このたび、当研究室の前任教授であり、本学名誉教授であられた五十嵐 道弘先生がご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表するとともに、ご生前のご功績を偲び、深く追悼の意を表します。
五十嵐 道弘 先生は、2000年8月に新潟大学医学部生化学第二講座の第3代教授にご就任され、以来約24年にわたり、教育・研究の発展に尽力されました。
ご専門は神経生化学であり、とりわけ神経細胞の軸索先端に形成される成長円錐の生化学的研究において先導的役割を果たされました。プロテオミクス解析を基盤として、神経回路の形成・再生機構および神経疾患の分子基盤の解明に取り組まれ、その成果は国際的にも高く評価され、神経科学分野の発展に多大な貢献をされました。
また、関連学会においては、常に最新の研究動向を踏まえたシンポジウムを企画・主導され、学術コミュニティの発展と国際交流の促進に大きく寄与されました。これらの卓越した研究業績は高く評価され、2014年には神経成長および再生の分子機構に関する研究により、第67回新潟日報文化賞を受賞されています。
学内においては、医学部研究戦略委員会委員および副医学部長を歴任され、医学部の運営ならびに研究体制の強化・発展に多大な貢献をされました。教育においては、医学における生化学・分子生物学の本質的重要性を説く講義を通じ、多くの学生に確かな学問的基盤と探究心を育まれました。
ご多忙な研究および大学運営業務の傍ら、能楽、将棋、歴史的建造物や仏像の鑑賞など多彩なご趣味を楽しまれ、豊かな教養と遊び心を兼ね備えたお人柄でいらっしゃいました。とりわけ狂言に深い愛着を持たれ、登場人物・太郎冠者にちなむメールアドレスを用いられていたことは、先生のユーモアあふれるお人柄を象徴するエピソードとして、今も心に残っております。
先生の厳しくも温かいお人柄と深い学識は、今なお私たちの心に深く刻まれております。
ここに生前のご厚誼に深く感謝申し上げますとともに、先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
脂質生化学教室 一同

