新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野-旧内科学第三講座-

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学生・研修医の皆様へ

肝臓グループ

肝臓分子免疫病態・再生研究グループ

当グループでは現在、肝疾患の病態における自然免疫応答の関与の解明、消化器癌におけるバイオマーカーの同定、および肝再生に関連したテーマについて主に分子生物学的手法を用いた研究をおこなっています。

  • 肝移植後のC型肝炎重症化機序における自然免疫応答の関与の解明
    免疫抑制剤、特にカルシニューリン阻害剤によりT細胞受容体情報伝達が特異的に阻害されています。肝移植後のC型肝炎再発例におけるNK細胞機能変化の実態を分子・細胞レベルで特定し、肝炎重症化機序への関与とそのメカニズム解明を目的とし、肝内NK細胞の解析を中心に研究を進めています。
  • 肝細胞癌におけるNK細胞活性化レセプターリガンド発現と再発・予後との関連
    NK細胞活性化レセプターであるNK2Dに対するリガンドは、正常肝細胞では発現していないものの、癌化に伴い発現しNK細胞活性化に関与するとともに、可溶型として分泌されNK細胞機能抑制に関与することが知られています。現在、そのようなNK細胞活性化レセプターリガンドの肝細胞癌における発現と再発・予後との関連について解析をおこなっています。
  • 肝細胞癌の再発予測・予後予測に有用なバイオマーカーの同定
    肝細胞癌は高率に肝内転移を来し、これが重要な予後不良因子となっています。再発あるいは予後が予測可能なバイオマーカーの同定は、早期治療や治療方針の決定に有用と考え、様々な分子生物学的手法を用いてその同定を進めています。
  • 肝組織幹細胞の理解に基づく肝再生療法、肝細胞癌治療、抗線維化療法の開発
    肝臓は非常に再生能力の高い臓器として知られています。
    肝幹前駆細胞は、急性、慢性肝障害時に出現し、再生、癌化、線維形成および改善と密接に関与していると考えており、臨床的な視点と基礎的視点を織り交ぜながら、病態理解と新しい治療法開発に取り組んでいます。また、京都大学、英国エジンバラ大学などとも積極的に共同研究を行っていきたいと考えています。
    Stem cellに興味のある方はぜひ一緒にやりましょう。

分子標的研究グループ

私たちのグループは、 ハイドロダイナミック導入法による遺伝子治療の臨床応用を目指し、米国ピッツバーグ大学、新潟大学工学部との共同研究を行っており、継続的に米国へ留学生を派遣しています。
研究成果は英文著明誌への論文発表に加え、2005年からは毎年、全米遺伝子治療学会で報告しています。
さらに2010年には、新規導入システムの開発に関連して特許の出願(特願2010-136490:時間-脈管内圧制御に基づく細胞内薬物送達システム及び細胞内薬物送達方法)を行い、産官学連携による実用化を目指してイノベーションジャパン2010(東京)、MD&M West 2011(アナハイム)などへ積極的に参加し、企業との提携を模索しています。またハイドロダイナミック導入法の技術を応用したミトコンドリアへの遺伝子導入法の開発も試みています。

また、肝細胞癌の腫瘍マーカーであるアルファフェトプロテインに腫瘍特異性分画であるフコシル化分画が存在する事を発見し、フコシル化責任酵素としてアルファ1-6フコシルトランスフェラーゼ(FUT8)を同定してきました。フコシル化分画測定の臨床的な意義を多方面から解析するのに加え、糖鎖変異が細胞増殖・発癌へ及ぼす影響を明らかとするためにFUT8のコンディショナルノックアウトマウスを作成し、解析を進めています。

さらに肝細胞癌症例の臨床検体を用いて、化学療法に対する感受性規定因子の検索、細胞増殖と癌化に関連する遺伝子の同定、新規非コードRNAの同定と機能解析などを、他施設との共同研究の形で進めています。

同門会の皆様へ