ごあいさつ

特任教授メッセージ

「十日町の今は日本の未来を映し出す鏡」

十日町いきいきエイジング講座は、本格的な超高齢社会を迎えている十日町市の医療と介護の効果的な連携のシステムづくりを目指し、学術的な視点から、これに資するエビデンスを創り出すことを目的とします。

十日町市は、高齢化率が30%を超えており、地方都市としては日本の10年~20年後の未来を映し出す鏡とも言える高齢化先進都市の一つです。 高齢化対策として介護保険制度や介護施設、介護人材育成を含むシステムづくりを国が主導して進めてきました。しかし、予想を上回るペースで高齢化が進み、近い将来には一人の高齢者を国民1~2人が支える世の中になります。このような状況で考え出された地域包括ケアシステムは、高齢者のケアを医療機関、介護施設だけに頼ることなく、自宅、そして地域で支え合う仕組みです。また、近い将来、約5分の1の高齢者が認知症になると言われています。認知症高齢者を地域で支える「認知症に優しい街づくり」も全国で進んでいます。このような高齢化に伴う課題を解決するために今回、十日町市からの寄附により新潟大学に開設されたのが十日町いきいきエイジング講座です。

本講座では、医療と介護の利用状況を分析し、医療と介護を提供する現場の方々、そして提供を受ける高齢者の声を聞きながら、高齢者の健康と幸せを支える仕組み作りに資するエビデンスづくりを十日町市と一体になり、進めてまいります。十日町市にすでにある医療機関や介護施設、そして医療と介護のサービスを効果的に活用できるように、現状と将来のニーズを踏まえた「出向くケアと医療」のシステムづくりに向けた提案などをしていきます。

十日町いきいきエイジング講座のエイジングとは、高齢化、の意味です。十日町市民の皆様がいきいきと暮らし、いきいきと年齢を重ねていけるように、という願いが含まれています。また、2017年に私たちが十日町市と協働で行った「十日町いきいき健康調査」がこの講座を立ち上げるきっかけともなっていることもあり、いきいき、という言葉を使いました。 Active Ageing(=いきいきエイジング)は世界中で課題になっています。 豪雪に耐えて営々と築かれてきた十日町の歴史、風土、習慣にはすでにそのヒントがあると信じています。

22世紀に向かって、これまでに経験したことのない、さらなる高齢化と人口減少という変化の中で、十日町の皆様がよりよい人生を楽しく満足に生きていけるように、安心の医療・介護の仕組みをつくるためのお手伝いができれば幸いです。 十日町で培われた経験や生み出された科学的な知見を世界の高齢化対策に生かすことができれば、これ以上の喜びはありません。

新潟大学 大学院医歯学総合研究科
十日町いきいきエイジング講座 特任教授
菖蒲川 由郷(しょうぶがわ ゆうごう)

概要等

組織名
新潟大学大学院医歯学総合研究科 十日町いきいきエイジング講座
設立
2019年10月
住所
新潟大学オフィス
〒951-8510 新潟市中央区旭町通り1-757 
新潟大学大学院医歯学総合研究科西研究棟732号室

電話:025-227-2131

十日町オフィス
〒948-0065 新潟県十日町市高田町3丁目南442番地 
十日町市医療福祉総合センター内

電話:025-757-3622