ご挨拶             腎研究センター腎分子病態学分野 教授 河内 裕

 

 新潟大学の腎研究施設は全国で唯一の“腎臓”の特別研究施設で、
「腎死に至る糸球体硬化への進展阻止」を設立趣意として昭和48年に設立されましたが、この度改組され、腎研究センター基礎部門に移行しました。腎研究センターは、基礎部門に加え、臨床部門、トランスレーショナル部門の3部門体制で、これまで以上に充実した体制で、腎臓病対策に取り組んでまいります。 

 当分野が主な研究課題として取り組んでいますのは、「蛋白尿」の発症機序の解明、メサンギウム増殖性腎炎の発症・進展機序の解明です。蛋白尿は腎不全への進行を加速させる重要な悪化因子であるだけでなく、心・脳血管疾患発症の危険因子であることが明らかになっており、「蛋白尿」の発症機序の解明は、極めて重要な研究課題です。当分野は、蛋白尿は、スリット膜という糸球体上皮細胞の細胞間接着装置の機能低下により引き起こしていることを、世界に先駆けて提唱し、この分野の研究をリードしてきました。また、当分野で開発した糸球体硬化モデルは世界中で利用され、病態形成機序の解明、薬剤開発に貢献してきました。  

 当研究室には、臨床医、細胞生物学者、分子遺伝学の研究者が集まっております。それぞれの専門を足場として日々Discussion、切磋琢磨して、腎臓病の新規根本療法の開発にむけた研究に取り組んでおります。当分野の研究の最終目標は、腎臓病の予防、腎臓病の根絶です。

 当分野の研究に興味、共感を持たれた方は、是非、当研究室を訪ねてみてください。