある手術(頚動脈内膜剥離、脳分離体外循環を要する大動脈手術)などがその対象で、術操作による神経伝導路の障害や術中の中枢神経虚血が同定できます。
 同様の目的で行われる神経機能検査法には、手術中患者の麻酔深度を浅くし口頭で命令に従わせるwake upテストという方法もあります。しかし、この方法では麻酔を浅くしている間に患者に苦痛を強いる可能性があります。誘発電位という手法では、神経システムの一部に電気などで刺激を加え、それに対する反応を神経システムの連絡した先で電気信号として捉えます。これにより、刺激の受容から反応発現に至るまでの神経機能を意識のない患者でも他覚的に評価することが出来ます。
 ただし、誘発電位は手術操作以外の様々な要因によっても変化することがあります。そのため、その性質に精通していることが正確な診断をする上で不可欠です。それらの要因の中で影響が強く特に重要なのが「麻酔薬の影響」です。誘発電位検査法には、刺激法・導出部位等によりいくつかの種類がありますが、誘発電位の種類によっても「麻酔薬の影響」は異なります。当教室では、他に先駆けて様々な麻酔薬の各種誘発電位に及ぼす影響を研究発表してきました。臨床電気生理学という分野では麻酔科を母体とする医師は実は少数派ですが、有用な誘発電位が手術中安定して記録できるようになったことへの麻酔科医の貢献は大きいと自負しています。
現在手術中に多く用いられている誘発電位
1) 体性感覚誘発電位

2) 運動誘発電位

3) 脊髄誘発電位

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