アジアと世界の高齢化対策

①ミャンマーとマレーシアにおける高齢者社会疫学調査

これから本格的な高齢化が進むアジアの高齢者対策は今後の世界的な課題です。世界でも類をみないほど急速に高齢化が進んだ日本が直面してきた課題はそのままアジアの高齢化対策に役立つ知見・経験となります。これらを視野に私たちは国内のみならず、アジアを中心に海外の高齢者調査を実施してきました。日本医療研究開発機構(AMED)の地球規模保険課題解決推進のための研究事業を獲得し、ミャンマーとマレーシアで高齢者を対象とした社会疫学調査(2018年ミャンマー、2019年マレーシア、それぞれ訪問調査)を実施しました(AMEDホームページ参照)。この調査はWKC(世界保健機関健康開発総合研究センター、通称WHO神戸センター)からの助成を受けています。ミャンマーとマレーシアの高齢者社会疫学調査で得られたデータに基づく知見は国際的に注目されており学術集会や学術誌で公表されています。

このようなミャンマーとマレーシアとのつながりから、ミャンマーとマレーシアの公衆衛生関係者や高齢者研究の専門家が来日し十日町市で行われた国際会議や研修に参加しています。

②ASEANのActive Ageing指標開発

これまで、ASEAN(東南アジア諸国連合)と日本が共同で健康長寿、Active Ageingのための指標の開発を手がけてきました(ADBホームページ参照)。日本では厚生労働省の研究事業として指標の改良とブラッシュアップを進めています。当講座ではこれまでのミャンマーとマレーシアにおける調査のデータに基づいて、指標の開発に参画しています。